7月天井の方針は変わらず

令和という新しい時代を迎え、皆さんも期待と希望に胸を膨らませていることでしょう。

ここ最近、金の動きに関しての解説がなかったので、図表ではなく、ファンダメンタルズから解説していきたいと思います。

当コラムでは今年の金価格の高値は7月と予想!

年末から年初にかけてお伝えした、今年の金価格の頭(高値)は7月ですよ、という方針に変わりはありません。

これは、アメリカ経済が去年の夏にピークを迎えており、その結果、今年はドルが安く推移していることに起因します。

考えてもみてください、去年1月にトランプ大統領が法人税の減税を実施した結果、アメリカの企業業績は9月まで好調を維持しました。

しかし、9月にFRBが政策金利を引き上げた結果、長期金利が急騰し、それが株価の急落につながりました。

そして12月にはドル価格も急落し、年初のドル円104円台という結果につながったのです。

ここで、トランプ大統領は去年の夏からFRBに対して徹底的に文句を言い、QEの停止と、政策金利を据え置きするようにパブリックな場所を使い表明しました。

トランプ大統領は、こういう話を表でする常識のなさが嫌われるのですが、結果的にFRBにQE完全停止と政策金利の引き上げをさせなかたことが、現在のアメリカ経済の好調を促している点を否定できません。

マーケットに取り組む人が取るべき姿勢

嫌いという感情で人やマーケットを見ることは客観的判断から遠ざかること

トランプ嫌いの連中は、単に嫌いというだけの理由で評価を正当にできず、マーケットの予測をしても当たるわけもありません。

つまり、マーケットに取り組む人たちの正しい姿勢は、トランプ大統領は誰にも嫌われるような言動を行いますが、その結果を中立に分析すべきなのです。

それを嫌いという感情を全面に押し出してしまうと、嫌いな人に興味を持たない、もしくはあら捜しをするという帰結になり、結果として中立的にマーケットを見ていないので、予測を間違えることになります。

去年の状態を考えると、夏にドル安のピークを迎えるのですから、その時期にドル動向に関しての材料では、金も7月くらいに頭を打つだろうという見方は変わりません。

金利面での金高値は7月

FRBに「金利を下げろ」と吠えまくったトランプ大統領

金の価格は、ドルの上下動と金利の高安によって決まる側面が大きいです。

ドルの上下動では、ドル安のピークは7月になる予測でしたが、金利面ではどうでしょうか?

トランプ大統領が去年の夏から「金利を下げろ」と吠えていたことは周知の事実になります。

実際に金利を据え置き始めるのは年初からになりました。

しかし、金利は物価の上下動に非常に密にリンクするのは当然のことです。

その上下動は商品の売れ行き状況、すなわち需給によって決定します。

去年の秋からアメリカ経済は「絶好調」から「好調」に変わりましたので、商品の需給はタイトからルーズになりつつあるから、金利が下がったと言えるでしょう。

為替レートと物価

物価と為替レートの関係も重要

ただし、物価には、実は金利以上に密接にリンクするものがあります。

それが為替レートです。

これは日本が円高になると物価が下がり、円安になると物価が上昇するのと一緒のことになります。

去年の12月から完全にドル安に転換した結果は、半年後に反映されます。

ドル安になれば円安と同様、物価は上昇するのですから、12月の半年後は6月です。

その6月の物価が経済指標として発表をされるのが7月以降になってきますので、物価が上昇し始めるのは早ければ6月、確認できるのは7月になります。

ドルの転換も7月、金利の反転も6〜7月になることを考えると、おそらく金の上昇も7月止まりだろうな、と予測し得るのです。

言っておきますが、日本や世界でこんなことを大っぴらに言っているのは、このサイトだけです。

本当に儲けたいと思っている人は黙ってやります。

当然のことです、みんなに知らせれば、自分の分け前が減りますので。

なぜ4月は軟調な金相場だったのか?

EUのキモであるドイツ経済がコケると、EU全体が沈む

これも昨年末の予測の中のグラフで示しましたが、4月は軟調になるよ、という予測通りの結果となっています。

去年の10月から上昇しているからと言って、ずっと上昇するわけではなく、下がったり上がったりしながら結果的に値段が上昇していくものです。

では、4月に相場が下がった理由は単純明快、ユーロのダメっぷりが明らかになったからです。

ブレグジットは一応の終息を見せていますが、ユーロはドイツ経済がどうしようもなく悪いのです。

ドイツは世界では日本に次いで4位の経済大国ですが、ユーロを引っ張る国家ですので、ドイツが沈み込むとユーロ全体に波及します。

ユーロは、アメリカに次いで2位の経済圏になりますので、ここが落ち込めば世界経済も沈み込むのです。

EUの不調を受けて今後の展開

EU市民はダメダメのユーロを信用していないので、ここは金を買う

こういった状態はリーマンショック直後も見られた現象で、その際、金価格もほかの金融商品同様大暴落を起こし、その後、ドル建てで史上最高値を更新しました。

この現象は、危機が起こるとマーケット参加者は一斉に金融市場から手を引くことを意味します。

手を引くというのは、具体的に株や金などをマーケットで買っているものを手仕舞いして現金に換えるという行動です。

よく株価が暴落をした際に「金融市場からウン兆円が消えた」などと報道されますが、「消えた」のではなく、マーケットから人々が手を引いて現金にしただけです。

そこで投資家はいったん落ち着いて、状況を見極め、市場から引いた現金を再びマーケットに投入するのです。

今回も、一度引いた現金はおそらく金に戻ってくるでしょう。

世界で二番目に富裕なヨーロッパに居住している人たちは、ユーロが一番ダメなのをよく知っていますので、買うのは金、もしくはアメリカ国債になるでしょう。

ユーロ圏内の株や債券を買うことはないと思います。

このお金が戻ってくるのを確認するのが5月、そして最後の上昇になるのが7月だろうという方針は変わっていません。


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