大判小判&古銭の総合カタログ!第12回「文政小判」

文政小判の特徴

参照元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E6%94%BF%E5%B0%8F%E5%88%A4

文政小判は、金座が上位の武士や大名に贈答品として献上するいわゆる「献上小判」が作成された小判です。

年始の挨拶などめでたい席で献上することが多く、極印に意図的に「大」「吉」が打たれています。

 

また裏面に「文」の文字が打たれているため元文小判と混同しやすい小判です。

見分け方のポイントは、「元文小判は明朝体」「文政小判は草書体」と覚えておくとよいでしょう。

 

「新文字小判」「草文小判というなどの別名があります。

流通時期

1819(文政2年)

※改鋳のたびごとに通用停止とする触書を出すも、幕末に至るまで通用された

発行枚数

11,043,360両

※一分判(1/4両)との合計

おもて面

参照元:神奈川歴史博物館

形状 一般的に「小判形」と広く使われるだ円形

表面 墨書を極印に改める。全体的に打目(ござ目)が彫られる。

※金の純度を示すために金をたたいて伸ばした。また装飾、偽造防止の意味も含む。

 

極印上下 扇枠に囲まれた五三桐(ごさんのきり)

極印中央 上下に方形枠に囲まれた「光次(花押 明朝体)」の極印 中央に「壹両(=「壱両」)」の極印

極印下部 左下に金座・小判師の験極印(直径8.5~9mmの花押) 左右に吹所棟梁の小験極印1~2個 両替屋の刻印が複数ある場合も

うら面

参照元:神奈川歴史博物館

極印中央 直径11~13mmの「光次(花押 草書体) 」の極印 「文(草書体)」の打印

極印下部 左下に金座・小判師の験極印 吹所棟梁の小験極印(大吉など縁起の良い組み合わせの小判は七福小判と呼ばれ人気があった)

※献上小判には意図的に「大」「吉」が打たれており実際の検印とは異なる

文政小判のサイズと重さ

サイズ

縦 69~73ミリ 横 38~39.5ミリ

 

※小判は、サイズに多少の差が生じます。

鋳型に流し込んで作るのではなく「金塊をたたいて薄く延ばす → 金の板を一両分の重さに専用のはさみで切る → 小判の形に打ち延ばす」という製法で作られています。

重さ

17.70グラム 前後

文政小判の金の含有量

金の含有率は56.4%前後

文政小判の歴史的背景

文政小判が行われた文政の改鋳では、従来の「小判」「一分金」に加えて「二分金」「一朱金」が追加されました。

重要な特色は、この文政の改鋳以後は金の含有量すなわち実質価値ではなく、(幕府が設定した)額面で通用する貨幣が誕生したことです。

文政小判と一分金の金の淳文良はそれぞれ7.3g、1.8gと甲州金から続く四進法によりつくられています。

 

しかし、二分金、同一朱金の金の純分量はそれぞれ3.2g、0.2g。

含まれる金の純度に依存しない、額面通貨が登場したのです。

慶長大判の買取相場の目安

過去10年間の文政小判の取引実績を検証してみました!

大手古銭買取店5社の平均取引価格は「25~75万」となっています。

 

しかし、2019年ごろから金価格は上昇基調にあります。

また2021年に延期された東京オリンピック開催により日本文化への注目、海外渡航客数の増加が見込まれるます。

「骨董」「アンティーク」「日本美術」の観点から人気が上昇しさらなる高値が期待できます。

大判小判マニアなら知っておこう!「12七福小判」とは?江戸の町人文化としてとらえる」

縁起物としての小判「七福小判」

江戸時代は日本史上かつてないほど庶民文化が花開いた時代です。

様々な流行が人々の生活を彩りましたが、その一つに「七福神信仰」があります。

七福神とは福をもたらしてくれる神様たちのことを指しています。

  • 大黒天(だいこくてん)
  • 毘沙門天(びしゃもんてん)
  • 恵比寿天(えびすてん)
  • 寿老人(じゅろうじん)
  • 福禄寿(ふくろくじゅ)
  • 弁財天(べんざいてん)
  • 布袋尊(ほていそん)

全てそらんじることは難しくても、いくつか知っている名前が見つかるのではないでしょうか。

江戸時代に流行した七福神信仰

七福神の信仰そのものは室町時代には、はじまっていたといわれますが、広く庶民の間に浸透したのは江戸時代のころです。

特に江戸中期に入ると、平和な世の中になれた人々が観光や遊びを兼ねた寺社詣でを楽しむようになりました。

正月松の内に七福神ゆかりの寺社に参拝することが江戸っ子たちのあいだでは恒例の行事となっていきます。

 

同時に「七福小判」と呼ばれる小判収に熱中するようになりました。

七福小判の条件とは?

七福小判といっても、七福神が刻まれた記念効果的な小判があったわけではありません。

裏面に刻まれた金座人と吹所棟梁の小験極印の組み合せのなかから七福神を連想させるものが喜ばれたのです。

大吉 大黒天

  • 「大」は座人の高瀬清三郎、
  • 「吉」は吹所棟梁の広瀬吉兵衛

小吉 恵比須

  • 「小」は久保田万四郎
  • 「吉」は吹所棟梁の広瀬清三郎

馬神 弁財天

  • 「馬」は座人の相馬五兵衛
  • 「神」は吹所棟梁の片山甚兵衛

久吉 福禄寿

  • 「久」は座人の久保田仁右衛門
  • 「吉」は吹所棟梁の広瀬清三郎

堺長 毘沙門天

  • 「堺」は座人の永野次郎兵衛
  • 「吉」は吹所棟梁の喜多長兵衛(専太郎)

久長 布袋和尚

  • 「久」は座人の久保田仁右衛門、
  • 「長」は吹所棟梁の喜多長兵衛(専太郎)

守神 寿老人

  • 「守」は座人の川端源右衛門
  • 「神」は吹所練梁の片山甚兵衛

江戸の名残が今も残る「浅草名所七福神詣」

浅草近辺の以下の9つの寺社を詣でることが、「七福神詣」と呼ばれて当時の人々の最高の娯楽でした。

今も残る江戸の風景を身に訪れてみてはいかがですか?

 

  • 浅草寺(大黒天)
  • 浅草神社(恵比須)
  • 待乳山聖天(毘沙門天)
  • 今戸神社(福禄寿)
  • 橋場寺不動院(布袋尊)
  • 石浜神社(寿老神)
  • 鷲神社(寿老人)
  • 吉原神社(弁財天)
  • 矢先稲荷神社(福禄寿)

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