繰り返されるうんざりする議論
日本時間の5月15日朝、トランプ大統領が翌16日にアメリカの新たな移民政策を発表することが発表されました。
「トランプ大統領 新移民政策を発表へ」
https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/nms/news/post_177375
引用元:モーサテNEWS
今回はこの解説を行います。
この報道発表を受けて、おそらく議論の主流を占めるのは「アメリカは移民の国なのだから、移民を制限してどうするのだ」という意見でしょう。
この展開は、日本のメディアのお得意芸です。
このような報道によって、トランプ大統領がまたデタラメをやっているというレッテル貼りを敢行するのです。
思い起こされるメディアによるウソ
以前、地球温暖化について触れました。
電気自動車やハイブリッドカーが自然環境に優しいなんて、真っ赤なウソがまかり通っています。
実際に世の人々のほとんどは、エコカーが本当に環境に良いと信じ込んでいるでしょう。
しかし実態は、ガソリンを燃やして排出するCO2の量と、燃料電池で水素と酸素を化合して排出するCO2の量はほとんど変りません。
ガソリンカーと燃料電池車のCO2発生量はほぼ一緒なのに、ガソリンカーは環境に悪く、エコカーは環境に良いなんてことを言っています。
これは、今注目されているCO2の排出量に関しては当てはまります。
環境問題はCO2、地球温暖化だけではなく、大気汚染やそのほかの自然環境破壊をも含めて環境問題です。
日本人は環境問題と聞くと、すぐにCO2や地球温暖化とイコールと思ってしまう癖がありますが、環境問題はそれだけではありません。
ゲリラ豪雨の原因も実は…
最近は暑くなってきましたので、必ず今後問題になるのがゲリラ豪雨です。
しかし、このゲリラ豪雨の原因はほぼ特定されています。
簡単に言えば、太陽光発電の影響です。
気温30度で大陽光発電をすれば効率は良いでしょうが、メガソーラーシステムの周辺温度は40〜50度になります。
となると水分が蒸発して大気に広がり、豪雨を発生させるのはお分かりかと思いますが、報道はソーラー発電は環境に良いの一点張りです。
今回の移民問題に関しても、おそらく「だからトランプはロクな奴ではない」という議論が起こりそうですので、釘を刺しておきます。
今回の新移民政策の要綱
本稿執筆時には詳細が発表されていないのでなんとも言えませんが、要旨は、今までは英語の読み書きがある程度できれば移民を認めてきましたが、新しい移民政策では、この無制限とも呼べるような制度を改め、年収や学歴、スキルによって選別するということです。
こういう発表をすると、間違いなく「アメリカは移民で成立した国なのにけしからん」と言い出す人が出ると断言します。
確かに、誰もが夢や希望を携え、アメリカドリームを体現するために移民の国アメリカへようこそ、というのは誰もが納得する耳障りの良い言葉です。
でも、誰でも好き勝手に移民を申請した結果、どうなったのかを見る良い指標があります。
反対に、今回アメリカが提案したように移民する資格の定義を行った国もあります。
今回は、そのグラフを貼り付けて皆さんに考えていただきたいと思います。
移民を無制限に受け入れた国の例
以下はドイツの1971年からのGDPになります。
メルケル首相がシリア難民を無制限に受け入れることを決定した2011年以降、経済成長がなされずに横ばい状態です。
しかもドイツ史上最も長く首相を務めたメルケルは、この混乱の責任を取って退任が決定しています。
政治が不安定になり、ドイツ経済も現在、混乱の極みです。
移民を無制限に受け入れるということは、こうなることを意味します。
移民に資格制限を設けた国の例
上記の2ヵ国は、移民に対して資産やスキルなどの制限を加えています。
前述のドイツと比べて違いは明白です。
なお、以下は日本のGDPになります。
日本は1990年代後半から少子高齢化が叫ばれており、実際に1990年代から成長が止まりました。
シンガポールの一人当たりのGDPは、日本を抜いてアジアナンバー1になっています。
これは移民政策の成功と言っても過言ではありません。
マレーシアも前首相がゴールドマンサックスと共同で不正を行ってから経済が停滞しましたが、その前段階は完全に移民政策の成功で発展しました。
あなたがトランプ大統領なら?
あなたがアメリカの大統領であれば、ドイツを選ぶか、それともシンガポールやマレーシアを選ぶか? ということです。
それはあなたの価値観次第であって、オバマ前大統領のように、人道主義を強調して無制限に移民を取るか、それともトランプ大統領のように実利を取って制限付きの移民政策を取るかの選択です。
その良し悪しは人によって価値基準は違いますから、そんなものは強制できないのに、シンガポールやマレーシアの制限付きの移民政策は支持しておきながら、アメリカには許さないというのはおかしくはありませんか。
アメリカに投資をする人間にとっては…
日本人からすれば、アメリカは所詮外国であって、この移民の資格制限には多いに賛成です。
なぜなら、資格制限をしてデータ通りになれば、もっと投資に利益が出るからです。
アメリカに投資している外国人にとっては、利益が増えることなので喜ばしいことになるでしょう。
逆にこの資格制限に反対する人たちは、何を根拠に反対するのでしょうか?
アメリカの移民政策は、アメリカ人が決定することであって、私たち外国人には関係ありません。
そして、それが日本に対してどう影響するのか、材料を見て判断すべきです。
おそらく移民の資格制限を導入する方向性で進むでしょう。
単にトランプ嫌いという理由だけで反対するのは、それこそ愚の骨頂以外の何ものでもありません。
新移民政策が金価格に与える影響
この新移民政策の影響は、短期的には金にとって、アメリカの経済と政治の混乱を招くことからドル安で金高になるでしょう。
長期的にはドル高をもたらすので売り材料になります。
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