分析のみで当てたドル円シナリオ
今回は、なぜ今回の戻りが発生したのかを話します。
予定通りにドル円は111.3円近辺(?)で止まり、111.7円くらいまで戻してきました。
111.3円が当たっている範中なのかは疑問が残りますが、1週間ほど前にこのシナリオを何で導いたか? と言えば、単にテクニカルのみです。
テクニカルを否定していると皆さんに思われているかもしれませんが、シナリオを作るのには適していると言えます。
テクニカル分析を行うのであれば、このくらいのレベルに到達してやっとプロと言えるのであって、目先の値動きを当てることに拘泥(こうでい)してしまう場合は役に立たないということを言いたいだけです。
次々と予測が当たる理由は?
蛇足になりますが、アメリカ議会で国境の壁をめぐる国家緊急事態法が否決されたのも、予測した通りの展開になりました。
特段インサイダー情報があるわけではなく、きちんと分析していればわかることですし、イギリスのEU離脱延期も年初から言っていたことです。
これらからわかることは非常に簡単で、わかることとわからないことをきちんと区別して考えれば、結論は誰でも導けるということです。
超能力があるわけでもなく、エビデンスをもとに分析すれば誰でもできることなんだ、ということが言いたいだけです。
日本の機械受注
下記グラフは日本の機械受注、前月比の数字です。
機械受注とは、企業が設備投資や増産に入る体制を見極めるためのもので、受注が増えていれば今後景気は拡大する、すなわち株価が上昇するというものです。
この数字が過去1年間で去年の夏以降、最悪の数字になったことは特筆に値します。
昨年の夏は自然災害によって受注が落ち込んだのは一目瞭然ですが、本当に景気が良かったらそれ以降は機械受注が増えていくはずです。
しかし、翌月の10月に大きく上伸したのを最後に、それ以降は低減していくのは自明になります。
これが問題なのは、去年の9月のように最悪の数字が出れば劇的な増産に入るはずが、むしろ順調に減ってしまうということです。
だから、株価がインチキだと言っていたのです。
そのインチキの根源が日本銀行による株価の買い支え、年金の買い支えです。
機械受注が「最悪」である根拠
最悪の根拠は、以下のリーマンショック以降の日本の機械受注(前月比)のグラフを見るとおわかりになります。
去年8月の自然災害の被害がいかにひどかったかを如実に物語っています。
通常このような落ち込みがあれば、以降にものすごく高い数字が出るのですが、いったん戻して、先日発表された1月の数字も前月比-5.4になってしまいました。
先行指標の大事さを知っている人は、日本株が上昇するわけがないだろうと判断するのが当然ですが、実際には株価は上昇してしまっています。
原因は、国内的には今年10月に予定される消費増税であり、海外的には中国、アメリカを筆頭に経済が調整局面に入っていたということです。
そんなの関係ねぇ〜消費税の軽減税率
安倍首相は消費増税対策のために「ポイント制度うんちゃらかんちゃら」とかほざいていますが、実際の企業の現場では小島よしおばりに「そんなの関係ねぇ~」です(笑)
何度も言いますが、消費税とは消費に対する罰金ですから、罰金を支払ってまで消費を増やそうという奇特な方がいるわけがありません。
儲かる分だけ働こうというインセンティブは当然働くでしょうが、ポイントがあるから消費を増やそうという人はいるはずがないのです。
こうやって考えていくと、日本の成長が1992年以降横ばいの原因は消費税というのはよくわかりますよね。
今後の展望
話を戻すと、去年8月の自然災害によって産業が落ち込むのは当然でしょうが、さらに1月も落ち込んでいます。
「だったらもっと株安になるの?」と疑問がわきますが、前々から言うように今後は統一地方選挙モードになります。
そろそろ公示日が集中してくるころですが、その辺から株価は全く下がらなくなるでしょう。
途中、権利確定日やら年度末で多少は下がるでしょうが、買いのままになるはずです。
でも、機械受注の調子が今後も続き、統一地方選挙後もこんな数字が続けば、株価がどうなるかおわかりになるでしょう。
ドル円の場合
ドル円の場合、まず日本の絶対値が上昇してきていたことは何度も確認済です。
つまり最悪期を脱しているのは鉱工業生産PMIで確認しているので、上昇しています。
ところがこの辺はテクニカルの問題で、「急騰のあとに急落あり」の格言の通り、目先調整期間に入っているのです。
何度も言うように、アメリカドルはトランプ大統領がドル安を志向しているためにドル安傾向が続くでしょう。
そこでドル安・円が上昇という形になれば、円は分母なのですから、円の絶対値が増えればドル円レートは円高になるのです。
機械受注は増えなければいけないのに右肩下がりですから、円の絶対値が急騰のための調整の材料が出てきただけになります。
分母が小さくなれば、ドル円は円安になるということです。
米中は景気が回復し日本は取り残される…
円高トレンドに回帰するためにはどうすればよいかと言えば、次回の経済指標いかんです。
ともかく、今後もだいたいこのような形になっていくでしょう。
しかし、消費増税で外国人が日経平均を買わない状態になっています。
中国やアメリカは景気が回復するでしょうが、また日本だけが取り残される形になるでしょう。
これで「安倍首相が有能な宰相」って誰が言うのでしょうか?
本当に不思議でなりません。
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