今回は、いつものようにテクニカル金相場分析です。
2020年9月下旬から見た将来の金相場を予測していきましょう。
ドル建て金価格の日足チャートをチェック
以下は前回、2020年9月上旬のテクニカル分析です。
では、ドル建て金価格の日足に単純移動平均線10と30を貼り付けたチャートを確認してみましょう。
前回までは短期線と長期線はデッドクロスしていましたが、黄色の長期線のほうはアップトレンドのままでした。
しかし今回、黄色の長期線がダウントレンドに転じ、白色の短期線とタッチした途端に60ドル下落しています。
ゴールデンクロスとデッドクロスの定義は、線の方向がクロスと一致している場合にその威力を発揮するのです。
今回の場合、最初のクロスは長期線がアップトレンドでデッドクロスしていますので、ダマしになることはクロスの時点でわかっていたことになります。
そして、戻って長短期線がタッチしたことによって本格的に売りになりました。
このことを知っていると大きな武器になることは、皆さんも理解したでしょう。
では、今後の展開はどうなるかといえば、日足では売りが決まった、次は週足ベースで売りになるのを待てばよいということになります。
ドル建て金価格の週足は?
以下のチャートはドル建て金価格の週足です。
黄色の長期線も白色の短期線もアップトレンドのままで、移動平均線はクロスしそうもありません。
ただし、短期線の下にローソクがモグリ、売り転換を示唆しています。
これでこの白色の線が下を向けば、黄色の線まで下がることが予測できます。
現在の黄色の長期線が1780ドル前後までありますので、次回下がるときは1780ドルを目途にすればいいのです。
細かい足で見ていくと…
通常の分析は移動平均の10と30で行いますが、以前これに加えて1000〜1500と3000〜3500の分析も行うとよいと案内しました。
さて、以下のチャートはドル建て金の30分足です。
前回は30分足まで売りが完成しており、1000〜1500の足が下を向いている限り、金は売りと記しました。
1000〜1500の線が上を向くためには相当な戻りがなければならないので、買いになるのは相当難しいと判断したからです。
その通りの結果になったあと、今度は黄色の3000〜3500のラインまでも割り込んでいます。
もちろん、3500を抜く時にマーケットがいったん戻っていることはきちんと確認しなければなりません。
ただし、黄色の3000〜3500はまだ上を向いたままだということを確認してください。
平均線がまだ上を向いているということは、3000まで戻る可能性があるということになります。
次に1時間足を見てみましょう。
1時間の1000〜1500も下に抜いています。
しかし、30分の3000〜3500と同様、1時間の1000〜1500も上を向いたままです。
この転換には時間が必要なことがわかります。
つまり、戻る余地を残しているのです。
いったい価格の戻りはどこまで?
では、いったいどこまで価格が戻るのかを考えてみましょう。
30分の3000は現在1905ドル近辺にあり、1時間の1500は1903ドル近辺にあります。
戻るとすればここが妥当と考えるのが常道です。
その確認のために5分足を見てみましょう。
5分の1000〜1500、3000〜3500は上記のようになっており、ローソクに一番近いのが1000の白色です。
これが現在1910ドル近辺にあり、戻ってもこの辺かと確認できます。
すなわち、今回戻るとすれば1903〜1910ドルと想定してシナリオを組み立てればよいのです。
なお、参考として15分足も紹介しておきます。
15分に一番近い線は現在1935ドル近辺にあり、現状では参考になりません。
各足を総合すると今後の金相場は?
週足ベースでは1780ドル近辺まで下がると出ました。
ただし、実際にこの週足を細かいタイムスパンに切りわけて見ていくと、特に5分や15分は明らかに下方乖離しすぎの状態で、これ以上、下方に乖離する可能性は少ないと考えられます。
すなわち、マーケットは1780ドルを一気に目指すような動きではなく、いったん1900ドル台に戻してから下がる可能性が高くなっているのです。
このように、長期的な見方と短期的な見方を分けて考えることは非常に重要であり、またあくまでもいろいろな線を見て考えることが大切です。
この記事のまとめ
今回の記事は、ドル建て金価格チャートをテクニカル分析していくと、日足では売りが決定。
週足はというと、売り転換を示唆。
30分足と1時間足からは戻りがある可能性を読み取ることができ、5分足を紐解くとその戻りは1903〜1910ドルと予想できる。
この戻りを一度経験して、週足ベースで割り出された1780ドル近辺まで下がるであろう。
こういう内容の記事でした。
なお、上記は9月下旬時点での分析であり、時間の経過とともに状況が変わっていくことはご了承ください。
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