今回は、皆さんの投資にも関係のある円建て金価格と円実効為替レート(円価格)の関係性についての解説です。
円建て金価格と円価格の関係
前回解説したドル建て金価格とドル実効為替レート(ドル価格)の関係性は以下になります。
今回は円建て金価格と円実効為替レート(円価格)の関係性についてです。
まずは青い線で円建て金価格(系列1、左軸)、オレンジ色の線で円の価格を示す円実効為替レート(系列2、右軸)の関係を表した以下のグラフをご覧ください。
注意していただきたいのは、左軸の数字はグラム建てではなく、トロイオンス建てという皆さんには馴染みのない数字になっている点です。
1グラム=31.1035トロイオンスになりますので、左軸の数字を31.1035で割ったものが実際の円建てグラム金価格になります。
前回のドルのときと同様に、右軸のオレンジ色の円実効為替レート(円価格)を反転させます。
オレンジの線は反転していますので、上に行けばいくほど価格は下落していることになります。
このグラフを見れば、円の価格(オレンジ)が下落すればするほど金の価格が上昇していることが明らかです。
ドル建てと違う点は、6月にドル価格とドル建て金価格は乖離していましたが、日本円建ての金価格は乖離していません。
日本の10年物国債金利の推移
前回のドル建て金価格の場合と同様に、日本の10年物国債金利の推移を見ていきましょう。
6月から金利が動いているように見えるのは、目盛りの取り方が理由です。
アメリカの金利と比較してみてください。
アメリカは最大0.9から0.5まで0.4の幅で動いていますが、上の日本金利は0.05から0.01までとその幅は0.04、アメリカに比して1/10の動きしかなく、ほとんど動いていません。
ですから、ドル建て金価格は6月にドル価格と乖離した動きになりましたが、円価格と円建て金価格で乖離がないように見えるのです。
現在、日本の金利相場は動きようがなく、当面短期はマイナス金利、長期10年物はゼロ近辺の金融政策は維持することになるでしょう。
日本円建ての金価格を予測するのに、金利は現在ではあまり重要性がないことを示唆します。
もちろん、金利が動き始めたらきちんと監視する必要はあるでしょう。
ドル建て金と円建て金の関係
ここでおわかりになるのは、円建てだろうがドル建てであろうが金価格は結局【1】の為替である円ないしはドル、【2】金利、【3】GDPで動いているという事実です。
日本円建て金価格は、ドル円で動いていると勘違いしている方が非常に多いですが、それは間違いです。
この根拠は、ドル円が1円動くごとに金価格は20円動き、ドル建て金価格が1ドル動くたびに円建て金価格が5円動くということらしいですが、実際は円建て金価格はドル建て金価格に相似していきます。
ゆえにドル建て金価格が新高値を迎えると、円建て金価格も新値を迎えるのです。
つまり、ドル建て金価格の動向がわからなければ円建て金価格の動向がわからないことになり、その際に為替価格はあまり関係がありません。
なお、この点については以前詳細に解説しました。
もちろん、きちんと計算している人にとっては話の次元が違いますが、感覚的に見たまんまでしか見ない人にとって、ドル建て金価格は重要だということです。
今後の円建て金価格の予測
日本が『ダメだダメだ』と騒いでいる人が多いのですが、以下の円実効為替レートの推移をご覧ください。
円価格は右肩上がりに上がっています。
反対に弊社が韓国と中国には将来性がないと言う理由は、以下の両国の実効為替レートのグラフを見れば明らかです。
日本や台湾などの将来が明るくなっているのは明らかなのに、いまだに韓国や中国を経済的に賛美する人が多いのは不思議でなりません。
いずれまた中国や韓国が上る時もくるでしょうが、当面は日本がよいということになります。
というわけで、円建ての金価格の変動要因【1】の円価格は上昇しつつあり、【2】の金利は今より下がりようがない、【3】のGDPは今が底でしょう。
特に【1】に今円建て金価格が連動しているのに、専門家と称する人たちは「金は1万円いく」などと何を寝ぼけたことを言っているのでしょうか?
現実的に上記のデータを見ていけば、金の価格が目一杯。
いっぱいいっぱいになっているのがもうおわかりでしょう。
今はどのタイミングで金を売却するか、もはやそれを見定める頃合いなのです。
コメントを残す