新元号の意味するところ
4月1日に新元号「令和」が発表されました。
今回は、この新元号の意味と新元号と金の関係を、直近の相場動向も交えてお話ししていきます。
新元号「令和」は、『万葉集』の大伴旅人からの出典になるそうです。
「令」が意味するところは、法令の「令」と考えてよいでしょう。
平成初期によく言われ、現在も重視されている「コンプライアンス」です。
日本語訳で言えば「法令重視」になります。
この元号の意味は(自己流の解釈になりますが)、安倍首相が将来の日本像を表現したものになると思います。
安倍首相は、第二次政権成立前に自著『美しい国へ』にて自身の考えを示しました。
詳細な内容は覚えていませんが、タイトル通り、「美しい国」を目指していることは間違いありません。
この元号の意味を安倍首相が語る時には、『美しい国へ』の内容を踏襲しているでしょう。
すなわち、梅の花のつぼみ、この端麗さを表現し、日本がこれから良くなっていきますよ、という意味があるということです。
新時代と消費増税
消費税増税は天下の愚策ですが、同時にキャッシュレス決済によるポイント還元によって実質的な減税を実施したことで、最高の政策になりました。
マクロ政策の常識として、景気が低迷している時に増税など愚の骨頂ですが、同時にそれを上回る減税を実施すれば効果は絶大になる、という教科書通りのことを安倍首相はやっているのです。
それを安倍首相は元号で表明したと言ってもいいでしょう。
つまり日本経済は現在黎明期にあり、この消費増税とセットのキャッシュレス減税によって大きく発展するという大きな意味があると思います。
安倍首相は、2014年の消費増税によってアベノミクスを台無しにしましたが、今回は同じ轍を踏まないように政策転換を行っています。
例えば、法人税を下げたことによって株価は久しぶりに2万円台を安定的に維持しています。
減税の効果は2年後に現れる
2018年年初に、トランプ大統領が減税を実施しました。
これに対して「法人税減税効果はすでに剥落した」と間抜けな評論家は言っていますが、こういう減税の効果は2年後に示現するものであって、効果は2020年に表出します。
2020年はアメリカ大統領選挙の年であり、それをトランプ大統領が狙って実現させたのは当然と見なければいけないのに、「効果が剥落した」などと言ってしまう方々の見識の狭さにはあきれるばかりです。
ともかく、消費増税によって「また日本経済が低下する」とか申している方々が多いのを見ると、日本経済の発展はこれからであるということがもうわかってしまいます。
その具体例は、レーガン大統領施政下で行われたプラザ合意です。
このプラザ合意後数年はアメリカの貿易・財政赤字は巨額でしたが、2年後にはその赤字は以前に戻ったのです。
結果としてブッシュ政権、クリントン政権と人口動態が低迷している時でも、アメリカは栄華を誇りました。
今回も米中貿易戦争、北朝鮮の問題、イスラエル、イラン問題など、いずれも2018年中に手をつけています。
これらは減税ではありませんが、その効果が出るのはいずれも2020年になります。
そういう点を計算してトランプ大統領は政権運営を行っているのです。
目指すは法令を遵守する美しい日本
安倍首相も、企業減税によって株価が安定的になっているのを見て、今回の思い切った減税を行うのでしょう。
そうなると教科書通りの政策になりますので、今後の日本経済に期待ができるということです。
そして、その方向性は「美しい日本」を目指すことで、具体的には法令を遵守させ、規律正しい日本を目指すことになります。
規律正しいというのは、コンプライアンスや日本政府機能の強化ということが反映されるということを忘れないでください。
これからの日本はもっと法令強化に力を入れますよ、ということです。
相対的に紙で書いた契約を重視しない朝鮮半島や中国を意識したものとも言えます。
契約したものを一方的な自己都合によって破棄する、これは国際社会から信認を得られるようなものではありません。
国内的には政府が絶対的な権力を持つことを意味していると思われます。
改元と金
新元号と金と言えば、関わりが深いものは記念金貨の発行です。
https://www.mof.go.jp/currency/coin/commemorative_coin/index.html
現時点で財務省から発表されている記念硬貨は、上記のようにたくさんあります。
昭和の時代の天皇陛下在位60周年記念硬貨は、金の需給を変化させるような心配がありましたが、巨額の発行をして、当時の大蔵省は金の需給が変わらないように調達しました。
その経験が生きて、今回も日本の財務省の金買い付けには細心の注意を払うと思います。
また、これだけの量を発行するのには、すでに金の買い付けを終了しているか、需給に影響を与えないという自信を示しているとも言えるでしょう。
ただし、天皇陛下在位60周年記念金貨は、その後の金価格の高騰によって投機の対象となりました。
今回のラグビーW杯や東京オリンピック、新天皇即位などの記念硬貨も投機の対象になるような気がします。
個人的な意見になりますが、今の価格の5倍、10倍くらいになるのではないでしょうか。
直近のドル円相場と金価格
新元号発表前に、大きく円安に振れています。
これはドル高を意味しますので、金の価格は将来、下がるであろうことを意味します。
ただし、アメリカは景気が本格的に回復して2年になるところです。
一方で日本は1989年にバブルが崩壊して、いまだに景気低迷にあえいでいます。
その日本が本格的な景気回復になれば、相当な回復になることが相対的に予想できます。
直近はドルが強いので軟調な展開が予想されますが、長い目で見ればまだ強い相場が続くと見ておいたほうがよいでしょう。
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