日韓関係悪化の経緯
昨年から韓国と日本の関係悪化が取り沙汰(とりさだ)されています。
この日韓関係についてはかなり荒唐無稽な認識もあると思いますので、今回はその解消を目指して解説をしてまいります。
日韓関係は現在、戦後最悪と言ってもいいくらい悪化しています。
その経緯を簡単に説明いたします。
まず昨年、新日鉄住金に対して韓国の最高裁判所が賠償命令を出しました。
この判決に日本政府は激しく反発し、韓国政府に是正を求めました。
日韓平和友好条約の中に、戦後賠償に関して請求権の一切を失うことが明記されていることから、たとえ民間レベルでもこの請求はおかしい、というのが日本側の主張になります。
一方で韓国側は、三権分立の国で司法には関与しない方針を取っているのが両国の基本的な認識の違いです。
そしてこうした最中、韓国海軍により自衛隊のP-1哨戒機に向けてレーザー照射事件が起こり、この問題が事態のより一層の深刻化を招いています。
この辺までは読者のみなさんも認識しているかと思います。
では、これらの問題の根幹は何なのか? を解説してまいりましょう。
日本とは異なる韓国のデモ
3年前に朴槿恵(パク・クネ)政権が崩壊した際のデモの映像を覚えている方は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
日本ではあのようなデモは起こり得ないので、印象深いものでした。
韓国では、こういった民衆の意見が大きな政治動向になることをよく覚えておいてください。
日本のように消費税を上げない、そして移民を受け入れないと言って、それを実際に可決したとしても、デモや倒閣運動が起こるのとは別次元の話になります。
問題の根幹は朴槿恵政権の倒閣
朴槿恵政権の問題の根幹は、政府高官による汚職、贈収賄でした。
それに関連して対日関係、特にいわゆる従軍慰安婦の問題があります。
朴槿恵政権をつぶしたデモから誕生した文政権は、日本に対して厳しい要求を突きつけなくてはいけない政権なのです。
ですから、従軍慰安婦問題で日本が朴政権に10億円を付与したのも問題になります。
実際に文政権になってからこの従軍慰安婦問題の解決金10億円は、財団を解散し日本に返還する話も持ち上がっています。
日本政府としては、この解決金を支払うに当たり「不可逆的な」というかなり強い表現を出して、二度と問題を持ち出さないように韓国政府に求めました。
この従軍慰安婦問題から今回の日韓関係の悪化は始まっているのです。
排日こそが文政権誕生の理由だから…
朴政権から委託されて、日本と交渉した韓国の元駐日大使は今、どうなっているのか?
韓国の元駐日大使は、日本からの贈収賄を受けた疑いを受けて逮捕、そして有罪が確定し現在も服役中です。
そのほか現在でも元外交部長と元最高裁判所長官が、日本に肩入れをし過ぎた疑いで捜査、取り調べを受けています。
朴政権を倒したデモ自体、汚職や日本への肩入れをし過ぎということが原因になるからです。
この汚職や日本への贈収賄疑惑によって誕生した文政権ですので、朴政権で日本から贈収賄を受けた疑いのある政府高官を一斉に排除している。
これが今回の日韓関係の悪化の根幹になります。
日韓は対話すらできない関係
今回の問題でも、日韓の事務レベル協議で簡単に解決する問題なのです。
実際に韓国の元駐日大使が贈収賄なども行ってもいないのに逮捕、そして服役しているという文政権の排日政策を見れば、韓国側の対日政策担当の政府高官にしてみても、簡単に日本の事務政府高官と食事やお酒など飲めない雰囲気があるのは事実です。
例えば現在の米中関係も最悪ですが、当事者である事務レベル間では食事やお酒を酌み交わすことがありますので、言われているほどは悪化していません。
しかし、日韓は対話すらできないような状態です。
そして誰もいなくなった…
今回の新日鉄住金の件は別にしても、事務レベル協議があればレーダー照射問題など簡単に片付いたことなのですが、韓国側がその要請に応じないということになります。
そして通常、二国間の協議が存在すれば意見の食い違いなど出ないのですが、韓国側から日本を非難する声明が出るのは協議が成立していない証拠です。
日本側と協議したら逮捕、捜査を受けるとなったら、誰も交渉にあたりたくありません。
韓国側事務方に協議をする人がいない、これが真相です。
問題の根幹は文政権が反日、排日を背景にした政権にあるのです。
実際に政権側も日本に肩入れをしたり仲良くお酒や食事をした人間には、汚職の疑惑をかけて排除しにかかっているのが今回の関係悪化の真相になります。
荒唐無稽な北朝鮮との合併融合説
今回の関係悪化には実はそれ以前にも問題がありますが、ここでは書ききれないので割愛します。
上記を見れば、一方的に韓国に問題があることは明らかです。
この問題をロジカルに説明ができない人が大勢いて、例えばNHKなどは「日本が自由と民主主義に基づく国」という表記が削除されたと報道するとともに、北朝鮮の「敵国」表記が消されたという報道も同時に行われていることが南北統一を意識させているようです。
このような事実は存在しません。
事実として存在するのは、文政権が対北で宥和政策を取っていることで、それが飛躍して南北統一という荒唐無稽な話になっているだけです。
駐韓米軍の撤退については?
アメリカが駐韓米軍の予算縮小や撤退を表明しているのも、南北統一の証拠を固めているという意見もあるでしょう。
この問題は去年やおととしの今頃、北朝鮮からの弾道ミサイルがくるかもしれないと毎日のように警報が鳴っていたことを思い出し、なぜ今それがなくなったのかを考えれば簡単にわかります。
北朝鮮の脅威が米朝首脳会談によって解消したから、財政赤字を減らすべく努力しているトランプ大統領が駐韓米軍の予算削減や撤退を表明しただけの話です。
南北統一とは全く関係がありません。
根拠もなく、単なるうわさ話にすぎない南北統一という話を信じるべきではないのです。
実際にそのような協議に入ってから南北統一の話をすればいいだけの話であって、そう簡単に実現する話ではありません。
今後の日韓関係の展開
韓国の排日、反日政策が終了するとは現時点では到底思えません。
ここで文政権が対日宥和政策を行えば、前任の朴大統領のように逮捕、起訴され、服役になる可能性が大きいからです。
つまり文政権が続く限り、日本との関係は最悪のままでしょう。
しかし、韓国経済はすでに死に体だからこういうことが起こるということも忘れてはいけません。
以前にもお話ししましたが、大規模なテロやデモが起こるのは民衆に不満がたまっているからです。
真面目に働いてもちっとも豊かにならない民衆の不満から、歴史を見てもテロやデモが起こるのです。
関係が良化する見込みは、韓国の経済が少しはまともになればあり得なくもないですが、そんな見込みは現時点でありません。
関係悪化が長引くほど傷つくのは韓国
その上どう見ても国際法上、韓国側に非があるのに、こんなことを続けても韓国にとっては何のメリットもありません。
国の信用を毀損(きそん)するだけです。
新日鉄住金の徴用工問題にしても実際は徴用ではなく、求人から応募してきた人たちへの損害賠償であり、損害賠償問題など存在しません。
この話を聞いただけでも、バカバカしくて聞いてられないと思う人がほとんどでしょう。
韓国という国の信用が、この関係悪化が長引けば長引くほど傷つき、結果として国家としての体力の低下につながるのは必然でしょう。
すでに経済が死に体の韓国では金の売れ行きが好調ですので、それが金価格の上昇に拍車をかける可能性もあり得ます。