12月11日まで行われたFOMCの解説

FOMCの内容

12月11日まで、アメリカの中央銀行会議であるFOMCが開催されました。

今回はその解説を行います。

下記はFRBのホームページからの抜粋です。

引用元:FRB

金利は据え置きとなり、予測通りの決定となりました。

この金利が金にとって大事であることは、再三申し上げている通りとなります。

金利水準の予測は、上記の表の一番下の段「Federal funds rate」に記されています。

2019年の平均金利は1.6で、現在FFレートの誘導目標金利が1.5〜1.75になり、この範囲内ですので据え置きになります。

参考までに、利下げ踏み切ったときは誘導目標が2.0だったのに対して、実際の金利が2.3と乖離していたので利下げを行ったのです。

なお、この表に2019は1.6と記しているのは、1.5〜1.75の半分の値段が1.63になりますので、その小数点第二位を省略しているからです。

上記の表の意味

平均値と中央値(メディアン)、その違いをしっかり認識してほしい

来年は1.6としていますので、FRBが動かない見通しだと勝手にメディアが解釈して報道していますが、これは「間違い」です。

ただ、金にとってはこのグラフを見ると、来年までは低金利が続き、再来年は1.9になっていますので、1回の利上げがあると報道が言っているのですが、何も理解していないからこうした報道ができるのです。

この表はFRBのホームページで発表されているものですので、勝手にFRBの経済予測だと勘違いしている人が大勢います。

これは誤りで、FOMCに出席している各委員の個人的な予測を集計したものにすぎず、FRBの予測ではありません。

この統計方法は平均ではなく、メジアンといい、日本語では中央値という意味になります。

FRBの内部には日本の日銀と同様に優秀な人材がおり、彼らが作成したのではなく、各委員が勝手に予測したものの中央値なのです。

ゆえに、この予測に関しては何の根拠もあるものではなく、仮にFRBに来年利上げも利下げもしない理由を尋ねたとしても、「そんなことを言ったことはない」と言うのみになります。

つまり根拠もなく、あたかも来年の利上げの予定は見込んでいないという報道を行っているのです。

何度も繰り返しますが、FRBはそのようなことを一言も言っていません。

「来年に金利の変更を行うなんて何も明言していないのに、勝手に解釈されても困る」と担当者なら言うでしょう。

なぜこのようなことを書くのか

有名ディディアに書いているからといって本当に正しいとは言えない

金投資をしている方にとって、金利の変更は重要なポイントであり、これが上昇する見込みなら金を手放すことを考える余地が生まれます。

でもこの見通しは何の根拠もないので、信用に値しません。

本当の経済予測の仕方

経済指標の王様であるGDPでアメリカ経済を見ると…

経済の予測に一番重要なのは経済指標になります。

その王様はGDPであり、このGDPの「何パーセント成長」というのを皆さんも耳にしているでしょう。

この「何パーセントの成長」とは、何に対して成長しているかを意識しなければいけません。

この対象比較数字は、去年の同時期と比べて何パーセントということです。

これさえわかっていれば、アメリカの来年は楽勝でわかります。

貿易戦争で世界経済は低迷なんかしていないと常々書いています。

ところが、世間は貿易戦争によって景気が冷え込んでいるなんてことを言っているのです。

何を根拠に言っているのか、さっぱり理解できません。

実際にGDPなどの数字を見ても、去年並みの数字を出していますので、なんら冷え込んではいません。

これは日銀の言う「デフレマインドが国民の間に浸透している」としか言いようがなく、実際に今回の消費増税に関して企業は「売り上げが落ち込む、落ち込む」と騒いでいますが、意味がわかりません。

つまり、売り上げが落ち込むから設備投資をしたくないとやって、余計に給料なども上げなかったのです。

しかし、実際の業績は軒並み過去最高です。

未来に不安があれば、賃金のアップや設備投資を行わないのはロジカルのように思いますが、今の極度の投資の促進の後退マインドは異常だと思います。

実際、さまざまな数字を見ても日本の経済はよくなっており、失われた10年はほぼ脱しただろうと思われます。

来年の予測

ニューヨーク市内に掲げられた2020年の大統領選挙でトランプ大統領を支持する旗

トランプ大統領は、貿易戦争を引き起こすことによって今年の成長を抑え込みました。

実際にはちっとも冷え込んでいなかったのですが、貿易戦争があることによって企業は設備投資を控えたのです。

これが解決するとすれば、来年の成長は今年の設備投資を行わない分だけ自動的に上昇します。

つまり、来年のアメリカ経済は今年より好調になるのはほぼ確約されている、そしてトランプ大統領の再選が濃厚になるのです。

弊社の見通し

アメリカの2020年予測すると、金にとって都合のよい展開になる見通し

再選を望む大統領は、大統領選を前に利上げを望みません。

金利が上がると国民の支持を失うからです。

日本には金利が全くないので、金利が上がろうが下がろうか関係ありませんが、アメリカは金利を引き上げれば国民生活に甚大な影響を与えるため、利上げを行なわなければいけない状況でもできるだけその時期をずらそうとします。

つまり、来年アメリカ経済が今年よりも好調になれば、金利、物価は自動的に上昇します。

10年物金利が急騰したのは、景気のよさを見通したからです。

そうなればトランプ大統領はいつも通りFRBに「金利を下げろ」とシャウトするのは誰でもわかっていることです。

この経済指標からの予測は1年先からしか予測はできませんが、アメリカの景気はよいけど金利も上がらない可能性があるのです。

金にとっては都合のよい展開になるだろうというのが、現在の見通しになります。

最後に、弊社の見通しは上記のFRBの見通しと全く違います。

それは上記で説明したように、FRBは単に予測を集計しただけだからです。

トランプ大統領は選挙がありませんから、関係ないよと思うのでしょう。

GDPに関していえば、来年は3%台になるでしょうが、2021年は1〜2%になるというのが弊社の予測になります。


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