4月12日の週からスタートした日経平均安。
今回は、金の価格分析の手法を用いれば、この株安の原因が特定できるという内容です。
日経平均安の原因は通貨高
金の価格構成要件は、
【1】ドル
【2】金利
【3】GDP(国内総生産)
です。
この価格構成要件は株価も同じで、日経平均の場合は【1】のドルが円に変わります。
では、日経平均の株安の要因として【1】の円はどうなっているのか、通貨価値を表す円実効為替レートの2020年からの動きを見てみましょう。
2020年の新型コロナショックを境に3月から円の実効為替レートは下がってきています。
ところが今年3〜4月にかけて上昇をし始めました。
これに日経平均先物を重ねてみましょう。
系列1のオレンジの線が日経平均先物で左軸、系列2は円の実効為替レートで右軸になります。
円の実効為替レートが上に行けばいくほど日経平均先物は下がり、反対に実効為替レートが下がれば下がるほど株価は上昇するという関係が見て取れます。
つまり通貨高は株安、そして通貨安は株高という反相関の関係にあるということになるのです。
4月に入ってからの円と日経平均の動き
円実効為替レートと日経平均先物の4月の動きを拡大して見てみましょう。
系列2の円の実効為替レートは4月12日までしかありませんが、株価と為替の関係性を見れば、通貨が上昇しているから4月20日までの株価が下落になっていることは想像に難くありません。
4月12日以降の円インデックスで疑う方は、以下のサイトで確認をしてみてください。
https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-JXY/
引用元:TradingView
日経平均が下がったのは通貨高が原因であり、報道や専門家の言うような「コロナ感染拡大で日経平均が下落」ではないのです。
最近の金の上昇はなぜか?
金価格が最近上昇しています。
これはどういうことなのか、例によって米国債10年ものの金利と金価格の相関を見れば一発でわかります。
緑が金価格で青が米国債10年ものです。
金は価格構成要因の【2】金利と連動しているから価格が上昇したのです。
直近の動きは以下のようになっています。
4月に入ってから金利が下がったから金の価格が上昇したのにすぎません。
なお、4月から一気に金利が低下した意味、そしてなぜ下がったのか誰もマーケットで明快に説明することができません。
なぜなら、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)の理事たちが言うようにアメリカにはインフレ懸念があり、金利が下がるわけがないのに下がったということになるからです。
この記事のまとめ
今回の記事では、現在の日経平均は円の価値と反相関の関係にある。
すなわち円高は株安、逆に円安は株高に。
つまるところ、株価の場合は通貨価値を見ればよく、金相場の場合なら金利の上下動を見れば今後の価格の予測はできるということ。
金価格上昇の理由は金利の下落だが、なぜ金利が下落したのかは謎。
本来、インフレ懸念があるアメリカで金利が下がるわけがないのに…。
こういう内容の記事でした。
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