五木田 智央のアートスタイル

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五木田 智央作品の特徴と魅力・評価ポイント

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特徴と魅力 

五木田智央は、白と黒そしてグレーのモノトーン、そして顔のない人物がトレードマークの国際的な評価を受けているアーティストです。

そして現在ではNYタイムズ

「アフリカンアートやモジリアーニの影響が感じられる」

と評されるほど世界のアートシーンで存在感を増しています。

人気のモノクローム作品なら数千万円で取引されることも珍しくありません。

五木田智央の創作活動の出発点は雑誌の表紙やページのイラストレーションでした。

雑誌「BARFOUT!」の表紙を飾り、RCサクセション忌野清志朗のCDジャケットを手掛けたこともある人気イラストレーターとして活躍しました。

アウトドア雑誌「GO OUT」の名物連載「SOTOKEN]で知られるジェリー鵜飼と「アントニオ・デザイン・サービス」の名でチームを組んでいたことも。

そして創作活動の初期から一貫してグレースケールモノクロームの作品を手掛け、そのクールで個性あふれる画風によってカリスマ的人気を誇ってきました。

五木田アートのインスピレーションの源は、幼いころから親しんできた1960〜70年代アメリカのサブカルチャーです。

当時活躍した作家たちの作品に着想を得たモノクロームのグラデーションで構成される作品に特色があります。

そして国際的評価を受ける画家となってからも、若手ミュージシャンのCDジャケット(2014年「YELLOW OCHER黒沼英之ほか)、プロレス雑誌「KAMINOGE」で連載を続けています。

ファンとの間に接点を持ち続ける親しみやすさ、やさしさが五木田作品が愛される背景にあります。

評価ポイント

作品のベースとなっているのは1960〜70年代の米国発サブカルチャーやアンダーグラウンドであることから、この時代のカルチャーを好むコレクターに特に指示されています。

しかし決して素材に頼ることなく、絵具顔料にグワッシュを用いたグラデーションで綿密に計算された陰影を表現。

そして他のアーティストにはないメタリックな質感をを持ち味としています。

カラーレスな画面に広がる大胆な構図がクールかつスタイリッシュと、ニューヨークのアーティストたちから評判が広まりました。

また顔の表情を持たない人物像の描写にもマッチし、独特の世界観を表現しています。

カラーレス=五木田アート、というイメージが強くモノクローム以外の作品の発表当時の販売実績は低調だったようです。

しかし現在再評価が進んでおり、今後の価格高騰が期待できます。

五木田 智央のプロフィール

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幼少期

1969年東京都世田谷区に生まれる。

大手広告代理店に務める父親、5歳年上の兄の影響で小学生から横尾忠則やアンディウォーホルにひかれるようになる。

中学生のころには80年代のニューペインティング系作家「フランチェスコ・クレメンテ」「ジュリアン・シュナーべル」「大竹伸朗」に傾倒。

青年期・学生時代

普通高校には進まず文化学院芸術専門学校を卒業。

その後武蔵野美術学院を2年で中退。

学生時代を通じて音楽とファッションに傾倒しながらも夢中で絵を描く青春時代を送る。

雑誌投稿で生じた縁から、演劇のポスターや英語の参考書のイラストなどの仕事を受けていた。

創作初期

学校中退後はインドとバングラデシュ、アメリカNYへ旅する。

帰国後は友人からパーティーのフライヤーのデザインを頼まれたことがきっかけでイラストレーター、グラフィックデザイナーとして仕事を始める。

(この頃は鉛筆、木炭を使用したドローイング作品が多い)

1998年人気雑誌「BARFOUT!」でUAを描いた表紙が注目を集める。

しかし同じタッチの絵を描いてほしいとの注文に嫌気がさしメキシコ旅行に出る。

帰国後は1000点ものドローイング作品を創作した。300点がランジェリー・レスリングに収められることになる。

創作中期

2000年ドローイング作品集「ランジェリー・レスリング」をリトルモアから出版。同時に同タイトルの展覧会を渋谷パルコギャラリーほかで開催

この作品集がニューヨークのギャラリーで販売されたことからグループ展に参加するようになる。

世界的人気アーティストKAWSが作品を購入したことからメアリーブーンの目に留まる。

イラストレーションからファインアートに創作活動にかじを切ることを意識したのもこのころ。

ダークな色合いの無機質な抽象画を中心に創作する。

2001年ニューヨークADC金賞受賞

※ニューヨークADC(アート・ディレクターズ・クラブ):1920年創立。商業デザインをアートと同じ評価軸で評価する世界で最も権威ある広告賞

創作後期・現在

2007年ごろからモノクロームのグラデーション表現に目覚める。

2008年「Slash and Trust」がエポックメーキングとなった(現在KAWSが所有)。

青の時代バラ色の時代とカラー表現も増え、人物画を描くようになった。

2012年DIC川村記念美術館(千葉)の「抽象と形態:何処までも顕れないもの」展に参加

2014年DIC川村記念美術館(千葉)にて単独個展「THE GREAT CIRCUS」開催

2015年ホーナー・フレイザーギャラリー(LA)にて「Besame Mucho」開催

※フレイザーはスコットランド貴族の末裔でありブライアンフェリー&ロキシーミュージックのカバーをつとめた有名モデル

2016年メアリー・ブーン・ギャラリー(NY)にて「Out of Sight」開催

※バスキアを見出したアート界で知らない者はいない敏腕ディーラー

2018年東京オペラシティ アートギャラリーにて単独個展「PEEKABOO」開催

現在は国内外の個展開催のほか、CDジャケットデザインやプロレス雑誌「KAMINOGE」でイラスト連載中

五木田 智央の代表作

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Come Play with Me」

東京オペラシティ アートギャラリーで開催した「PEEKABOO」のメインビジュアルとなった作品。

モノクロームの色彩の中に目を見開いて挑発的に指を鳴らす女性を描いている。

「Old Portrait」

顔のない女性を白と黒、そしてグレーでキャンバス一杯に描いている。

「記念撮影」

インタビューで「特に気に入っている」と答えている作品。

アメリカの古いプロレス雑誌に載っていた女性とレスラーとレフェリーが並んでいる写真にインスパイアされたもの。

五木田 智央の市場価格・オークション落札情報

「SOLID STATE SURVIVOR」5,815,000 HKドル

194×162 cm キャンバス アクリルガナッシュ

2019年10月6日 サザビーズ/香港

「WANTED」 275,000米ドル

164.5×130.5cm キャンバス アクリルガナッシュ

2019年11月15日 サザビーズ/ニューヨーク

「MATURE #2」 2900万円

162.1×193.9cm(F130)キャンバス アクリルガナッシュ、ジェッソ

2019年10月26日  SBIオークション/東京

「Let It Be」 350,000米ドル

116.8×90.8cm キャンバス アクリルガナッシュ

2019年2月28日  クリスティーズ/ニューヨーク

五木田 智央の作品と出会える場所

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個展以外で常設展示を行っている美術館情報は少ない状況です。

以下の出版物で作品を楽しめます。

  • ランジェリー・レスリング

  • シャッフル鉄道唱歌

  • 777

  • Holy Cow

五木田 智央の最新トピックなど

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雑誌で見慣れたイラストが実は国際的に知られる画家の作品だった、ということが近年のアート市場の高騰によって珍しいことではなくなりました。

今回ご紹介した五木田智央はその代表例といえます。

国内外の個展開催ほか多方面にわたる活躍ぶりで、頻繁に作品世界がアップデートされるため、新鮮さを失わないところも魅力です。

2019年には「TOWA TEI(テイ・トウワ」とのユニット「GLUE SCISSORS」が話題となりました。

YMOの細野晴臣氏50周年記念ドキュメンタリー映画「NO SMOKING」のキービジュアルを担当し、画集販売や個展開催は大いにファンを沸かせました。

また個展開催のたびに販売されるアートTシャツも、毎回即時ソールドアウトされる人気ぶりです。

五木田は「GLUE SCISSORS」以前から個展のたびにプライベート・プレスでTシャツを作成しコレクターアイテムとなっています。

個展開催情報をキャッチしたら、ぜひチェックしておきたいですね。


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