今回のトルコショックの原因はオバマ前大統領
トルコショックが起こり、特に新興国通貨が売られています。
取り急ぎ、トルコの解説からしてもよいのですが、全体の解説をしてからトルコの解説をしたほうがよりわかりやすいので、まず全体の解説からしていきます。
日本ではオバマ前大統領に関して、現職のアメリカ大統領が広島原爆投下の慰霊に来たことが評価され、あまり悪い報道はありません。
むしろ、トランプさんの放言が心象を悪くするような状態です。
確かにオバマさんは、ブッシュ元大統領を引き継ぎ、リーマンショックを鎮火させた功績は大きく評価すべきなのですが、一方でトランプ大統領と同様、アメリカが世界の警察を辞める方針でした。
ところが、そのやり方に関しては悪評プンプンです。
オバマさんは広島を訪問したことからもわかるように、博愛主義者です。
しかし、そのやり方が問題で、同盟国に対しては冷淡な反面、かつて覇権を争った東側の国々には手厚い保護をしました。
例えば、ホワイトハウスの執務室には長年イギリスの元首相であるチャーチルの銅像が飾られていたのですが、それを倉庫に押しやってしまいました。
倉庫行きになったイギリスの心象は良いわけがありません。
これに対してトランプさんが何をしたかと言えば、大統領就任後、初めての公式訪問先にイギリスを選びました。
こうしてイギリスとの関係悪化に終止符を打ったのです。
在イスラエルアメリカ大使館移転の意味
トランプさんは、就任直後にイスラエル大使館をエルサレムに移転させることを発表しました。
これにはトランプさんがキリスト教福音派だからという解説がありましたが、全く意味不明のことになります。
オバマ施政時にイランに革命が起きた際、オバマ大統領が新政権の支持を表明したことに由来するものです。
これによって、アメリカに見捨てられる可能性があると判断したイスラエルが、急速にロシアに近づいたことが原因になります。
つまりオバマさんが新政権を容認しなければイスラエルの離反などあり得なかったのに、それをやってしまったのです。
トランプさんは、すぐにイスラエルに対してこの失敗の訂正し、イスラエルこそが中東におけるアメリカの拠点であることを表明しました。
いまだ尾を引くオバマさんの失政
このようにオバマ政権は、安全保障や外交面で無茶苦茶なことをやっており、それをトランプさんが訂正して回っているのです。
例えば、北朝鮮の核開発を許したのもオバマ政権時。
中国の南シナ海の埋め立てや尖閣の領海侵犯、沖ノ鳥島への不法漁業操業もオバマ政権時。
アラブの春によって親米のエジプトやリビアを潰したのもオバマ政権時です。
経済や平和に関しては上手く立ち回ったオバマさんですが、安全保障や外交では滅茶苦茶でした。
特に同盟国に対しては冷淡で、逆に対立していた敵対国には優しくしていたのです。
こうしたことから、アメリカの同盟国連合はアメリカから距離を置き始め、その結果起こったことがアジアインフラ投資銀行(AIIB)への同盟国の加入になります。
AIIB=アジアインフラ投資銀行(アジアインフラとうしぎんこう、英: Asian Infrastructure Investment Bank, AIIB、中: 亚洲基础设施投资银行)
アメリカはこの中国設立の国際銀行に加入しないよう求めましたが、オバマさんのやり方に不満を持った日本を除く同盟国は、次々にAIIBに加盟しました。
今回の通貨危機の当事国であるトルコもその一つです。
平和と経済に関しては評価の高いオバマ前大統領も、外交と安全保障では失格の烙印を押されているのが実情と言えます。
アメリカ歴代の大統領でも、これだけの失政を行った人も珍しいものです。
それに対してトランプさんは?
アメリカの北朝鮮外交を見ても、トランプさんがオバマさんの外交姿勢を全否定しているのがよくわかると思います。
オバマさんは、アメリカの同盟国連合という安全保障をブチ壊して、敵対国と仲良くしていただけです。
結果、アメリカは同盟国連合が崩壊しかかっていることを認識し、その引き締めにかかったのがトランプさんのやり方ということが認識できると思います。
今、世間を騒がしている貿易問題などは、同盟国に厳しく、敵対国に優しく行ったことの反作用でしょう。
それ以前は、同盟国はアメリカの貿易赤字に気を使っていたのですが、同盟を見捨てるような行為にアメリカの貿易赤字をそん度しなくなったのが実情になります。
そしていったん利益を手にした敵対国に対して、その利益の掃き出しを求めるようになったのが今の中国との貿易戦争ということです。
博愛主義のオバマさんと仲間を大切にするトランプさん。
どちらが良いのかは一概には言えませんが、トランプさんは中間選挙を控えて、オバマさんが残したお金にならないシステムを壊しにかかっていることは、この状況を見ればわかると思います。
オバマ外交の一番の問題と金価格
オバマ外交の一番の問題点は、アメリカに対する警戒感が薄まったことです。
9.11は、典型的な事例になります。
敵対国に博愛の精神をもって接するオバマさんによって、いわゆる「イスラム国」などの粗暴なテロ集団が誕生することになりました。
世界各地で頻発するテロ、これはオバマさんの世界戦略によって生み出された申し子と言っても過言ではないでしょう。
なぜなら、アメリカに逆らう国家があってもオバマさんが寛容に接したことがテロの温床になったと考えられるからです。
その証拠に「イスラム国」によるテロなどは、オバマ政権が誕生してから頻発しています。
トランプさんになって今後、アメリカがにらみを利かせることによってテロは減少するでしょう。
このことに関して意見はさまざまでしょうが、テロの発生件数はオバマさんの大統領就任後に劇的に増加したことは事実です。
そして、宗教色が強く反米的で、今回の通貨危機の当事者となったエルドアンさんがトルコの大統領に就任することになったのもオバマさんの任期中のことになります。
なお、テロが地球規模、国際規模で事件になった場合、金にとっては上昇要因になりますが、トランプさんの安全保障政策の変更によって、テロが減ることこそが望ましいと言えます。
この場合は、金の売り材料になります。
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