借金大国・日本は潰れる?潰れない?

読者の方から質問がありました。

「日本政府は、国民に10万円配って財政の赤字が増えた結果、倒産するのではないか?」というよくある質問です。

今回はそれにお答えします。

日本はつぶれない!?

日本の国の借金は莫大というが…

結論から言えば、日本は財政赤字が増えようとも現状ではつぶれません。

今世間で「日本の財政赤字で国家がおかしくなる」と騒いでいる人たちの主張は、非常にバランス感覚を欠いています。

まずは簡単に説明しましょう。

年収600万円で年間500万円の消費をして、100万円の貯金をしている人の生活に将来破綻の可能性がありますか?

日本の徴税能力の高さ

2020年5月22日に建国以来9度目のデフォルト(債務不履行)になったアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、5月30日に行われた反政治家デモ

日本の借金は、確かに1200兆円ほどあります。

しかし、資産が600兆円ほどあり、年収に当たる国家予算は100兆円、そのほかの観点としてGDPが500兆円になります。

年収に当たる100〜500兆円の項目は、税収や企業の稼ぎです。

税収に関しては、日本の税収入の補足率は90%以上であり、ほぼ徴税能力があるわけです。

これはほかの先進国と比較しても異常に高い数字です。

例えば、数年前に経済危機が話題になったギリシャの徴税率は40%程度しかなく、仮に年収が600万円でも実際の手取りは240万円なのですから、どうやったって破綻をまぬがれないでしょう。

アルゼンチンも最近デフォルトを起こしましたが、南米諸国はギリシャよりも徴税能力が低いことが普通であり、今好調だとしても、いずれ財政問題が出てくることは目に見えています。

こう考えていくと、日本の徴税能力の高さがおわかりになるでしょう。

盤石な日本のGDP

G7の一角をなし、世界経済においても主要な地位を占める日本

GDPに関しても、日本の大企業を中心とした技術力の高さは、東日本大震災や今回の新型コロナ禍で証明されました。

日本のサプライチェーンの停止は、すなわち世界のサプライチェーンの停止をも意味します。

世界の生産の一部の組み込まれている日本企業のおカネを稼ぐ能力が、すぐに減退するわけがありません。

仮にそういうことがあっても、明日からいきなり収入がゼロになるというようなことはなく、だんだんと減っていくものですが、むしろ今その稼ぎは増えています。

つまり、日本はギリシャや南米各国と違い、収入が安定しているのです。

だから、収入が減って倒産ということはありません。

確かに借金の総額は増えたが…

新型コロナ禍に際する特別定額給付金も財源は国の借金だが…

例えば、年収600万円の人に借金が10億円あり、その人の年間の返済額が年間800万円であればどうなりますか?

すでに債務超過なのですぐに破産するでしょう。

日本の借金は確かに1200兆円ありますが、返済額は国家予算100兆円に対して40兆円程度。

これでどうやってつぶれるのでしょうか。

今回の10万円の特別定額給付金で借金の額は増えましたが、その替わりに国債の年限30年物が大幅に増えています。

今までは借りたお金を10年で償還するのが普通でしたが、その期間を延長しているのです。

つまり、今回の借金増加によってもつぶれません。

日本倒産論者の空虚な論

バランスシートとは資産、負債、資本の面から総合的に財政状況を見る手法

日本破綻論者は、国民をダマしにかかっているのです。

通常こうした計算を簿記、英語ではバランスシートと言いますが、その発想概念がない人たちによる空虚な主張です。

今の年収が将来もある程度保証されるから、銀行も住宅ローンを貸します。

もちろん、年間の返済額が年収を上回れば、誰でも破産するのは当然です。

しかし、年間の返済額が年収の4割から5割程度であれば、なんとかやっていけるものです。

日本は、新型コロナで借金が増えてもなんとかやりくりしているし、肝心の税収も安定しているのに、なぜつぶれると騒ぐのか意味不明です。

日本が有する莫大な資産

諸外国に比べても莫大な国有資産を有する日本政府。国会議事堂も、もちろん国の資産

おカネを貸すのに値する人物かどうかを判断する基準として、ほかに資産があります。

日本にはその資産が600兆円あるのです。

つまり、借金は1200兆円ありますが、そこから資産である600兆円を引けば、実際の借金は600兆円。

GDPが500兆円とすると、資産に対する借金の割合は120%です。

借金の割合が現在110%程度のアメリカとそれほど大差がないような状態になります。

借金ができるということは、返済能力があるからであって、逆に1200兆円も借金できる日本は強力と言えるのに、「倒産、倒産」と騒ぐだなんて、無知蒙昧以外の何ものでもありません。

アメリカほか他国の資産状況

アメリカの大統領官邸、ホワイトハウスもアメリカ政府の所有ではない

アメリカをはじめ、ほとんどの国は資産など持っていません。

例えば、ホワイトハウスはアメリカの資産かと問われれば、答えはノーです。

民間の所有であり、それを大統領が借りています。

議会も同様です。

外国政府は、ほとんどの公的機関をレンタルなどの賃借によって運営しているのです。

アメリカはGDP2000兆円に対して借金は2200兆円ありますが、資産などほとんどありません。

要するに日本とアメリカ、どちらの借金の影響大きいかと問われれば、アメリカの方がヒドイのです。

世界でもまれに見るくらいなのです、日本がこれほど大きな資産を持っているのは。

だから日本は破綻しない!

一般的に住宅ローンは年収の5〜8倍が目安と言われている

何が言いたいのかといえば、国家や個人の資産は、「収入+資産+借金」のトータルで見るべきところを、日本倒産論者は借金という一つの事象だけでつぶれると騒いでいるのです。

年収が500万円しかないのに、5000万円の住宅ローンを組んでいる人などザラにいます。

この人たちがすぐに破産するのかといえば、そんなことにはならないでしょう。

それは購入した不動産に価値があるから破産しないのです。

日本はたくさんの資産や債権を持つ国だから、借金が200%あろうが倒産しません。

倒産論者を支持する人たちが、借金に対して資産がいくらあるのか、わかっていないのです。

この記事のまとめ

今回の記事では、日本破綻の可能性について、バランスシートの発想に則って検討しました。

すなわち、収入500兆円(税収やGDPなど)+資産600兆円(債権や国有資産など)+借金1200兆円とトータルで見ると、債務率は120%とけっして高くなく、返済額も国家予算約100兆円中40兆円と常識の範囲。

借金だけ見れば天文学的な数字であっても、実際には安定的な収益と資産があるから、現時点で日本は大丈夫。

にもかかわらず、「日本は借金大国だから、そのうち倒産する」と騒ぐ人たちは、借金という一事象にのみ注目し、株や不動産、貯金などの資産を勘定に入れていないだけ。

という記事でございました。


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