円建て金価格の考え方

金の基本

今までは、ドル建て金価格についての考察を書いてきましたが、今回は、円建て金価格について書いていきます。

基本的な考え方は、ドル建て金価格と一緒です。

もともとは金価格はドルの上下動に左右されていた。昨今では金利

2015年以前くらいまでは、ドルの価値が上昇すれば金価格は下落、ドルの価値が下落すれば金価格は上昇と記してきました。

近年、金利が上昇すれば金価格は下落、金利が下落すれば金価格は上昇になっているということは、今までにも解説してきました。

今の金価格とは、金利の上下動が8割であり、残りがドルの上下動によって動いるのです。

日本円の場合、円建ての場合も同じ

上記の文章をそのまま円に置き換えていきましょう。

ドルの価値が上昇すれば金価格は下落、ドルの価値が下落すれば金価格は上昇

この文章を以下のように変えます。

円の価値が上昇すれば金価格は下落、円の価値が下落すれば金価格は上昇

この文章での円の価値の上昇とは、数字の意味ではなく、文意から円の価値が上昇することから円高です。

円建ての金価格は、

ドル建て金価格×ドル円レート÷31.1035

にて求めることができます。

31.1035は、トロイオンスをグラムに換算する単位です。

ドル円レートは円高になると数字が減りますので、かける数字が減少していくことを意味します。

かける数字が減少すれば、出る答えは小さくなります。

すなわち、上記の円の価値が上昇すれば、金価格は下落することになります。

反対に、円の価値が下落(円安)すれば金の価格は上昇することも、少し考えれば同じことになります。

ですから、これは1970年代くらいから言われていることですが、金の価格はドル円レートに大きく依存するのは正しいことなのです。

ところが近年、ドル建て金価格は金利に近似していることを以前から何度も説明しています。

ドル建て金価格と金利の相似性

下記は青い線がドル建て金価格、黒い線が10年物国債利回りになります。

参照元:TRADING ECONOMICS

見事に金利が下落すると金価格が上昇、金利が上昇すると金価格が下落する反相関になっています。

これが日本の国債金利と円建て金価格が相関するかを見ればいいだけの話です。

参照元:TRADING ECONOMICS

上記の上のグラフは日本国債10年物利回り、2018年1月4日~2019月10月18日までのもの。

下は円建て金価格、2018年1月1日~2019月10月10日までのものです。

下のグラフの注釈になりますが、左軸の値段はトロイオンス建てになります。

左軸の数字に全部、31.1035を割れば、日本円/グラムの値段になります。

表記は日本円/トロイオンスです。

上下のグラフを見比べれば明らかですが、金利と円建て金価格は見事に相似しています。

つまり、日本の金利と円建て金価格は相似して動いているのです。

上記のグラフは、円建て金価格を反転させていますので、最初の説明通り、円金利が上昇れば円建て金価格は下落、円金利が下落すれば円建て金価格は上昇します。

ドル建て金価格の値段変動要因と円建て金価格の値段の変動要因は全く一緒です。

円建ての金価格はドル円レートと日本国債利回りを見れば、値段を見なくてもだいたい想像できます。


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