日本でテロは起こるのか?

そもそもイスラム教とは?

ニュージーランドやスリランカでテロが発生しました。

景気後退期末期にはこのような事象はよくあることとデータは示していますが、では、そのテロは日本で起こる可能性があるのでしょうか?

東京の代々木上原に立つ日本最大のモスクである東京ジャーミイ

宗教は言っていることに大差はなく、根本は一緒であるという見解があります。

つまり、仏教だろうがキリスト教だろうがイスラム教だろうが、根本的かつ本質的には唱えていることは一緒だという意見です。

なぜ宗教間闘争が起こるのかという問題は、その宗教が発生した背景が一番にあります。

今回はキリスト教と仏教の話は省きますが、イスラム教はその成立背景が仏教やキリスト教とは全く違うのです。

イスラム教は世界三大宗教の一つになります。

しかし成立は極めて遅く、ほかの2つが紀元前にはすでに成立していたのに対し、イスラム教はだいたい5〜6世紀前後と言われています。

ただし、イスラム教はほかの2つの宗教と同じように、確かに紀元前から出現していたのですが、それがイスラム教としてまとまったのが5〜6世紀ということであって、決して出現自体が遅かったというわけではありません。

一般にイスラム教はムハンマドが編み出したと言われていますが、これは中東各地に残っていたものを、ムハンマドが改めて体系的に記したのが実際のところです。

つまり、地域伝承としての信仰をムハンマドが『コーラン』という聖典にまとめたのがイスラム教の誕生とするのが一般的です。

イスラム教は国家をまとめるために作られた

唯一不二の神アッラーから最後の預言者・ムハンマドに対して下された啓示を記したとされるコーラン

なぜ、ムハンマドは中東の地域信仰をまとめる必要があったのかと言えば、非常に簡単な理由です。

日本でも歴史上、聖徳太子が国家を確立したのは5〜6世紀と見なさなれています。

5〜6世紀は、国家誕生の黎明期とも言えるのです。

この国家を統治、今風に言えばガバナンスするのに、なんらかの共通の考えが必要でした。

現在でもあるように、昔も人々が一つにまとまるためには、イデオロギーの統一が必要だったのです。

そのイデオロギーをまとめるために、中東の昔からの地域信仰を一つにまとめようと試みたのがムハンマドというわけです。

これがイスラム教の原点で、『コーラン』はムハンマドが書いたものであり、そして出発点になります。

ほかの2つは国家構築のために設立された宗教ではありませんが、イスラム教は中東に国家を設立するために作られた宗教というのが大事なポイントです。

スンナ派とシーア派の違い

イスラム教は大きくはシーア派とスンナ派に分かれる

イスラム教を理解する上で、イランはシーア派、サウジアラビアやトルコなどはスンナ派ということが言われます。

この教義の違いについては誰しもが疑問に思うでしょうから、簡単に説明しておきましょう。

スンナ派とは、ムハンマドの血を引いている人が宗教の代表者に就くという考え方で、シーア派とは、『コーラン』を基本に治世を行うという考え方です。

日本の仏教は、インド誕生ですのでブッダに会ったお坊さんはいません。

ですからブッダの血を引いている云々というのはなく、経典、つまりお経を基本に教義を求めるのがイスラム教で言うシーア派になります。

スンナ派はブッダの血、イスラム教で言えばムハンマドの血統を求める宗派です。

ムハンマドの血筋や言葉を大事にするか、それとも『コーラン』の教えを根本に宗教を広めていくかの問題になります。

日本の仏教には経典派しかいませんから、こういった対立が日本人には理解されにくい一因になると思います。

言えることは、ムハンマドの意図は結局、政治体制を築くために宗教としてこれを広めたということにあります。

ムハンマドが抱いたヨーロッパへの脅威

多くの戦いを生んだ十字軍

ムハンマドが誕生する前の、中東とヨーロッパの悲しい歴史と言えば十字軍です。

このことをムハンマドは「聖戦(ジハード)」と言っています。

これをどう曲解すれば、イスラム教の過激派がキリスト教を攻撃していいというロジックになるのか全く理解ができませんが、そう理解した連中がかつてのアフガニスタン、イラク、シリアに集結したのです。

そこから世界中にテロを輸出しています。

まず、5〜6世紀になってヨーロッパ人が中東各地に訪れるようになり、脅威を覚えたがために中東人の国家を建設しようしたわけです。

他宗教とイスラム教の根本的違い

世界3大宗教の特徴は、ヒンドゥー教やユダヤ教と違って民族や地域を限定しないこと。ただし仏教とおよびキリスト教とイスラム教には大きな違いがある

これがほかの2つの宗教とは全く違う背景であって、仏教とキリスト教は個人の悩みや苦悩を解決するために誕生したのに対して、イスラム教は国家を成立させるためにできた宗教であることがポイントです。

もっと言えば、イスラム教は国家の憲法のような存在であるのに対して、ほかの2つは現代政治で政教分離が平和を担保する代償であるという風に規定しています。

イスラム教徒過激派が各地でテロや暴発をするのは、『コーラン』の教えが根本的にキリスト教を敵視するものとして書かれているもので、欧米諸国に「ジハード」と称して攻撃を加えるのは、『コーラン』やムハンマドの教えに従っているという理屈になるからです。

日本でイスラムテロが起こる可能性は?

埼玉県さいたま市で化学戦の訓練をする陸上自衛隊員

イスラム教は本来、政治体制の確立を目指した憲法のようなものと解釈すれば、今のイスラム過激派が何を目指しているのかお分かりになると思います。

十字軍の経験から、キリスト教国を破壊して、イスラム教徒の国を作ろうというのが意図です。

何度も言いますが、どこをどう読んでも、私にはそういう解釈など成り立ちませんが…。

つまり、イスラム過激派テロは根本的にキリスト教国を標的にしたものであり、キリスト教でも仏教でもない日本は、自動的に標的にはなりえません。

ただし、イスラム過激派は、ムハンマドの言葉や経典を拡大解釈して、なんでも自分に都合のよい解釈をする傾向がありますので、日本でイスラムテロが絶対にないとは言い切れませんが…。

その可能性は非常に低いと思います。

今後のテロの可能性と金価格

ニュージーランドのクライストチャーチにあるテロ現場となったモスクに手向けられた追悼の花束

現在、景気後退期後半にさしかかり、過去データからテロはまだ起こる可能性はあります。

今回の特徴は、ニュージーランドやスリランカなど、予想もしえなかった国でテロが起こった点です。

そもそも、場所が想起できるのであればそれはテロにはなりませんが(笑)

現在、金価格が下がっていますが、これは金利要因やドル高要因ではないと思います。

おそらくどこかの新興国が売却を行っているという風にしか見えません。

その辺はデータが出ていないのでなんとも言えませんが、金利高やドル高の売られ方ではありません。

売却だとすれば、また金の値段は回復してくるはずです。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください