二分判の特徴
二分判は、「二分金」「二分判金」とも呼ばれる小判と同様に江戸時代に流通した金貨です。
文字通りに「小判を2分した」金貨として、額面「1/2両」として流通していました。
しかし金の含有率が一分金と比べて低かった(万延二分金は半分ほど)事から、補助貨幣としての側面が強かったとされています。
また10種類ある一分判よりも後に登場したため、
- 「真文二分判」
- 「草文二分判」
- 「安政二分判」
- 「万延二分判」
- 「貨幣司二分判・貨幣司劣位二分判(明治発行)」
の5種類のみが流通しました。
コレクターには、「逆打」と呼ばれる表面と裏面の刻印が逆になっているエラーコインが特に人気です。
流通時期
1818年(文政元年)~
発行枚数
- 真文二分判 5,972,044枚
- 草文二分判 4,066,123枚
- 安政二分判 7,103,200枚
- 万延二分判 93,797,865枚
- 貨幣司二分判 6,403,287枚(貨幣司劣位二分判 1,216,000枚)
おもて面
形状 長方形
上部 「光次」の刻印
下部 「光次」の花押
右上 発行年代を示す刻印。5種類それぞれの違いは以下のとおり
- 真文二分判 楷書体で「文」の刻印
- 草文二分判 草書体で「文」
- 安政二分判 刻印なし
- 万延二分判 刻印なし
- 貨幣司二分判 刻印なし
うら面
上部 扇枠に囲まれた五三桐(ごさんのきり)
下部 五三桐
中央 左右に「文」と「二」の刻印
二分判のサイズと重さ
サイズ
縦 23ミリ前後 横 13ミリ前後
重さ
- 真文二分判 6.56グラム
- 草文二分判 6.56グラム
- 安政二分判 5.62グラム
- 万延二分判 3.00グラム
- 貨幣司二分判 3.00グラム
二分判の金の含有量
金の含有率は年代によって18.33%~56.41%
- 真文二分判 56.41%
- 草文二分判 48.89%
- 安政二分判 19.56%
- 万延二分判 22.00%
- 貨幣司二分判 22.00%
※貨幣司劣位二分判は18.33%
二分判の歴史的背景
二分判は、貨幣史の中では登場が遅く1818年(文政元年)に初めて登場しました。
5種類の二分判は裏面の右上の文字の有無で区別することができます。
しかし刻印がなく重量も同じ「万延二分判」と「貨幣司二分判」の区別は長く論争の的となってきました。
現在では、おもて面中央の「分」の字で見分けられるという説が主流です。
分の字が「撥ね分」は現存数が少ないため、発行数が少なかったとされるのが貨幣司劣位二分判です。
逆に現存数が多い「止め分」は発行数が多かった万延二分判と考えられています。
二分判の買取相場の目安
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大判小判マニアなら知っておこう!「17 プレミアム間違いなし!財務省放出金貨」
プレミアム金貨に大化けする?財務省放出金貨
2005年から2008年にかけて、財務省が古金貨を大量に公開オークション上で売却したことをご存知でしょうか?
対象となった金貨は明治~昭和(1870年~1932年)にかけて発行された金貨で一円から二十円までの金貨幣でした。
条例による旧金貨
- 一円金貨幣
- 二円金貨幣
- 五円金貨幣
- 十円金貨幣
- 二十円金貨幣
幣法による新金貨
- 五円金貨幣
- 十円金貨幣
- 二十円金貨幣
その総数は3万2683枚にのぼりました。
多くは戦中に供出された金貨だった
なぜこれほどまでに多くの金貨を財務省が保管していたのでしょうか?
ほとんどの金貨は戦時中に「金属類回収令」によって、政府が国民から強制的に供出させた金貨類でした。
戦後はしばらくGHQの管理下にありましたが、サンフランシスコ講和条約成立後に日本政府に返還されたのです。
値上がり必至!財務省放出金貨ブランドの威力
古銭市場では「幻の20円金貨」としてささやかれていた昭和7年製の20円金貨が68枚が売却されたことは大きな話題となりました。
財務省放出金貨はすべて「説明書」と「金貨」はパッケージとしてポリカーボネート製透明ケースに収容されています。ケースを壊さなければ中身を取り出せない仕組みとなっており、財務省放出金貨すなわち本物の古金貨の証明となります。
オークション実施当時でも数千万円をマークした金貨もありました。
中には数万円で購入できた金貨もあったようですが、今後値上がりすることはまずまちがいありません。
なぜなら財務省はすべての凝金貨を放出し、一般家庭の金貨のほとんどは戦時中に供出されているからです。
今後あらたに近代にあらわれた金貨が登場する可能性は極めて低いでしょう。
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