換金需要が終了し、一気に金が切り返しています。
今回は、その解説を行います。
3月の金価格の急落を振り返る
今まで本コラムでは、2020年3月に金の価格が大急落を起こした要因を説明してきました。
その主な要因は、金の変動要因【1】のドルの上下動で説明できます。
下記は2020年3月17日までのドル実効為替レートです。
ご覧の通り3月3日の緊急利下げによって大幅にドルの上昇が始まりました。
さらに3月16日に1%の利下げ、実質のゼロ金利によってさらに上昇していることが予測されるのは当然でしょう。
下記グラフが3月25日までの金の動きになります。
前述のドルのグラフと対照的になっていないと感じられるかもしれませんが、下のドル建て金の方が日付が長くなっているのでそう感じるだけです。
つまり、ドルの急騰に対してドル建て金価格が急落しました。
ところが、3月16日以降は違うことが起こっています。
当宝石コラム内でもたびたび申し上げている金の価格変動要因【2】金利の上下動です。
3月の金利の動きとお詫び
3月3日から金利が急落し始め、3月16日以降からはもっと急落しています。
金が切り返した理由はドルの高騰が収まり(下げ要因)、金利の低下のほうが勝ってきたためです。
このことは、今までのコラムをきちんと読んでいれば理解できます。
本コラムは、この金の価格推移を皆さん自身でできるように書いているつもりですので、理解できるまでやれば、必ず皆さん自身でも予測ができるようになります。
肝心のお詫びのほうですが、前回、安値のときにまだまだ下がると説明しましたが、ドルの上昇が止まり横ばいになり、代わりに金利変動が大きくなりました。
そして、まだ買う場面があるとも記しましたが、リーマンショックのときと違い、あまりにも短期間で切り返したので、買うヒマがなかった方がほとんどでしょう。
しかし・・・。
今回金を買い逃した人への解説
買い逃した方のための解説です。
2018年から続く金の急騰は何が原因で起こっているのかということをずっとお話しをしてきました。
今回の場合、今まで全く動かなかったドルが急激に上昇したことから金の価格が暴落したのです。
ただし、長く金の高騰が続く原因である低金利、要するに金の価格上下の【2】の要件になりますが、FRBが3月3日と16日金利を下げたことによって、その条件がさらに強化されていることに気づく方がいらっしゃるでしょうか?
つまり、今回のコロナ騒動の前はアメリカの誘導目標金利は1.5だったのに対して、現在は0〜0.25の誘導目標になるのですから、さらに金利が下がったのです。
そして、価格変動要因の【1】ドルの上下動は、冒頭のグラフのようにあれだけドルが急騰しても反応していません。
簡単に書けば、ドルは実効為替レートが122から130程度まで上昇し、6.5%の上昇に対して、金利は1.5から0.25の16.6%の下落なのです。
ドルと金利、どちらが優先するかです。
こうやって考えていくと…
こうやって考えていくと、ドルが6.5%の価格下落要因に対して、金利は16.6%の上昇要因で、差っ引きで10.1%上昇するということになります。
その場合、今回の起点は1,500ドルとすれば1,650ドルで10.1%の上昇ということになります。
ここまでは楽勝で上昇するということです。
ただ、1.5の誘導目標のときに1,700ドルをつけているのですから、今度はどうなるのかです。
多分、新値1,700ドルは楽々と超えていくことでしょう。
ドルの上昇はいつか止まりますが、金利は景気低迷を受けて低いままにしばらく据え置かれるでしょうから、結果として金の価格高騰要因になります。
さあ、リファスタで金を買いましょう。
※地金販売は行っておりませんが、良い貴金属商品は沢山有ります!
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