世界の自動車生産台数
今回は、自動車の電気自動車化(EV化)によって銅需要が拡大するという話に付け加えた話になります。
世界の人口は約75億人と言われており、携帯電話、スマホは全世界で40億台と言われています。
大雑把に言えば、全世界の2人に1人は携帯電話やスマホを持っており、その普及は今後も拡大していくでしょう。
考えてもみてください、携帯電話(ガラケー)からスマホへの日本での転換の速さを。
スマホが登場したのは2010年代になってからで、この間に7割だった携帯ユーザーのうち7割が、この5年程度でスマホに乗り換えました。
たった5年で、1台5~15万円する端末が普及したのです。
便利なものは、普及を促進します。
一方で自動車は、ガソリンカーで安いモノで100万円台から、対してEVは200万円が安いものの相場となるでしょう。
スマホの8倍~20倍しますが、今後、相当なスピードで普及していくことになるでしょう。
ガソリンカーの弱み
ガソリンカーの一番の弱みは、給油です。
今、全国のガソリンスタンドが電気自動車の出現によって大きく統廃合されています。
最近では出光興産が新日石三菱との統合でもめましたが、国内のガソリン小売店はほとんど大手だけになってきています。
地場で健闘しているのは愛媛の太陽石油くらいなもので、ほかは惨憺(さんたん)たる状況です。
政府の意向もありますが、今後、ガソリンカーを漸減する方向で動いており、ガソリン小売店も減少傾向にあると言うことができます。
ガソリンの小売は危険物の取扱であり、出店には厳しい規制があり、店の地下に大きな貯蔵タンクがあるため、土地汚染も大きな問題となっているからです。
冬場に灯油を使う方はご存知でしょうが、灯油の匂いはなかなか落ちないものですから、土地も相当な異臭を放つと想像できるでしょう。
ガソリンの給油はもはや日常生活の一部で、消費者には無駄な時間として映らないでしょうが、よくよく考えてみると非効率そのものです。
電気自動車の強み
電気自動車の場合、現時点では定点でしか充電できませんが、近い将来、家庭用のコンセントでも充電ができるようになるでしょう。
なぜなら、日本全国、世界各地、電気が通っている場所であれば、どこでも車を動かすことができるからです。
スマホや携帯がこれだけ爆発的な勢いで普及したのは、自動車と比べて価格の問題もありますが、電気さえあれば、どこでも電話やインターネットができることが一番の理由になります。
ちっともエコではない電気自動車
今、「環境にやさしい」がグローバルで話題となっていますが、その「環境にやさしい」は二酸化炭素の排出の問題からきており、それ以外は地球にやさしくなくてもよいという間違った傾向にあります。
ガソリンカーは、燃焼させた石油を動力にモーターを回すという駆動方式をとっています。
化石燃料を燃やす際に二酸化炭素を大量に発生するからガソリンカーは、環境によくないとされ、電気自動車の普及が進んでいるのだと思っている方が多数でしょう。
しかし、実際にはハイブリッド、電気自動車に限らず燃料電池に蓄電するためには、触媒として白金、炭素などを使い、水素と化合する際に大量の二酸化炭素が発生するのです。
その熱量エネルギーに対しての二酸化炭素発生の割合は、ガソリンカーと電気自動車、どちらもほぼ同じ量になります。
この二酸化炭素発生の量は自然法則に基づいていますので、技術革新によって減ることはまずありえないでしょう。
意外と思われる方が多いでしょうが、電気自動車はちっとも環境にやさしくなく、むしろガソリンカーと同じくらい環境に悪影響をもたらすのです。
ガソリンカーは排気ガスという目に見える現象で地球環境に悪影響を与えますが、電気自動車は二酸化炭素という目に見えない環境悪化を招きます。
なんだか、原子力発電の放射能みたいなものなのです。
電気自動車普及のカギは効率の良さ
環境対策面において、電気自動車がガソリンカーよりも優れているということは一切ありません。
ただし、給油の手間などを考えた場合、電気自動車の普及はスマホ同様大きな効率化を得られます。
電気革命なんて、もうとっくの昔に済んでいるとお考えの方が多いと思いますが、現在進行しているのは、持ち運びができず、貯蔵もできないという電気の欠点を修正した蓄電池革命です。
電気といえば・・・
電気を通電するのに一番多く使われる金属は「銅」です。
今までのガソリンカーはそれほど多くの電気を使いませんが、EV化に伴いモーターを回す動力源が電気に変わるわけですから、その電気を車全体に行き渡らせるために銅線が大量に必要になります。
一般的に言われるのは、ガソリンカーに比べて電気自動車は5倍から10倍の銅を車製造に使うということです。
現在では、世界で50億台の車が走行しており、この蓄電池革命によって、車がすべて、何年かかるかは予想できませんが、かなり早い段階で電気自動車になることでしょう。
今こそ銅の投資を考えるべきとき
1台当たりの車に使用する銅が5倍から10倍になれば、銅の価格はどうなるでしょうか?
銅価格は今かなりの低迷期にありますが、金のように1990年代はたったの300ドル台だったものが、現在のように1400ドル台になるような事態を考えることができます。
以前は日本にもマンホール泥棒なんてものがいましたが、このマンホール泥棒が横行したのは中国の資源の爆食によって、銅の価格が急騰したからです。
現在、町の至るところに銅が放置されており、お金にも銅貨が使われているくらい普及していますが、近い将来、自動車需要によってなくなる可能性さえあります。
環境浄化のためのプラチナ、パラジウム騒動も、きっかけは自動車の排ガス規制で起こりました。
逆に白金は蓄電池の触媒として需要増が期待されましたが、炭素触媒の誕生によって需要が急減しています。
しかし、あの白金の急騰騒動を知っている身からすれば、資産形成に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。
銅の投資を考える時期に来ているのかもしれません。
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