ゲームストップ株を巡る混乱と市場の劇的変化

1月29日の週末までの週は、まさしくゲームストップ株を巡る狂乱。

冷静さを失っている投資家も、日経平均の急落などによって多いでことしょう。

しかし、いつも言う「事実」を見ることが大事ということを思い出せば、今回の市場の混乱など関係ないと笑い飛ばせると確信しています。

ある有名投資家の話

外為市場を左右するとある人物がいる

はっきり申し上げますと、ゲームストップ株の急騰は「大衆投資家の勝利」などという報道は、何を言っているのかと言うことです。

大衆は、過去の例から見ればいいように利用されただけの話であり、結局大損するのはわかりきっています。

まずは、古今東西のファンドや仕手の話をからめて説明していきましょう。

例えば為替の世界で先月5日、円高102.6円のピークをつけました。

これは「ある人物が円を大量に買ったからつけた値段だ」という風説が流れています。

この人物は昔から自分のポジションややったことを話したがる傾向があり、彼が大量の注文を出すと外為市場では大きな話題になります。

今も昔もやっていることは変わりません。

彼は有名な投機家であり、相場で財産を築いた人ですが、今回のゲームストップ株と同じようなことです。

ゲームファンドを巡る情報戦

ビデオゲーム小売チェーン店、ゲームストップのニューヨークにある店舗

まず、このように思惑の片張り、つまり円だけを一方的に買うような行為を現代のファンドは行わず、何かを買えば必ず何かを売るというヘッジ(保険つなぎ)を行うのが鉄則です。

これをバイセル戦略と言い、やっていないファンドは間抜けです。

上記の人物のように思惑の片張りなどはもはや絶滅危惧種であり、ゲームファンド株を思惑の片張りで売りを出すという情報は信用に値しません。

昨年、原油価格をゼロに追い込んだ素人ファンドでさえ、限月間のスプレッドを行うことでストラドルをしていましたが、素人なのでその組み方がメチャクチャだったのを狙われただけです。

つまり今回、ゲームストップ株を仕掛けたファンドが思惑の片張りで売るなんて行為は自殺行為に等しく、やるわけがないのです。

ゲームストップを信用売りし、そして現物を買うとかインデックスを買うとかを行っていたはずです。

もし、そのファンドが現物買いをし、信用売りの損失だけを公表したらダメージは何もありません。

つまり致命的な打撃を受けることはまず考えられないのですが、致命的な打撃だとやっているわけで、もはやなんとも言えない状態です。

真相はほんの少人数しか知らない…

金融市場の話題をさらったゲームストップ株の乱高下

このように、今報道されている内容は全部推測や妄想の類と言っても過言ではありません。

本当のことは、このゲームストップ株を左右しているファンドや投機家の総帥だけが知っているということです。

ほかの一緒に働いているスタッフなどは、ただ指示通りに動いているだけで、本人も何をやっているのかわかっていないでしょう。

真相は一人とか少数しか知らないはずなのに、世の中には「真相がわかっています」みたいな発言をしている連中がいっぱいいる、つまりは報道やウワサ話のほとんどがウソだということになります。

こんな情報をもとに株や金の投資を決定すべきではなく、今まで当コラムで解説してきたロジックでマーケットを分析することが大切です。

ウソやデマから分析する投資決定は、デタラメな結果しかありません。

株式市場を分析すれば…

今回は一番簡単な分析を紹介しましょう。

まず金や株の値段構成要素は、

【1】ドル
【2】金利
【3】GDP

です。

値段の分析が一番容易なのはNYダウで、ダウはドルが10%落ちれば10%上昇します。

ナスダックはドル+金利が価格構成要因になりますが、面倒なのでNYダウだけで分析してみましょう。

年初にダウは去年と比較して11%高の水準で、現在は昨年比で3%高です。

つまり、去年よりも8%落ちたことになります。

ただし、これに先日発表されたGDPの年間成長率がマイナス4.2になることを今後は加味しなければいけませんが、それはおいおい説明します。

そして、値段の構成要素の【1】ドルは年初10%安だったのが現在は7%安になり、その差は3%。

つまりダウの値段とドルの価格は反相関の関係にあるので、ダウが現在8%下がっていれば、ドルは反対に8%上昇していなければいけません。

ところが、ドルは年初から3%しか上昇していません。

残りの5%は、どこに行ったのか?

この5%は双方が逆方向に動いて、ドル安と株安が年初から同じパーセントにする動きになってくることはわかります。

この場合、可能性としてダウがゲームストップ株を巡る混乱で大きく売られすぎになっているので、ドルに合わせてくる可能性のほうが強いわけです。

つまり現在ドルは昨年比7%安、株は年初11%高で現在3%高、ドルのマイナス7%に比べて5%安すぎるという結論が出ます。

ゆえにこの混乱が収まれば、急落したダウが戻ることになるのです。

複雑怪奇な金相場も同様

金相場への影響は?

ドルが上昇したのである程度が金の価格が下がりましたが、今後株が上昇するためにはドルが安くならなければいけないので、金の価格は上昇することになります。

ドル円も同じことです。

ドルの絶対値が拡大することによってドル円は年初から円安ですが、株が高くなるのにはドル安が必要ですから、ドルの絶対値は縮小します。

新型コロナショック以来、ドルが縮小した流れで円高になったのです。

そして、今後は拡大方向に行くとなれば、今度は円高に向かうでしょう。

本格の売り参戦はこれから

ジャネット・イエレン米財務長官

上記のように、ほとんどすべての市場が1月最終週までと逆の動きになります。

その目安は、ダウが二番天井を迎える時です。

いつも言うように、短期的な見方と長期的な見方を区別しないといけません。

この流れを確定させたのは、イエレン財務長官が「ドルをこれ以上安くさせない」と発言したことが中長期的な流れで、今回の再びのドル安はその短期的な動きという見方が弊社は正解だと考えています。

そして円高、金高になり、株価は二番天井を目指すということ。

その期間、スパンは2月5日から7日にかけてです。

本格の売り参戦はここからでしょう、もちろん金を含めて。

この記事のまとめ

今回の記事では、ゲームストップ株の狂乱の真相はほんの一握りの投資家しか把握しておらず、それ以外の人々が知りようはずもない。

この狂乱が収まれば急落したNYダウが戻ることになり、ドル安、金高へ。

そして、株価は二番天井を目指すことになるだろう。

こういう内容の記事でした。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください