株価と金利の関係
現在、株価が大きく上昇しています。
今回は、なぜ株価はこれほどまでに上昇するのか、そしてそれに付随する金との関係について解説していきます。
上記は、日経平均株価と日本国債10年物利回りのチャートです。
青い線(右軸)が日経平均株価、黒い点線(左軸)が日本国債10年物利回りになります。
このチャートからは、2012年末のアベノミクスのスタート後、青い線の株価が急騰する代わりに金利が急速に下落しているのがわかります。
金利が安くなればなるほど、株価が上昇しているということです。
これは日本に限った話ではなく、世界的に低金利が株高を示現する方向になっています。
つまり現在の景気は、金利が下がれば下がるほど株価が上昇するのです。
直近一年で見る日本の株価と金利
以下は、先のグラフを10年間から1年間に変更したものです。
去年の10月から、株価が下がれば金利も下がってきました。
ところが、2019年の1月から金利(右軸)が0を下回るマイナス金利に突入すると、株価は反転上昇し始めています。
つまり日本の株価は、金利がマイナスになると上昇し始めているということです。
金はどうであったか?
以下は前回説明しましたが、ドル建て金価格とアメリカ10年物国債金利です。
見事に金が上昇すると金利が下がり、金利が上昇すると金の価格は下がってきています。
つまり、現在の株価と同じような動きを金もしているのです。
よくある誤解
株価が上昇すれば景気が良いのだから、金の価格は低下するという根拠のない考えをする方が大勢います。
しかし、実際に景気がよくなっているのに金の価格は上昇しています。
ほとんどの方は、景気がよくなると金は下がると思い込んでいるのに…。
これは、低金利が金の投資価値を目覚めさせ、金の価格が上昇しているということで説明がつきます。
もっと言えば、低金利が株価を上昇させる要因であれば、金の価格も低金利で上昇しているのだから、「株価が上昇すればするほど、金の価格も上昇する」というあまりなじみのない考えに帰結します。
何を申し上げたいのかと言えば、株価が上昇していれば、イコールの関係として金の価格も上昇するということです。
さらに言えば、株価が押し目を形成すれば、金の価格も押し目(価格が安くなること)を形成するということです。
できるだけ安い価格で株を買いたいのが人情であるのと同様に、金も下がったときに買いたいもの。
しかし、街中やネットの中でも金の情報はなかなかありません。
そういうときは、株価を参考に金を買っても大きな問題にはならないだろう、ということを説明しています。
株価の上昇はいつまでか?
株価の上昇はいつまでかを考えることで、金価格上昇の終わりもわかることになります。
なぜなら現在、株が上昇すれば金も上昇し、金が上昇すれば株価も上昇するという形をとっているのですから、株の上昇が終わるときを考えれば、金の目先の高値もわかると考えるのが必然です。
そして、株の高値がどのくらいになるのかは非常に簡単です。
現在の株高は、低金利からきています。
低金利はどういうことかと言えば、物価が上昇していないことです。
なぜ物価が上がるのかには、
① 需給面
② 為替面
の2パターンがあります。
このうち、絶大な影響があるのは①需給と思いがちですが、実は②為替の側面があります。
低金利が解消すれば株高の理由は失せる
今回はアメリカを中心に解説します。
日本の場合は円安で物価が上昇、円高で物価が下降ということになりますが、これはアメリカも同様で、ドル安で物価上昇、ドル高で物価下落になります。
現在はドル安なのだから物価は上昇するではないかと考える方が多いと思いますが、実際の経済では、ドル安になってから一般の商品価格が上昇するまで6ヵ月のタイムラグがあります。
アメリカの場合、去年の12月にドル高からドル安に転換していますので、その半年後は6月。
つまり6月が物価下落のピークであり、それ以降は物価が上昇することになります。
物価が上昇し始めれば現在の低金利が解消され、株や金が高かった理由が除去されるというわけです。
一番申し上げたいのは、私は以前から「金の価格のピークは7月中旬から8月上旬にかけてだ」と言っている点です。
上記の株からの説明でも、金のピークは7月くらいになるという説明が成り立ってきます。
今週は大きく下落しましたが、これは単なる調整局面であって、ここからまだ金価格が上がる可能性が高いということを申し上げたいのです。
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