六本木ヒルズ森ミュージアム「STARS展」観てきました!
STARS展で現代アートの最前線をつかむことができる!といっていいでしょう。
日本の現代アートの中核をなす6名のアーティストの代表作が一度に見られる贅沢な展覧会です。
- 草間彌生
- 李禹煥(リ・ウファン)
- 宮島達男
- 村上 隆
- 奈良美智
- 杉本博司
この6名の作品を一度に見られ、しかも初期作品と最近作を並行して展示されるのは恐らく今後実現することはないでしょう。
しかも一部のインスタレーション作品ほかをのぞき、べての作品を写真におさめることができるのも魅力です。
憧れの作品とツーショット撮影ができる貴重な体験ができますよ!
今回は奈良美智をクローズアップ!
そして今回この記事では奈良美智の展示についてご紹介します。
国内外でもっとも影響力のある作家であり、若い世代にも絶大な人気を誇るアーティストです。
テイストの異なるふたつの展示ルームが用意されており、こころゆくまで奈良美智ワールドに浸ることができます。
色鉛筆で描かれた多数のドローイング、大掛かりな家を模したミクストメディアまで多彩な作品群が鑑賞者を待ち受けています。
今回初めて公開されるドローイング作品や書き下ろし作品「ミスムーンライト」も!
奈良美智ファン必見の大充実の展示内容です。
↓作家の詳しい紹介記事はコチラ。ぜひごらんください!
作家の部屋の中から
奈良美智のプライベートコレクションやドローイング、ファンからのプレゼントまでたくさんのものが集められ、まさに作家の部屋。
なかでも驚くほどたくさんのレコードジャケットの数々に、音楽を愛する作家の姿がうかがえます。
青森の弘前で子供時代を過ごし、米軍基地から流れるFEN放送で知った当時のアメリカンロックやポップス、パンクミュージックがアートの入り口になったそう。
「HELP」「StandByMe」などの作品、インスピレーションの源となった様々なアイテムと、ドローイング作品も一緒に展示されています。
玉葱王子
かわいらしく玉ねぎが描かれている作品ですが、玉ねぎの下に書かれた黒と赤で構成されたベースが不穏な空気を醸し出します。
一見ほのぼのとした雰囲気だからこそ、一度気付いてしまえばぬぐえない奇妙な不安定感。奈良美智の他の作品にも共通しています。
ドイツ語で書かれた「Die zwei Pinseln ふたつの筆」が意味するところを考えて結論を導いておかないと、「ただかわいい絵」で終わる危険性があります。
Voyage of the moon(RestingMoon)
権力の象徴である太陽を好きでなかった、奈良美智は月によりシンパシーを感じているそう。
月夜を表現した展示エリアは、人の顔を乗せたかわいらしい家の形のミクストメディア作品「Voyage of the moon」に目を奪われます。
家の中をのぞいてみれば、ドローイングや小さなおもちゃなどが所狭しと並べられて、まるでドールハウス!
作品の周囲を取り囲む停止線の白テープに書かれたほのぼのさせる文字や絵にもご注目。
これもすべて奈良美智の直筆です。
Lonely Moon Voyage of theMoon
微笑みを浮かべる満月(実はお皿!)が夜空を象徴する壁に掛けられています。
そしてそのそばには星をかたどったライトがともります。
地上のすべての人々の夜が平和であることの祈りが込められているように思えます。
ミスムーンライト
本STARS展のために描き下ろされた作品。
まぶたを閉じて静かに祈る少女は、奈良美智作品に登場する怒れる少女たちとは隔絶された場所にいるかのようです。
アートが社会を変える!難民キャンプ生活の中で人々にアートを伝授
2019年に奈良美智が「ジャパン・プラットフォーム JPF」の企画で中東ヨルダンにある難民キャンプ(シリアから逃れてきた人々のため)を訪れたニュースが流れて早一年。
アーティストがここまでするのかと驚くとともに、かつては教育者だった奈良美智のプロフィールが頭をよぎります。
2020年が残り少ない今もコロナ感染拡大は第3波といわれる時期に入り、さらに感染者は拡大しています。
平和な日本に暮らす私たちですら重苦しい空気に耐えがたかった2020年、戦地のひとびとの不安はいかばかりでしょうか。
でももしかしたら、ヨルダンの子供たちは、教えてもらった絵を描くことで少しは戦争を忘れる時間ができているかもしれない。
そうあってほしいと願ってやみません。
アートのチカラを感じるのは、こんな普通の生活の中で支えになってくれる瞬間です。
ミスムーンライトの微笑みがすべての人を照らしますように。
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