中国経済はヤバいのか?

中国の株価

先週は世界の株価が急落しました。

その震源は米中貿易戦争に端を発する中国である、というのがコンセンサスになっているような気がします。

果たして、それが本当なのかのを考えてまいりたいと思います。

参照元:TRADAING ECONOMICS

中国株の金融世界でのコンセンサスは、2016年の安値、2600を切るか否かに注目が行っていました。

実際に、10月26日の引け値は2599と少しだけ下回っています。

この2600を下回った時点で、中国からの資本流出が始まるというのが一般的に言われていることです。

人民元相場

実際に中国人民元相場は、元安が進行しています。

参照元:TRADAING ECONOMICS

上記はドル人民元になりますが、これはドル円と同様、チャートの上に行くのに従い人民元安が進行していることになります。

中国は、いわゆる金融緩和策などを連発しており、10月も預金準備率の引き下げ、今年3回目を発動しています。

また、そのほか、欧米の株価が急落したときにもさまざまな規制緩和や金融緩和を行っており、株価の下げを抑制することに必死になっています。

2015年に、チャイナショックと言われる上海株価の暴落が起こったのですが、中国政府がその二の舞を避けたいのは明らかです。

皆さんの記憶にあることは、チャイナショックの発生で、2016年1月に日本銀行がマイナス金利を導入していることです。

このマイナス金利の導入、実は中国景気が不振に陥ったことが原因です。

中国のGDP

世界の株価が急落している中、その下落に拍車をかけたのが10月19日にあった中国の2018年7〜9月期の発表です。

参照元:TRADAING ECONOMICS

上記は中国の年率GDP成長ですが、10月19日に発表された数字はいかに低いものなのかが確認できたでしょう。

これによって、今回の下落の犯人は、中国という説が強まっています。

しかし、よく考えてほしいのです。

2016年に、株価の安値、2600を出しているのですが、中国は毎年6%以上成長しました。

つまり、成長していないから株価が安値を取ったと考えることができます。

株価とGDP成長率

参照元:TRADAING ECONOMICS

上記は日本の株価とGDP年率成長です。

日本の場合は、株価と成長がリンクしているように見えます。

参照元:TRADAING ECONOMICS

中国の同じものを比較してみると、一見リンクしているように見えますが、毎年6%成長しているのであれば、1.06の3乗、1.19倍上昇していなければいけません。

2016年の株価の安値2600の3年後は、少なくとも3100くらいにならないといけませんが、実際に2018年の年初は3500を超える値になっています。

日本は成長に見合う株価の上昇が見られるのですが、中国は株価で見れば成長していないと言うことができます。

重要なことは日本の成長が1〜2%なのに対して、中国は6%以上です。

本来なら中国の株価は2016年と比べて2倍になっていてもおかしくはないのですが、2016年よりも低い水準というのは非常におかしい現象になります。

つまり、「中国の経済指標が信用ならない」とよく識者の方がおっしゃっていますが、全く中国の経済指標に信用がない、と言っているのです。

中国経済、不振の原因

中国経済が不振の原因は、一般的には米中貿易戦争と言われています。

では、実際に貿易統計を見てみましょう。

参照元:TRADAING ECONOMICS

2018年の貿易黒字は、前の5年と比較すれば減っています。

しかし、GDPも減っているのですから当然です。

むしろ、報復関税20〜35%もかけられて健闘していると思うのが普通でしょう。

では、本当の原因は何でしょうか?

参照元:TRADAING ECONOMICS

上記は年ごとの労働者の賃金になります。

GDPの成長が鈍化しているのに、中国人労働者の給料はそれを無視して上昇し続けているのです。

参考までに2016年から2017年の賃金上昇は7.7%に対して、GDPの成長は6.8になります。

こんなことをずっと続ければ、おそらく中国の会社は全部潰れます。

しかし、どういう事情かはわかりませんが、給料を上げざるを得ないような状況にあるのです。

世界の工場となった中国に進出している外国企業は、賃金が安いから進出しました。

彼らは撤退したいのですが、外貨規制、資本規制によって中国で儲けたお金を出金できない状態なのです。

このような国が今後も、成長するでしょうか?

答えは皆さんのご想像にお任せいたします。

行き過ぎた中国の楽観論には注意が必要です。

中国について忘れてはいけないこと

中国は共産主義国家

中国は資本主義国ではなく、共産国家です。

一般的な経済理論で説明していくと、上記の説明になりますが、これは資本主義に限った話であって、共産主義に当てはまるかどうかは、まだデータが豊富ではありませんので、なんとも言えません。

ただ言えることは、このまま改革、解放路線である資本主義の導入が続けば、修正せざるを得なくなるということです。

中国の会社のほとんどが経営危機になる前に賃金を下げるか、お得意の私有財産を認めないことによって会社や個人の財産を接収するかの二択しか残らないでしょう。

おそらく、暴動などが怖く、個人の給料に共産党はメスを入れられないからこのような状態になっているのだと思います。

となると…

共産党への不信がビットコインブームを巻き起こした

国家存亡の危機ですから、注目を浴びるのは金です。

そもそも、共産党が発表する経済データに疑問があるのですから、細かい実態などはわかりようがありません。

しかし、何も経済がわかっていない人でも本能的に、不景気で自分のお給料が下がらなかったら、会社や共産党がどうなるかはおわかりになるはずです。

そして、共産党が発行する人民元の価値はどうなるのかも、おわかりなるでしょう。

そういうときに金が注目されるのです。

かつて大ブームを起こしたビットコインが一番取引されたのは、中国である理由もよくおわかりになると思います。

要するに今の中国は、共産党への不信任であることは間違いないことです。

13億人を抱える中国の人民元に信用不安が起これば、人々は金に殺到するでしょう。

トランプさんはそういった中国の苦境を見通し、北朝鮮と仲良くすることも見えてきます。

人民の暴動が怖ろしい中国政府は…

政治的な理由から香港で発生した対中デモ

人民の暴動が怖い中国政府は、アフリカから原油を輸入するための航路である尖閣や南沙諸島に進出するでしょう。

その証拠に、中国が尖閣、南沙諸島に圧力をかけるのは、いつも不景気です。

アメリカには大豆やメイズなどの食料を絶たれていますので、南米と通貨スワップを結び、南米からメイズ、大豆の輸入を促進しています。

こう説明していくと、実は中国は米中貿易摩擦以前から不景気は確定しており、その弱体化を狙うトランプ政権は非常に優秀であることが際立ちます。

世間の評価と国際政治の舞台でのトランプさんの評価は全く違うのです。

日本は、中国の成長によって近年は経済が発展した側面があるので、今後、相当に厳しくなるでしょう。

これで消費税を上げて大丈夫なのか、とマジで心配になります。(汚くてすみません。)

ここで今の金相場をチェックしましょう。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください