ダイヤモンド採掘企業TOP5徹底解剖!ロシア「アルロサ」

ロシア産ダイヤモンドを一社独占!「アルロサ Alrosa」


現在ダイヤモンド市場において際立って高い評価を受けているのがロシア産ダイヤモンドです。

透明度の高い冴えたカラー、そしてパーフェクトな正八面体結晶の原石が多く、カットが映えるダイヤモンドが多く見つかることがその理由です。

この世界のダイヤモンド市場で台頭するロシア産ダイヤモンドのけん引役を担っているのが、現在ダイヤモンド産出量のトップシェアを誇る「アルロサ Alrosa」社です。

アルロサグループ全体のダイヤモンド原石採掘量は世界のダイヤモンド原石生産のほぼ3分の1を占めており、現在ではデビアス社とトップシェアを争う存在となっています。

また年間数カラットしか産出されないピンクダイヤの供給地としても有望視されています。

この記事ではダイヤモンド採掘における新たな覇者「アルロサ社」についてご紹介します。

アルロサ社の創業から現在までの歩み


アルロサ社が採掘拠点としている極北の地サハ共和国・ヤクーツクには「ミールダイヤモンド鉱山」をはじめとする世界最大規模と推定されるダイヤモンド鉱脈があります。

アルロサ社は1971年の創業から旧ソビエト・現ロシア政府らと連携しロシア産ダイヤモンド鉱山開発・採掘に取り組んできました。

ここでは同社の創業からの歩みを振り返ってみました。

1971年開業から次々に有力鉱山発見

旧ソビエト領土内で最初に発見されたダイヤモンド鉱脈ヤクーツクにて最初の工業用ダイヤモンドを生産。デビアス社との連携により海外輸出もスタート。

その後も次々と新しい鉱脈を発見されアルロサ社のダイヤ採掘量は年々増加し、ダイヤモンド市場における存在感を増していきました。

現在はヤクーツク、ロシア北西部の白海を望む美しい港湾都市「アルハンゲリスク」がアルロサの主要拠点となっています。

2009年ミール鉱山での地下採掘スタート

シベリアの極寒の地であるサハ共和国ミールヌイには世界最大級ダイヤモンド鉱山であるミール鉱山があります。
1955年からダイヤモンド採掘がはじまってから現在に至るまで、世界でもっとも豊かなダイヤモンド鉱脈を内包する大鉱山です。
何しろ最盛期の1960年代には年間1,000万カラットものダイヤモンド採掘量を誇りました。
しかも採掘されたダイヤモンド原石の20%は宝石品質の石でした(通常は10%前後もしくはそれ以下)。
ミール鉱山では今後50年以上にわたって採算が採れるダイヤモンド採掘が可能なことが期待されています。

2012年から本格的にアフリカ進出

極北の地ヤクーツクでの採掘ノウハウをもとに、1990年代からアフリカ進出を計画してきたアルロサでは、2012年以降本格的にアフリカ大陸でのダイヤモンド採掘プランが始動しています。

アンゴラ、ボツワナ、ジンバブエにそれぞれ開発プロジェクトが進められており、さらにアルロサ社のダイヤモンド生産量が増加することが見込まれています。

アルロサが所有する鉱山・ダイヤモンド原石の特色

アルロサ社はミール鉱山をはじめ豊富な産出量が期待できる有力鉱山の採掘権をロシア国内、アフリカ数か国に持っています。

また所有している鉱山からはピンクダイヤなど希少なファンシーカラーダイヤモンドが産出されています。

ここではアルロサ社が採掘を行うロシアのダイヤモンド鉱脈についてまとめました。

サハ共和国(ヤクーツク)

すでに閉山した巨大採掘ホール跡が残るミール鉱山の地下には、いくつものダイアモンドパイプラインからのダイヤモンド採掘が続けられています。
1955年に発見されてからというもの、1トン当たりのダイヤモンド含有量は3カラットを超える優良鉱脈です。

デビアスの協力によって最初に地下採掘が行われ、露天掘りと沖積操業ともにおこなわれています。

アルハンゲリスク地域

ロシア北西部の「アルハンゲリスク」にも重要な鉱脈があり、露天掘りによるダイヤモンド採掘が続けられています。

珍しい形のダイヤモンドがよく見つかる鉱山で、2018年にはサッカーボールの形をした石が産出されました。
アルハンゲリスク州知事によってロシア代表チームのゴールキーパー「アキンフェエフ選手」にちなんで「アキンフェエフ」と命名しました。

アルロサについてのトピックス!希少ダイヤモンド情報など

天然ダイヤモンド産出量において他国をリードするロシアでは、珍しい原石が見つかります。

過去アルロサで見つかった珍しいダイヤ原石をご紹介します。

2019年 入れ子構造の原石発見「マトリョーシカダイヤモンド」

実は宝石の内部にもう一つ別の結晶が見つかることがまれにあります。

ダイヤモンドの場合も、ガーネットなどのほかの宝石や、さらに結晶ダイヤが見つかる場合があります。

ダイヤモンドが大きく成長する過程の中で「種結晶」となったと考えられています。

しかしたいていの場合は肉眼などで見えるだけで、入れ子構造になった完全なマトリョーシカダイヤモンドはこれまで発見されませんでした。

しかし2019年アルロサ社の所有する鉱山で見つかった入れ子ダイヤモンドは、石の内部が空洞になっていて、さらにダイヤの粒が入っている事がはっきりと確認されました。

同社ではマトリョーシカダイヤモンドと呼び、報道当時は唯一無二のダイヤモンドであると大きな話題を呼びました。

2017年 14.83カラットのピンクダイヤ「Spirit of the Rose」

レッド、ブルー、ピンクなどカラーダイヤモンドは無色ダイヤモンドの何倍もの価格で取引されます。

特にピンクダイヤモンドはオーストラリアの有力鉱山アーガイルの枯渇により、14.83カラットで、過去10年間に10カラットを超えて販売された約10個の既知のピンクダイヤモンドの1つです。

今後のアルロサ社の展望を占う!

アルロサ社はダイヤモンド採掘とならび利益率が高いジュエリー販売部門の展開を急いでいます。

すでにロシアの大手宝飾企業として認知されている「アルロサ・ネバー」「アルロサ・ユグラ」は豊富なダイヤモンド供給を武器に存在感を増しています。

また同社が特に注力しているのがアジア市場であり、香港ジェム&ジュエリーフェアなどの大規模オークションにも積極的に参加しています。

ほどなくして全世界にロシアのダイヤモンド・ブランドとしてアルロサが認知される日が訪れることでしょう。


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