国の役割とは?
先日、米朝協議が再開されましたが、その内容は北朝鮮代表が言うように決裂した模様です。
その後、米朝双方から協議を継続と表明され、周辺諸国は安堵しています。
今回は、そもそも本当に北朝鮮は劣悪な国なのかについて考えていきます。
北朝鮮が存続するために何が必要なのかを考えていくと、大抵、現代に生きる我々にとっては国民の安全や豊かに暮らせる権利と考えます。
例えば、日本が海外から攻撃を受けてしまえば、国土は例えば、日本が海外から攻撃を受けてしまえば攻め込まれれば、国土は跡形も無く焼き払われてしまうでしょう。
それを防衛するのは日本政府の役目であり、義務です。
そのために国民は税金を払い、身の安全を守ってもらっています。
こんな大きな話ではなく、私たちが自由にどこかに出かけるために道路や鉄道を整備したり、飛行機網を整備するのが国や地方自治体の役目です。
北朝鮮の基本方針
ですが、北朝鮮は明らかに違います。
人民が飢えや貧困に苦しもうとも、核やミサイル開発に大量の資金を流し込みます。
結果として人民は飢えや貧困と戦っているのに、通常で考えれば、この北朝鮮と言う国は健全な国家とは言い難いです。
ところが実際は、いくら人民が飢えや貧困に苦しもうともクーデターなど勃発せずに国家が存続しています。
「こんなことをやっていると、北朝鮮の命運が長くはないだろう」と私は20年以上前から考えていましたが、現実にいまだに国家が存続しています。
もしかしたら、人民を豊かにすることが、北朝鮮の国家としての目的では無いのかもしれません。
そう考えると、北朝鮮はいまだに封建制度であることに合点がいきます。
北朝鮮は封建国家であると考える
日本の平安時代や鎌倉時代には荘園制度というものがありました。
武士や貴族などは被支配民である農民を囲い込み、それを使用してきたという時代です。
このように貴族や武士が農民の不満を抑え込み、使役させ、その取れ高の一部を税金として徴収するという制度でした。
現代社会でこのようなことをやっていれば、必ず農民から反発をくらい、結果として、その荘園制度は崩壊するということを我々は学習してきました。
しかし、北朝鮮は、この荘園制度という封建制度が、21世紀になった現在でも現存している世界でもまれな国家と考えられなす。
実際に平安時代から江戸時代まで、農民はずっと支配層に支配され続け、使役されてきました。
当然、時代、時代に一揆や戦争などありましたが、平安時代から江戸時代末期まで、1000年間封建制度であったと言えます。
今でも北朝鮮はかつての日本のように、人民を使役し、権力者が武力を誇示していることが考えられます。
北朝鮮の力の源泉
現在の北朝鮮は6ヵ国協議や国連の安保理決議を無視し、核やミサイルの開発を行っています。
北朝鮮が封建制度と考えれば、人民を武力で制圧しておかなければ、クーデターや反乱によっていつ金王朝が崩壊するかわかりません。
ゆえに武力を維持しておかないと永続できないから、いくら国際的に武力放棄や核開発放棄を求めても応じるわけにはいかないと考えます。
朝鮮半島を支配する儒教思想
朝鮮半島では、古くから人民が儒教思想で生活していのはよく知られた話です。
親孝行に代表される事柄をおろそかにすると人民の反発が起こります。
韓国や北朝鮮では、現在の指導者よりも儒教の教えのほうが上になるのです。
現在の北朝鮮の代表である金正恩が国家代表に就く前には、代表の空白期間がありました。
これは彼の父である金正日も同じで、前代表が死去してからは3年間、代表の座に就こうとしませんでした。
国際社会の常識から言えば、代表が死去すればすぐに後継者が昇格するのが常ですが、北朝鮮では儒教の教えが勝っていますので、3年間は喪に服すのです。
代表職はその間空席であり、その間は誰も代表に就くことができません。
そうしないと人民の支持を受けることができないからです。
親の実績を否定するなんてあり得ない
親不孝な国家代表が、北朝鮮で支持を受けることはできません。
儒教精神を尊び、喪に服するのが当然というのが朝鮮半島で権威を振るうためにはマストになります。
儒教精神のおおまかなところは、親の功績や実績を尊ぶということになります。
現北朝鮮の最高指導者金正恩の父である金正日の軍事的な実績は、核開発と衛星ミサイル発射です。
息子である金正恩が親の実績を否定することを行えば、人民や周辺の幹部からも信用を失い、結果として金王朝は崩壊することになるでしょう。
ですから、現在問題となっている核開発やミサイル発射実験など絶対に止めるわけがないのです。
北朝鮮の非核化を期待するということは無理な話なのです。
北朝鮮はそのほかはまともな国である!?
北朝鮮と聞くと、皆さんはどのような印象をお持ちになりますか。
ならずもの国家、ミサイル実験を繰り返す国家など、良いイメージはわかないでしょう。
アントニオ猪木さんがよく訪朝することを、不思議に思う方は多いと思います。
これは、私たちの認識が間違っているのです。
決して、国民的スターの猪木さんが間違っているのではありません。
北朝鮮の人たちは、本当に純朴で、素直な人たちが多いと猪木さんは知っています。だから北朝鮮について悪いことを言わないのです。
実は北朝鮮はみなさんが思うほど悪質な国家では無く、マスメディアが過剰に騒ぎ立てているだけなのです。
また、金正日は大変な親日家として知られ、若いころにはよく来日していました。
赤坂のショーなどにもお忍びで来て、北朝鮮でのいわゆる喜び組を開催しました。
息子の金正男がディズニーランドに来ていたのも有名な話です。
このことからも分かる通り、北朝鮮は極悪な国かというとそんなことはなく、比較的日本のことも好意的であると言えます。
まとめ
メディアが報じる過激な北朝鮮のイメージが日本人に伝わり、北朝鮮に対してネガティブな印象だけが残っているのが現状になります。
また、現在行われている米朝協議は間違いなく進展はないでしょう。
この交渉を本気でまとめたいのであれば、北朝鮮の体制、つまり封建制度と儒教精神に配慮した交渉を行う必要があります。
現在のように「核開発やミサイル発射を辞めろ」といっても儒教精神が旺盛な朝鮮半島では無理な話です。
ですから、北朝鮮問題など何も進展しません。
そして、北朝鮮の政策方針を変えることができなければ、私たちは核やミサイルの脅威から逃れられないことは確実なのです。
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