コスチュームジュエリーの代名詞「ミリアムハスケル」
ガラスや真鍮など、決して高価な材料から作られているわけではないのに、その輝きはファインジュエリーに勝るとも劣らないコスチュームジュエリー。
その代表的なブランドといえば「ミリアムハスケル[Miriam Haskell]」の名をまず挙げる人は多いことでしょう。
彼女が世に送り出した多くの名作は、今なおコレクター垂涎の的。サザビーズ、クリスティーズといった有名オークションの常連にもなっています。
コスチュームジュエリーは、宝石や貴金属で作られるファインジュエリーの対極をなす、自由な発想の素材使いとデザインが魅力。
ヴィンテージ、アンティークのコスチュームジュエリーはファインジュエリーにも負けない高価格で取引されることも多いのです。
今回は世界中にファンを抱えるコスチュームジュエリーの代名詞「ミリアムハスケル[Miriam Haskell]」についてご紹介します。
ブランドヒストリー1.「ミリアムハスケルは女性起業の先駆者だった!」
※こちらはイメージです
「ミリアムハスケル」本人が誕生したのは、新しい世紀の幕開けを控えた1899年のことでした。
アメリカ中西部のインディアナ州にて、ロシア系ユダヤ人移民の子として生まれたミリアムは、シカゴ大学での勉学を終えた後、ニューヨークで自分の店を持つことを決意します。
当時は第一次世界大戦がおわり、人々の気分は戦争から解放された気分で高揚、女性たちは新しい自由な生き方を求める機運が高まっていました。
ニューヨークに出て自分の運を試そうというミリアムハスケルの行動には、そんな時代の空気が後押ししていました。
そして1926年には、念願のミリアムハスケル社を立ち上げ、ミッドタウンの中心にある現在の「ヘラルドタワーズ」にコスチュームジュエリーのショップをオープンしました。
創業当時ショップに並べられていたアイテムの多くはヨーロッパから仕入れたシャネル、ディオールなどオートクチュールブランドが作ったコスチュームジュエリーでした。
何度もパリに通い、そしてコスチュームジュエリーに携わっているという共通点によってシャネルと親交が生まれ、シャネルの顧客「マダム・グリポワ」のサロンでさらにジュエリーを見る目を磨きました。
ブランドヒストリー2.「ハリウッド女優たちに愛されたミリアムハスケル」
※こちらはイメージです
ミリアムハスケルが初めてショップを開いた当時のヘラルドタワーズは「McAlpin Hotel」の名で呼ばれる当時世界最大といわれた一流ホテルでした。
多くの富裕な女性たちがミリアムハスケルのコスチュームジュエリーに魅了され、彼女のビジネスは順調に滑り出しました。
そしてまもなく57番街に店舗を開き、「サックス・フィフス・アベニュー」など現在も残る高級デパートにもミリアムのコスチュームジュエリーが置かれるようになりました。
大都会ニューヨークでまたたく間に人気者となったミリアムのジュエリーは、多くのハリウッドの女優たちの腕や首を飾ったのです。
特筆すべきはマリリン・モンローの愛人だったと噂された、当時を代表するバイセクシャルのグラマー女優「ジョーン・クロフォード」のコレクションです。
彼女のミリアムハスケルコレクションは、1920年代から1960年代にかけて生産されたほぼすべてのジュエリーを網羅していました。
実は1950年以前に造られたミリアムのコスチュームジュエリーには、ブランドネームの刻印がありません。
ミリアムハスケルの作品かどうかをジャッジできるアーカイブデータとして、ジョーン・クロフォードのコレクションは大変貴重な存在となっています。
ブランドヒストリー3.「ミリアムハスケルの成功要因は天才フランク・ヘス」
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実は、ミリアムハスケルのコスチュームジュエリーのデザインは、ミリアム本人が手掛けたものではありません。
ミリアム自身はあくまでショップオーナーとしてアイデアや指示を与えながらも、ほとんどのジュエリーデザインは「フランク・ヘス[Frank Hess]」が担当していました。
ミリアムハスケルが当時の女性たちを夢中にさせた理由の一つが、繊細でクラシカルでありながら、どこかかわいらしさが残るデザインにあります。
花や植物をモチーフに多用し、女性の夢を形にしたようなコスチュームジュエリーは、ほとんどが彼の手によるものでした。
なお、初期のミリアムハスケルのオリジナルジュエリーに署名や刻印がないことはよく知られていますが、1940年代の短い期間にオリジナルタグが付いた作品があります。
エンボス加工されたミリアムハスケルの署名とともに馬蹄形の飾りが付いており、この署名を持つ作品はレアアイテムとして、コレクターたちの垂涎の的となっています。
コスチュームジュエリーはなぜ人々の心を惹きつけるのか?
※こちらはイメージです
コスチュームジュエリーのネーミングは、その名のとおり映画や舞台の「衣装=コスチューム」に由来します。
ゴールドやプラチナなどの貴金属、ダイヤモンドやルビーなどの宝石類を使用しないコスチュームジュエリーは、高価な素材に依存しないジュエリー製作が可能です。
デザイナーたちはコストを気にすることなく、思う存分自らの世界を表現し、個性を発揮するジュエリーを作ることができました。
宝石を好きなだけ買えるはずのセレブリティたちの心をもとらえた理由となっています。
このように決してイミテーションとは呼べない、アートの域に達することができるコスチュームジュエリーの可能性には、その後も様々なデザイナーが挑み、素晴らしいコレクションを残しました。
ミリアムハスケル同様今も人気の高いコスチュームジュエリーブランドには、「TRIFARI(トリファリ)」「Monet(モネ)」などがあります。
ミリアムハスケルのコスチュームジュエリーの特徴
ミリアムハスケルのコスチュームジュエリーの魅力は、繊細デザインや精巧な細工、そして現在では手に入らない貴重な素材にあります。
職人たちの手仕事によってつくられた極小のフェイクパールやガラスビーズは、当時ナチスドイツの迫害から逃れてきたヨーロッパの職人たちの手によるものでした。
また、ミリアムハスケルの大きな特徴である、ビーズやラインストーンで飾られた複雑なモチーフ、「ハスケルフック」と呼ばれる花びらのような真珠やビーズで装飾されたフックなど、ディテールまで凝った作りが魅力です。
そしてこの伝統は現在のミリアムハスケルにも継承されており、全盛期のデザインをベースとした、クラシックで繊細な女性の夢を閉じ込めたような美しいジュエリーを作り続けています。
最近国内では人気ブライダルブランド「ノバレーゼ」のコラボアイテムも大きな話題となりました。
花や葉といったミリアムハスケルお得意のモチーフを多用した、花嫁を美しく見せる工夫が凝らされています。
「ミリアムハスケルMiriam Haskell」のジュエリーを手に入れられる場所
※こちらはイメージです
国内にはミリアムハスケルの直営店はありませんが、個人経営のアンティークショップなどの取扱店は複数あるようです。
また、「H.P.FRANCE」「ビームス(BEAMS)」「ガリャルダガランテ(GALLARDAGALANTE)」などのショップのショーケースの中で取り扱われていることもよくあります。
伊勢丹や阪急、バーニーズといったデパートなどで行われるコスチュームジュエリーフェアが開催されたときにチェックしてみるのもおすすめです。
■ミリアムハスケル 公式サイト
https://www.miriamhaskell.com/
100年の時を経て今なお愛されるミリアムハスケルのジュエリー
※こちらはイメージです
ミリアムハスケルが小さなホテルの一角で自分の店を開いてから100年近い時が流れました。
そして今なお、ミリアムハスケルのコスチュームジュエリーは、年齢に関係なく多くの女性たちの心をとらえて離しません。
ミリアムハスケル亡き後もブランド自体はそのまま存続し、現在も愛らしくも美しい魅力的なコスチュームジュエリーを私たちに届けてくれています。
女性の夢をそのままジュエリーに閉じ込めたような、ミリアムハスケルのジュエリーは繊細な愛らしさに満ち、その輝きが色あせることはないでしょう。
ゴールドや宝石の輝きだけが、ジュエリーの魅力を増す理由ではないことを、ミリアムハスケルのコスチュームジュエリーは教えてくれるのです。
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