2018年の金相場から2019年を占う

2018年の投資成績

2018年の各金融商品の投資成績を見ながら、今年の金相場について考えていきます。

参照元:WGC

上記は2018年の投資成績です。

左側がマイナスの商品、右がプラスの商品になります。

金融商品を上から順に石油、2番目、3番目は株式、商品、株式の世界のインデックス投資(日経平均などの株価指数のこと)、S&P、ナスダック、金、債券、ドルインデックス、ドル建て金の長期投資です。

結果を見ると明らかですが、金の長期投資が一番良いことになります。

この結果から言えること

2018年は最も成績の良かった金の長期投資だが、2019年は!?

この結果を見て、これからも金の投資が良いと安易に言うつもりはありません。

このような判断は、例えば皆さんが投資信託やファンドなどを成績順に並べて、その成績の良いものから投資していくことと同じです。

投資信託などをこのような選び方をしたことのある方はご存じでしょうが、結果的にひどい目に合います。

まず、金融商品(投資信託を含む)は通常、成績の良いサイクルは長くて2〜3年で、そのサイクルが終わるとどんなに優秀な投資家、ファンドマネージャーでも成績は低下します。

現時点で一番成績が良い金融商品は、間違いなくいつかは下がります。

去年の金の長期投資が一番良いからといって、今年も良いとは限りません。

今年の金のポイント1-石油価格は需給で決まる!?

最近、石油価格は需給によって決定すると専門家が主張しているが…

去年のワーストになった石油は近年、需給によって価格が決定すると専門家が言っています。

しかし、それは間違いであると断言しておきます。

なぜ最近、需給によって値段が決定すると言われるようになったかと言えば、単純にドルの価値が安定しているからに他なりません。

上記の表では、ドルインデックスへの投資は5%弱ほどの利益になっていますが、そもそもこれほどドルが動かない一年はありませんでした。

史上初めてドル円の動きが一年で10円も動かなかったことを見ても、ドルが動いていなかったことは証明されます。

つまり近年ドルは、昔ほどの上下動していないと言えます。

それが原油価格は需給によって動くことと勘違いを引き起こしているだけです。

原油価格は金と同様に本来、ドルの上下動によって動くものなのです。

ドルが弱ければ買われ、ドルが強ければ売られる商品特性は、金と同じ構造になっています。

今年の金のポイント2-原油の動向は?

昨年成績の悪かった原油投資だが今年は!?

去年儲かったのは、金の長期投資とドルへの投資です。

上記で申し上げたように、投資成績など永遠によいわけがなく、いつかは悪くなります。

そう考えていくと、原油価格の下落は、需要のある限りいつまでも下がるわけではない、とも言えます。

反対に、現在の原油相場は底値圏にきているのではないか、と考えるのがプロの投資家なのです。

金は去年一番良かったのだから、今年は一番悪くなる可能性も秘めているわけです。

しかし、何度も言うように金融商品の買いトレンドなどは短くても2〜3年、長い場合は10年も続くのですから、その限りではないというロジカルの視点も必要になります。

原油の投資成績は、去年25%近くも悪化したのですから、実際には価格が4/3になっているわけです。

原油の需要はなくなるのかと言えば、なくなるわけがありません。

今年の原油は狙い目であると言うこともできます。

今年の金のポイント3-株式は?

モルガンスタンレーによる株式の国債投資MSCIは-17%と散々な成績だったが…

この一番良い例が株であり、MSCIというモルガン・スタンレーによる株式の国債投資が-17%という結果を見て、「もう株を辞めた」と言う人も多いでしょう。

でも世界の成長は、先日、世界銀行が発表した通り毎年2.9%も成長しています。

通常、経済成長率で3%前後の成長している場合は、滅多に成長が止まることはありません。

去年ダメだったからと言って今年もダメという可能性は低いのです。

原油の場合、需要も増えていますが、新油田の発見やシェール革命によって供給も増加していますので、あまり上昇しない可能性もあります。

個人的な意見は、ドル安によって大きく上昇をみています、と付言はしておきます。

株価の場合、世界が成長しているのに運用成績はマイナスであるのであれば、チャンスの可能性が高いということです。

金の場合

今年が一番金が上昇する確率が高い!?

金の場合、去年の利回りは長期投資が5%以下になります。

しかし、原油の-25%や株価の17%マイナスを見ると相対的に非常に低いわけです。

原油と株価に比べれば非常に値段の上伸がなかったと言うことができます。

金の場合、2017年くらいから上昇しているのですから、今年は上伸してきて3年目になります。

「なんだ、もう最後の段階か。だったらもう金から逃げたほうが良いかもしれないな。」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

単純に原油が去年、25%下落したように、5%の上昇だったら残り20%あるかもしれない、ということです。

マーケットというものは、日常生活でも、最後の伸びしろが一番上昇するケースが9割になります。

そうです!今年が一番金が上昇する確率が高いのです。

金の上昇要因

年初の株価急落を背景にドルは下落

昨年12月からトランプ大統領がFRBに対して「金利を下げろ、下げろ」と盛んに言っています。

アメリカの金利が下がるということは、金の上昇に追い風になることは言うまでもありませんが、金利を下げるということは、トランプ大統領は「ドルの価値も下げろ」と言っているのとイコールです。

そして、現実に年初の株価急落を背景にドルは下落しています。

そうなれば、金の価格は上昇します。

ドル安の政治的背景

アメリカ政府は現在閉鎖状態

ドル安には政治的な背景がありますので、その原因を考えていきましょう。

まず、ドル安ということはアメリカの信用が落ちていること、つまりアメリカ国債を発行するときの金利が上昇していることが挙げられます。

その背景にはあるのは、アメリカの財政問題です。

以前もお話ししましたが、アメリカの財政が悪化すると金利は上昇し、ドルは下落します。

信用のないところの金利は上昇するという、経済学では当たり前の話です。

アメリカの財政は、去年、減税を行ったことによって著しく棄損していますし、現在は景気後退期に入ったのではないかという議論があります。

その結果、税収は落ち込むと考えるのが一般的です。

結果としてドル安となり、金が高くなるでしょう。

今年は金の狙い年!?

今年は金投資が熱い!?

経常収支を構成するものは、財政と貿易の収支です。

その貿易収支はリーマンショック時を除けば、過去最悪のレベルにまで達しています。

去年の夏にトルコがヤバいと騒いだ原因は、経常収支赤字の膨大さを嫌気されてトルコリラがあれだけ売られたからです。

ましてや今、アメリカ政府はシャットダウンしていますが、原因が財政赤字であることは言うまでもありません。

その結果、ドル安は当面続くでしょう。

しかも上昇しての最後の年になる可能性もありますが、金の場合、少なくても今までのデータを見ると8〜10年トレンドが続くことが確認されています。

上昇最後の年になるのであればものすごい期待ができますが、果たしてどうでしょうか?


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