日本では新型コロナウイルスの感染拡大もひと段落し、これから経済活動が再開して景気がよくなると考えている方も多いでしょう。
また逆に二次感染拡大の可能性があるからまだ気は緩められないという人もいらっしゃるかと思います。
そんな中、弊社が心配しているのは経済的な大不景気が来る可能性です。
またその中での金価格はどうなるか?
日米両中央銀行の失策
本コラムでは新型コロナウイルスによって市場が大規模に暴落すると予測していました。
根幹は、2020年1月のアメリカの金融政策決定会合であるFOMC(連邦公開市場委員会)でアメリカの中央銀行、FRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が発表した金融緩和の中止を失策と評したことにあります。
理由はアメリカの株式市場が高過ぎたらです。
高すぎる株式市場はいつかは修正される、つまりは下がるのにその源泉である金融緩和を止めれば暴落を促するようなものです。
当時、中国では新型コロナウイルスの感染拡大が確認され、これが材料となって暴落を引き起こすと書きました。
今回もFRBのパウエル議長と日本銀行の黒田東彦総裁の両中央銀行のトップは失政ばかりをやっています。
※それだけ決断が難しいのですね。。。
しばらくは経済は好調になるが…
おそらく今後の経済は、しばらく好調そのものでしょう。
ysfsよく考えてください。
史上最高規模の金融緩和を全世界で行い、地球上にお金があり余っているのです。
アメリカでは失業保険のほかに全国民に対して特別給付金を支給し、所得がもとから低い人たちはコロナ以前よりも高い収入を得ています。
この結果何が起こるかといえば、可処分所得は増えるのですから消費がメチャクチャに増えるのです。
今日本でも高級外車が前年同期比で10〜20%多く売れているとのことですが、それは結局日本でも必要でもない人たちに10万円の給付金を支給したからです。
現在は需給と物価の関係がおかしい
モノが売れる根本理由は物価が上がらないからです。
実際買い物をして、商品の価格が上昇したと感じる方は少ないのではないでしょうか。
しかし、これだけのお金をばらまいたら需給関係がどうなるかを考えてください。
お金の供給が10倍になっているのですから、1万円の価値が暴落するのが今の状態です。
対して物価はかつては1で現在でも1になります。
お金の価値が暴落しているのに物価は変わらない。
これは非常におかしいことです。
価値が10分の1になった1万円で、買えるモノが変わらないということはありえません。
需給関係において供給が増えれば、需要が高まらない限り自然とモノの価格は下がるのは当たり前です。
つまり、今までお金の価値が1だったものが0.1になったのですから、本来なら1万円でも現在は1000円のモノしか買えなくなるのが道理になります。
しかし現実的にはなっていない。
だから景気はよくなって当然です。
大不況への道程
今後数ヵ月は一生懸命商売や仕事をしてお金を稼ぐべきです。
しかし、具体的に言えば9月あたりから商品の売れ行きがだんだんと落ち込んでくるでしょう。
物価は金融緩和をしてから半年後には上昇し始めるからです。
物価が上昇してくれば、今まで1万円で買えたものが買えなくなってくるのですから、買い控えが始まります。
しかし、売り手である商店主は、今まで売れていたので増産体制や仕入れを増やすという行動に出ます。
しかも値上がりは1%程度、買い控えが起こると思えるほどの値上げではないからです。
そうこうしているうちに物価が10倍に向かって走り出し、そのころには商品が全く売れず、残るのは借金と在庫の山。
そして倒産していくわけです。
消費者もおそらく、これから必要もない商品を大量に買い、残るのはインフレで物価に追いつかなくなった少ないお給料のみというのがハイパーインフレの起こる過程になります。
もはやインフレは食い止められない
ハイパーインフレに向かって走り出せば、その勢いを止めることは誰にもできません。
しかも現在パウエルFRB議長も黒田日銀総裁もバラマキを続ける愚を行っています。
トランプ大統領も安倍首相もその暴走を止めるどころか、特にトランプ大統領はお金をばらまかなければ大統領選に勝てず、安倍首相にしても憲法改正のために選挙で勝てないことからバラマキを促進しています。
秋以降のインフレは不可避の状態なのです。
以前も書いた通り、国家の経済成長以上にお金をばらまくと必ずハイパーインフレが起こってきました。
アメリカの成長率は2%、日本は1%程度なのに、日米ともに前年比で20%以上お金の供給を増やしてしまっているのです。
戦前の日本は戦費調達のために前年比40%以上のお金を発行した結果、戦後には年50%のインフレを経験しています。
このハイパーインフレを起こさないためにはどこかで発行しすぎたお金を回収しなくてはいけないのですが、日米両中央銀行のトップはそんなことを匂わせもしません。
インフレに強い金の価格のゆくえは?
「インフレに強い金」
金に投資する者なら誰もが聞いたことのある格言でしょう。
だからといって、今すぐ金を買えと言っているのではありません。
9月までは景気が良いので税収が増え、ドルや円に信用がついて国家の財政赤字は一時的に解消に向かうので金価格は急落するはずです。
しかし、それは一時的なものに過ぎず、皆が金買いは失敗だったと見向きしなくなったころ、再び金価格が騰勢を強めてくると思われます。
ただし、その確率は100パーセントではありません。
両中央銀行のトップが気づいてそのヘリコプタマネーを回収すれば、金の価格は上昇しないからです。
間違いなく両中銀トップはこのまま緩和を続けてよいわけがないとは考えているでしょうが、トランプ、安倍両氏とも緩和を続けろと圧力をかけるでしょう。
これは政治センスの問題ですが、現状の力関係を見ると両中銀トップは逆らえないと思われます。
しかし、亡国の可能性を判断し、大統領や首相の意向に逆らう可能性も否定できません。
ゆえに確定しているのは金の価格が下がるという予測のみであり、インフレが起こって金価格が騰勢を強める確率は50:50。
再び買うという判断はまだできないのが現状です。
パラジウムとプラチナの価格への影響は?
もしインフレが起こったとしても、パラジウムのような商品がまた新値を試すという可能性は少ないです。
パラジウムが新値を取ったのは庶民も経済も好調だったからでした。
9月に来るインフレは、物価の上昇にお給料がついてこないインフレです。
そこに環境対策のパラジウムの需要が高まるかは疑問が残ります。
逆に環境需要があっても価格の伸びないプラチナはもっと可能性が少ないでしょう。
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