前回のコラムにて、金は一度戻る可能性が高いと予測しましたが、事態が変わりました。
これを受けて、今回はなぜ金に急落の可能性があるのか説明していきます。
ファンダメンタルズの面から
以下は前回のコラムになります。
株価はじわりじわりと下げて最後に大きく下落、反対に金相場は徐々に上がって最後に1860ドル程度から2000ドル手前まで戻すという目算でした。
この予測を撤回します。
改めて金の価格の変動要因は3つ、
【1】ドル
【2】金利
【3】GDP
です。
まずは、この3要素を分析していきましょう。
大統領選挙後のドルの動き
ドルの動きに関しては、大統領選挙投票日から急落していました。
以下のドルインデックスチャートから、11月の上旬に頭を打って下旬まで売られ、11月30日から反転しているのがわかります。

11月3日が投開票日でしたので、これは大統領選挙の結果待ちなんだろうと推測されます。
アメリカの大統領選挙は、法的には12月14日の各州の選挙人投票で確定します。
しかし、慣例では各候補が互いの勝利・敗北宣言によって実質的に確定するのです。
今回のケースではバイデン候補は勝利宣言をしましたが、ご存じのようにトランプ大統領は敗北宣言をしていません。
ゆえに選挙結果は慣例的にも法的にも依然決まっていないことになります。
また、トランプ大統領は「敗北宣言をするつもりがない」とコメントを出しており、選挙の勝敗はまだ決していないというのがマーケットの見方です。
ここで各州の選挙結果を選挙管理委員会が確定させており、法的な結果を待たなくてもバイデン勝利、トランプ敗北が決まったような雰囲気なのが現在の状況。
つまり12月14日には最終確定しますが、その前にほぼ確定してしまっているのでドルが反転しているのです。
ただし、慣例の敗北宣言がないので確実に反転というわけではなく、徐々にドル高になるということです。
新型コロナショック後からの金利の動き
以下のグラフのとおり、金利は新型コロナショックで急落し、その後は徐々に上昇しています。

これは、8月に金が新高値を取った時に、反対に金利は過去最低という逆相関の関係にあります。
金利が低下して後に上昇しているのは、ドルが下がっているので金利の上昇によってドルの価値を担保しているからです。
これが8月から11月末までの動きになります。
今後はこれだけ市中におカネをばらまいたのですから、当然おカネの価値が減ります。
おカネを持っていても価値が下がるので人々は懸命に買い物をし、小売商品の需給がタイトになり物価が上昇するのです。
つまり、金利は上がり続けることになります。
そして、金利が上昇すると株価や不動産、金の価格上昇や市中の商品の売れ行きも悪くなるのです。
それは金利の上昇によって現金の価値暴落に歯止めが効いてくるので、人々はある程度は貯金しよう、ないしは慌てて使わなくてもいいやと思ってくるのが今のフェーズになります。
ただ、おカネを使わなくなると商品の需給は緩み、物価が下がって金利も下がるので、またおカネを使い始めるというサイクルに入ります。
つまり、今後は金利と物価が重要になってくるのです。
こういう状態になると金利は下がりません。
アメリカの10〜12月のGDPの展望

アメリカの2020年10〜12月のGDPについて、中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)の理事たちは軒並み悪いと言っています。
実は、これは2019年からわかっていたことです。
GDPは前期比と前年比で発表されますが、去年のGDPはどうだったかを思い出してください。
アメリカはトランプ大統領がFRBに対して金利を下げろと恫喝し、株価は新値、小売売上も好調でした。
昨年の冬の時期は、過去最高の景気だったのです。
つまり今年の10〜12月は、新型コロナがあった現在、悪くなるのが当たり前なのです。
そして、前期は新型コロナショックでロックダウンなどがあったのですから、4〜6月は過去最悪、は過去最高になるのです。
過去最高の7〜9月を受けた10〜12月は、再び感染拡大に見舞われ、悪くなるのが必然になります。
12月初旬の金価格テクニカル分析
今まで1000-1500、3000-3500をドル建て金価格30分足、1時間足、4時間足で解説しましたが、ドル建て金の日足の100-150、300-350を以下に添付します。
今までこの高騰局面で、日足の100-150の下にもぐることは滅多にありませんでした。
下にもぐったのは新型コロナショックの時で、その際も急速に切り返しをしました。
前回、金価格が戻ると説明したのは、これを念頭においてのことです。
今回は明らかに下にもぐり、さらに下値を追っかけています。
しかも100-150の線はダウントレンド入りです。
これは今回の高騰局面で初めてのことであり、さらに300の足も上昇から横ばいになっています。
こうなると次回の目標値は300-350になることがわかります。
現在300-350は1675-1700にあります。
この記事のまとめ
今回の記事では、今後の金相場の展開をファンダメンタルズとテクニカルの両分析で予測。
すなわち、ファンダメンタルズ面では金の価格変動要因【1】ドル、【2】金利、【3】GDPの3つすべてが金の下方向を示唆。
そして、テクニカル分析でも下方向に変化。
まさに両分析ともにすべてが金の下落を示唆しており、金相場は急落の可能性大!
こういう内容の記事でした。
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