六本木ヒルズ森ミュージアム「STARS展」観てきました!
多様な価値観を表現する現代アートを探索することは、自分の心の中と向き合う時間でもあります。
作家が作品を通して見せる世界観に引き込まれる瞬間、アートに触れる幸福を実感します。
今回のSTARS展は日本の現代アート界のトップランナーが集結したいまだかつてない規模を誇る展覧会となりました。
- 草間彌生
- 李禹煥(リ・ウファン)
- 宮島達男
- 村上 隆
- 奈良美智
- 杉本博司
海外では国内以上に高い評価を受けているアーティストばかりです。
初期作品から最新作までバランスよく網羅されており、展覧会カタログなどの資料も充実!
そして一部を除いて写真撮影OK!何度も足を運んでいる人が多いのもうなずけます。
この記事では「デジタル・カウンター」の名で知られるLEDデジタル数字を駆使したアート作品で知られる「宮島達男」展示作品をご紹介します。
↓作家の詳しい紹介記事はコチラ。ぜひごらんください!
今回は宮島達男をクローズアップ!
「それは変化し続ける」
「それはあらゆるものと関係を結ぶ」
「それは永遠に続く」
冒頭の3行の文章は、宮島達男のアート表現の根幹をなす、いわば「宣誓文」。
変化し続けるLEDデジタル数字によって表現されるのは生命の生と死。
そしてそれは生命の連鎖の中で永遠につながっています。
時の海 東北プロジェクト
スロープを降りるとがらりと空間が変わり、点滅する数字が浮かぶ海にたどり着きます。
「時の海 東北プロジェクト」2011年3月11日の東北大震災を契機に生まれ、現在も製作途中の作品です。
(完成時期はプロジェクト開始10年目にあたる2027年を目指しているそう)
被災者家族の方々がタイム設定(0.2から120秒の間で設定)をすることで作品製作に参加できるプロジェクトです。
今回は719人の方々のタイム設定LEDを、津波がすべてをさらった東北の海を模した水の中に展示しています。
大切な人、思い出が確かにあった「あの時」を風化させないために。
いつも「あの時」はここにあるのだと被災者の方々の心のよりどころとなる作品となっています。
「ArtInYou」という作家の言葉が胸に響きます。
30万年の時計
アーティスト人生の礎となった作品。
目指す方向をこの作品で確信することができてうれしかったのだそう。
「それは永遠に続く」をテーマにした、理論上は30万年時間を刻む装置でもあります。
「心が動くということは、感動する回路がある」
2019年の一般財団法人出版文化産業振興財団の講演での言葉です。
https://www.youtube.com/watch?v=b5wzREgUmno
Monism/Dualism
1987年に製作されたもっとも初期のLED作品です。
サンフランシスコ近代美術館でも展示され、高い評価を受けました。
当時の日本人のイメージを想起させる「テクノロジー」「禅的な静けさ」を持つ日本人アーティスト作品として、アメリカの人々には受け入れやすかったのでしょう。
発表当時LEDが表現できる色は「赤」「緑」だけでした。
この2色が「1~99」「99~1」を永遠に刻み続けるさまを見ていると、時間が過ぎる速さに慄然とします。
※懸案だった「窒化ガリウム」の結晶のサイズアップに成功し、1989年に待ち望まれた青色発光ダイオードが登場。2014年開発者の「赤崎勇」「天野浩」「中村修二」の三氏にはノーベル物理学賞を授与
「 宮島達男 クロニクル 1995~2020」展も開催中!
世界各国の美術館、商業施設においても宮島達夫作品の登場回数は多く、注目度の高さがうかがい知れます。
また国内においても定期的に個展が開催される人気アーティストの一人。
STARS展と並行して、現在ニューアルオープンされた千葉市美術館にて「 宮島達男 クロニクル 1995~2020」展が開かれています。
開館25周年を記念した展覧会でもあり充実した展示内容が好評価を得ています。
2020年12月13日まで開催されていますから、もっと 宮島達男のデジタルワールドを楽しみたくなった方はぜひ訪れてみてください。
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