六本木ヒルズ森ミュージアム「STARS展」観てきました!
国際的な評価が高く、かつ存命中の6名の日本の現代アーティスト作品が集められたSTARS展。
STARと呼ばれるにふさわしい、参加アーティストの顔ぶれの豪華さに驚くほど。
- 草間彌生
- 李禹煥(リ・ウファン)
- 宮島達男
- 村上 隆
- 奈良美智
- 杉本博司
おそらく今後二度と望めないような贅沢極まる展覧会です。
そしてアーティスト関連資料が充実しているのがこの展覧会の特徴で、作家がデビューした当時の展覧会カタログも見ることができます。
STARS展を鑑賞すれば、現代アートの潮流と日本発現代アートの現況のすべてを知ることができるといっても過言ではありません。
今回は李禹煥(リ・ウファン)をクローズアップ!
ではここで今回出展された李禹煥(リ・ウファン)作品についてご紹介。
「ベネッセアートサイト直島」の安藤忠雄設計による「李禹煥美術館」を訪れた人は、きっと今回のSTARS展を楽しみにしていたことでしょう。
日本現代アートの重要な潮流「もの派」をリードしてきた李禹煥は、母国韓国にもミュージアムを持ち世界的な評価の高い偉大なアーティストです。
李禹煥作品は実際に相対して初めてその吸引力の強さが分かるもの。
「関係項」の作品群が立ち並ぶ「柱の広場」を観た人なら、李禹煥作品を見逃すチャンスは逃せません!
初期作品はすでに解体されていますが、STARS展のために新たに組み立てられました。
「もう二度と藍真美目ることはない」と寂しく思っていた方には必見です!
↓作家の詳しい紹介記事はコチラ。ぜひごらんください!
関係項
自然に存在する「もの」はすべてが関係選を持ち世界を形成しているというのが李禹煥アートの根底をなすもの。
そのためほぼすべての立体作品には「関係項」というタイトルがつけられてています。
本作はもっとも初期の作品にあたります。
関係項_不協和音
ステンレスの棒を乗せた岩、そして何も乗っていない岩を対比させています。
同じようでいて明らかな違いがあるふたつのよく似た物体を対比する状況で暗示される不協和音とは?
明快な解答を出すことを不可能な状況を作り出すのは、現代アートの得意とするところですが、この作品もその一つ。
とはいえ李禹煥の作品の素材は自然にあるもの、もしくは身近にある工業用素材が主役となっていることで、距離の近さを感じさせます。
そこが現代アートを苦手とする人にも受け入れられやすい理由かもしれません。
対話
点がふたつ、そして棒が描かれているもの。
描かれたもの、そして描かれなかったもの。
ふたつを相対させることで、不協和音ではなく、ものが「対話」しているのだと李禹煥は主張します。
不協和音とよく似ているようで全く非なる「ものの関係性」を表現しています。
世界の様相は受け取る人のとらえ方次第で、やさしくも冷たくもなりうるのだと私たちに教えてくれるのです。
誰もいない李禹煥美術館を独占するチャンス!
李禹煥美術館では来年2021年1月まで回数限定ながら「朝の貸切ツアー」が予約できます。
参加費500円(別途鑑賞料金1,050円)を支払えば、開館前の誰もいない空間のなか、李禹煥作品を独占することができます。
美術館スタッフが作品解説をしてくれるのもうれしいところ。
一人でも参加可能なので、香川一人旅のメインイベントにするのもおすすめです。
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