[全5回/Week1]アンティークジュエリー入門「魅力編」

「アンティークジュエリー」が今も心をとらえるのはなぜ?

いまや世界中のアイテムがスマホの操作一つで手に入る時代。

アンティークや骨董品もまたしかりです。

これまでなら高い手数料を支払うオークションに参加する、もしくは直接現地に出向くほかありませんでした。

まったくディーラー泣かせの世の中になったものです。

現在では小学生でも(!)e-bayやetsyなどの越境ECオンラインサイトを利用。

InstagramなどのSNSで直接海外の販売者と取引する手段も一般的となりました。

そんな中まだまだ掘出し物が眠っているカテゴリがそう、アンティーク・ビンテージジュエリーです。

価値あるアンティークジュエリーそしてビンテージジュエリーは欧米では高額アンティークアイテムの筆頭。

その時代の職人の手仕事、デザイナーのセンスが生きるアート心くすぐるアイテムなのです!

貴金属が使用されていない(使用されているものもありますが)という理由だけで、放っておく手はありません。

今回リファスタではあえて広く浅く国内外のアンティーク・ビンテージジュエリーを全5回にわたって取り上げてみました。

乞うご期待!

アンティークジュエリーの魅力1「もう手に入らない宝石」

アンティークジュエリーコレクターたちの目標のひとつに、入手不可能な宝石との出会いがあります。

今では採掘されていない宝石、新品ジュエリーでは手が届かない宝石、それらを所有できるチャンス。

ここではコレクター垂涎の的となっている代表的な石を挙げてみました。

ペルピニャンガーネット

フランス領カタルーニャ「ペルピニャン」で産出されてきた「ペルピニャンガーネット」。

深い赤色と強い輝きを持ち、フランス製アンティークジュエリーの中でも、人気の高い石のひとつです。

ルイ14世はじめフランス王家や貴族から愛用された歴史があり、次第に一般の人々にも人気の宝石となりました。

最も多くジュエリーが作られたのは1880年から1920年。

当時のお抱えジュエリー職人たちの最後の生き残りの技術が結集されているのです。

現在小規模ながら採掘が復活していますが、アンティークでみられる石とは色合いが異なっています。

なお鉱物学的には「アルマンディンガーネット 鉄礬柘榴石」に分類されます。

ローズカットダイヤモンド

24の三角形の面に研磨した形が「バラのつぼみ」に似ていることからついたローズカットダイヤモンド。

オリーブオイルにダイヤの粉末を混ぜて研磨し、輝きを引き出そうと苦心した当時の職人たちの技術の結晶です。

今ではアンティークジュエリー以外ではまずお目にかかれません。

アンティークジュエリーの魅力2「うしなわれた職人技」

使われなくなった技巧など、ジュエリーの歴史を肌身で感じられるのもアンティークジュエリーの醍醐味。

もはや失われた職人の手仕事

今は作られていない素材

それらともう一度出会えるのがアンティークジュエリーです。

たとえ貴金属や宝石が使われていないコスチュームジュエリーであっても、伝統技法が駆使されているのでジュエリーとしての迫力が違います。

かのヴァンクリーフ&アーペルが開発したミステリーセッティングなど、当時のファインジュエリーに使われた技術を目で確かめることができますよ。

アンティークジュエリーの魅力3「世界に一つだけのマイジュエリー」

アンティークジュエリーそしてビンテージジュエリーは、まず同じ品が存在しない一点もの

自分だけのオートクチュールオーダーメイドされたアイテムとイメージしてみてください。

アンティークジュエリーなら世界に一つだけのマイジュエリーと出会えますよ!

アンティークジュエリーの魅力4「日本では安価で手に入る」

バブル期に大量に輸入されたアンティーク骨董品。

当時の圧倒的な物量が少しずつ一般家庭から業者に二束三文で処分されました。

なかでも貴金属が使用されていないジュエリーは、多くのリユースショップの倉庫で休眠状態。

再販しにくいアイテムと思われがちなことから

「値付けが難しいから寝かせてある」

「利益が出ないので廃棄することも考えている」

という業者が多数。

そのため実際の価値からすればお買い得プライスのアイテムが数多く見つかる宝の山となっています。

またフリマアプリやネットオークションに流出することも多いようです。

アンティークジュエリーの魅力5「アンティークへのいざない」

遠い過去に生きた人々が慈しんだものを手にすると、あたかもその時代にタイムスリップしたかのような気分に。

いわばバーチャルタイムトラベルを楽しむこの時間こそ、アンティークコレクターにとっての至福の時間です。

そしてとりわけジュエリーは元の持ち主の思いがたくさん詰まった特別なもの。

「どんな女性が身に付けていたのだろう」

「このジュエリーが使われた場面は?」

ひとつのアンティークジュエリーが無数の夢を見せてくれるのです。

今こそアンティークジュエリーコレクターを目指すチャンス!

アンティークジュエリー、ビンテージジュエリーの魅力がお分かりいただけたことでしょう。

今はもう失われた職人の技術、貴重な宝石、なによりも時代を経て生き残ったジュエリーが持つ魅力。

世界に無数にいるコレクターたちがコロナ渦下で本国でおとなしくせざるをえない今がチャンスかも!

本コラムでは世界のアンティークジュエリーの見どころチェックポイントなど、全5回配信予定としております。

ぜひ新たなジュエリーの楽しみ方を知るお手伝いができますように。

参考文献および参照元

  1. 「楽しいジュエリーセールス 」 早川 武俊
  2. 「コスチュームジュエリー」 別冊太陽 
  3. 「 アンティークジュエリー美術館」 別冊太陽 
  4. 「コスチュームジュエリーの世界」 田中元子
  5. 「世界の伝統装身具図鑑―神々の宿る銀」 露木宏
  6. 「日本の宝飾文化史」露木宏
  7. 「日本装身具史」露木宏編著

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