昨今の金価格の変動要因についての考察と仮説

最近の金の価格について、正直いえば何を材料に動いているのかよくわからないのが本音です。
※コレを言ってはお終めぃよと言わんばかりに。。。

今回は、わからなくなったときには基本に立ち返るという言葉を思い出して、金価格の変動要因の基本の検証を行います。

金価格の変動要因のおさらい

金価格の大きな変動要因は、

【1】ドルの上下動
【2】金利の上下動

です。

この2つの基本を見て、検証していけばよいことになります。

【1】ドルの上下動の検証

下記はアメリカの実効為替レート、約25年分です。

実効為替レートとは通貨の強さの指標であり、2020年4月末現在、ドルは過去25年で最高の値にあります。

金の強さはドルにリンクしており、ドルが強くなれば金は弱くなり、反対にドル安だと金が強くなるのが基本です。

過去25年で最高の値にドルがあるのですから、本来金は安くならないといけません。

しかし、実際は過去最高の値段近辺にあります。

つまり、現在の金価格はドルによって上下しているわけではないことが推測されます。

【2】金利の動きの検証

1のセオリーでは無いとなると、現在の金価格はドルの動きによって動いているのではなく、金利で動いている可能性のほうが高いわけです。

では、下記の過去25年分の金利の動きを見てみましょう。

参照元:TRADING ECONOMICS

現在の値は安値から若干の戻しがあるとはいえ、過去最低水準になっていることが見て取れます。

金の価格は金利が下がれば上昇、反対に金利が上昇すれば下落します。

現在の状況は、まさに金利低下によって金が最高値近辺で推移していると結論づけられます。

ドルと金利の相関関係の計算

では、実際に計算してみましょう。

ドル実効為替レート
1995/4   88.82
2020/4 130.74
47%の上昇

金利
1995/4 6.2%
2020/4 0.63%
89.8%の下落

ここに書いた意味を解説すると、金利が89.8%下落したのに対してドル実効為替レートは47%の上昇ですので、差し引きは41%ほどの変動率になります。

こう考えると金の価格は41%ほど下落になっていなければいけない状態にあるわけです。

しかし、以下の1995年ころからのドル建て金価格の推移を示したグラフをご覧ください。

参照元:TRADING ECONOMICS

1995年4月末時点での金価格は371ドル前後でした。

1995/4  371ドル
2020/4  1686ドル
454%上昇

現在の金価格は1686ドルで、実際には1995年の371ドルから454%程度上昇しています。

つまり金の値動きの要因とは【1】ドル、【2】金利だけではなく、第三の動きもフォーカスされることになるのです。

果たして、これは何なのでしょうか。

見えざる第三の変動要因は何か?

常識的に考えて、アメリカを代表する経済統計で454%近く増えるもの、そして金との相関性を考慮に入れるとGDP(国内総生産)以外思い浮かびません。

実際に以下の1995年からのアメリカのGDP総額の変遷を見てみましょう。

参照元:TRADING ECONOMICS

1995年の7639.75から2019年の21200で、GDPは277%近く上昇しています。

これと併せると、理論的にはいかがなものかと思いますが、足りない部分を補足することができるのではないでしょうか。

実際に4月末にアメリカのGDPが発表され、前期比4.7%の下落が確認されました。

金の価格が1686ドルで、そこから1.05を掛け合わせると1771ドルになります。

実際に2020年5月18日に1765ドルを示現しました。

こうなると金の価格は【1】ドル、【2】金利、【3】GDPとなると推測されるのです。

ただし、今の時点ではこれは単なる数合わせをやっているだけであり、実際に論拠として正しいものか判断がつきかねます。

次回はこの辺の仮説を踏まえて、今一度かみ砕いて説明をしてまいります。

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