「LOUIS VUITTON &」に行ってきました!第3の部屋感想まとめ
ルイヴィトンのモノグラム柄バッグや財布、定期入などの小物がはじめてのハイブランド体験、という人は少なくないでしょう。
ヴィトンと聞けば誰もが連想するあの象徴的な「LV」モノグラム、実は日本の「家紋」に由来するものなのです。
創業期のルイヴィトンのモノづくりに日本が大きな影響を与えていたことを教えてくれるのが今回ご紹介する第3の部屋「アーティスティック・コラボレーション 伝統の創造」です。
創業期からすでに家具などのプロダクトでアートコラボを行っていたルイヴィトンの先見性、そして100年以上続く日本とヴィトンとの意外なほどの縁の深さに驚かされます。
本コラムでは
- 10展示室それぞれの鑑賞ポイント
- 参加アーティスト紹介
- 鑑賞前に要チェック!便利メモ
などLOUIS VUITTON &にまつわるすべてをご紹介!
本エキシビジョンをあらゆる角度から最大限楽しんでいただけるポイントをつかむことができます。
LOUIS VUITTON &鑑賞前にぜひご一読ください。
※5月末日まで続く緊急事態宣言発令によって開催時間が1時間短縮されたものの(20時→19時)最終日となる5月16日(日)まで入場自体は可能です。
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LOUIS VUITTON &「第3の部屋」鑑賞ポイント
日本とルイヴィトンとの深い縁
この第3の部屋でまず注目したい展示が2代目ガストンみずから手掛けたとされるウィンドウディスプレイを写したモノクロ写真です。
日本庭園と鳥居を主題にしたこのディスプレイは1921年昭和天皇(当時は皇太子)のパリ訪問に敬意を表し特別にしつらえられたものです。
昭和天皇は訪れたシャンゼリゼ通りのルイヴィトン本店(創業当時店を開いたカプシーヌ通りから移転)でいくつかの気に入ったトランクをお買い上げされたのだとか。
昭和天皇が訪れる以前には明治維新の元勲「板垣退助」、1886年第14代内閣総理大臣「西園寺公望(ソルボンヌ大学出身)」が4つのトランクを購入したほか、土佐藩士「後藤象二郎」の名も顧客リストに残されています。
このように創業期からつながるルイヴィトンと日本との深い縁について理解すると、日本女性にとってもっとも親しみ深いブランドとしてルイヴィトンの名が挙げられるのもうなずけます。
ルイヴィトンの歴史に残るアイコニックラゲージ
ルイヴィトンがまたたく間に上流社会での人気ブランドとなった理由のひとつに、ニーズを的確にとらえた製品作りにありました。
汽車の旅に適したスタッキング可能なフラットトランクはその代表です。
また飛行機に乗った空の旅が上流階級の間でステータスを誇る「冒険旅行」として人気を博し、軽く丈夫なルイヴィトンのトランクは大いにもてはやされました。
また機構の厳しい地域で荷物を守るタフユースさもルイヴィトンの評価を高めることにつながりました。
今回展示された「ピモダン伯爵のトランク」は、衝撃に強く外注などが混入することを防ぐためさまざまな金属やゴムで工夫されたものです。
このようなタイプは主に熱帯などに向かう探検家(資力のある富裕層出身者が多かった)に愛用されました。
ほかにも
- 猫好きにはたまらない「ニコラジェスキエール」×「グレースコディントン」による「キャットグラム」で作られた人気バッグ「シティスティーマー」
- エジプトの王族がオーダーした「ピクニックトランク」
- 成田屋の紋が入った「市川海老蔵の歌舞伎鏡台ケース」
なども展示されています。
ルイヴィトンのお家芸「アートコラボ」
現在でこそハイブランドとアーティストとのコラボ企画は珍しくなくなりましたが、その先陣を切ったブランドこそルイヴィトンです。
LOUIS VUITTON &では、ルイヴィトンが自社アイテムとアートを融合させてきた多彩な軌跡に改めて驚かされます。
もっともルイヴィトンのアートとのコラボレーションの歴史は今に始まったことではなく、前世紀の創業初期にまでさかのぼります。
たとえばアールデコを代表するアーティストたちによるポスターなどの広告活動、そして香水ボトルなどの身の回りの小物、椅子や照明などの家具デザインも手掛けました。
LOUIS VUITTON &第3の部屋を彩るアート&アーティスト
小林健太(Kenta Cobayashi)
展示物の背景に使われているサイケデリックなバックグラウンドは、パリで活動する写真家「小林健太」の作品です。
神奈川県川崎市出身で、東京造形大学では絵画専攻でしたが写真家「石田祐規」との出会いにより写真に転向。
初写真集「Everything_1」でアート界のみならずファッション界からも注目を集めるように。
ルイヴィトンとは「ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋」でもコラボレーションを実現しました。
ピエール=エミール・ルグラン
縦長の楕円形のミラー、そしてガラスと黒檀を組み合わせた「黒檀の化粧台」は「ピエールエミールルグラン」の手によるものです。
非常に芸術性の高い家具を作ったことで知られ、ハイブランドやデザイナーが主な顧客でした。
また製本にもすぐれた作品を残しています。
マルセル ・ ワンダース
1898年製「ベッドトランク」と比較展示されているのがこちらのマルセルワンダース作「ラウンジチェア」です。
2016年にルイヴィトン×マルセルワンダースのコラボアイテムとして登場したこの長椅子は、「自由に広げて持ち運びできる安らぎのオアシス」というキャプション通り思わず横たわりたくなります。
オランダ出身の世界的に有名なインテリアプロダクトデザイナーであるマルセルワンダースの名は、コスメ好きの女性にはなじみの深い名前ですね。
2011年から年に一度発売されるコスメデコルテ「マルセルワンダースコレクション」は毎年争奪戦!
華麗なマルセルワンダースデザインのコンパクトが人気の理由です。
アレックスイスラエル
エアブラシを多用した作風と自画像で知られるアレックスイスラエルは、LA出身のマルチメディアアーティストです。
ハリウッド映画産業に多大な影響を受けた彼のアートは早い時期から注目され、ルイヴィトンのほかリモワなど数々のブランドのコラボレーションを続けています。
また41歳の若さで亡くなった大掛かりなインスタレーションで知られる「ジェイソンローデス」のアシスタントもつとめていました。
吉岡徳仁
「ブロッサムスツール」の名のとおりに花びらを4枚重ねたスツールはシンプルモダンな雰囲気の中に可憐さが漂います。
作者である吉岡徳仁は三宅一生ら一流クリエイターのもとで修業し、2020年東京オリンピックの聖火リレートーチのデザインを担当。
こちらのデザインも桜がモチーフとなっています。
紙でできた椅子「Honey-pop」やガラス製ベンチ「Water Block 」などでFranceはじめ世界のアート界から注目されるようになりました。
nendo
nendoとは「世界が注目する中小企業100社」に選出された主宰者「佐藤オオキ」によるデザイン事務所です。
今回展示されたサーフェス(照明)「サーフェスランプ」はルイヴィトンはじめての家具コレクションとなりました。
バカラ「アルクールアイス」やカッペリーニ「リボン」など、多くのブラントとのコラボレーション作品を手掛けています。
また人気インテリア雑誌「ELLEDECO」でのアワード受賞経験も。
LOUIS VUITTON &鑑賞前に要チェック!「フランス人のジャポニズム礼賛」
ヴィトンにとって日本はもっとも多くの潜在的に顧客を抱える重要国ですが、ヴィトンが日本を特別視するもうひとつの理由にフランス人のジャポニズム礼賛があります。
そのきっかけがパリ万博の日本館展示です。
ヴィトン創業から24年後の1878年パリで開催されたパリ万博の日本の展示は当時のフランスにセンセーショナルを巻き起こしました。
ゴッホやルノワールなどの印象派の画家が浮世絵に大きな影響を受けるなど、空前の日本ブームが当時のフランスのアートやファッションに与えたインパクトも大変なものでした。
もちろんルイヴィトンも例外ではありません。
さっそく2代目ジョルジュは日本の家紋から得たインスピレーションによって「L」「V」の頭文字と花と星を組み合わせたLVモノグラムを発案。
長年悩まされてきた製品コピー防止対策に大きな成果を上げました。
そして3代目「ガストン」は日本刀の「鍔(つば。柄と刀のあいだにはさむ金具)」のコレクションをスタートします。
外国から見た日本のイメージが日本の実態とすべて重なるわけではないけれど
「それほどまでにフランス人の心をとらえた日本の魅力とはなんだろう」
ということを考えてみるのも面白いかもしれません。
リファスタ販売中ヴィトンアイテム紹介「ポストカードSET」
LOUISVUITTON&を鑑賞して新しいヴィトンアイテムを手に入れたくなった人、はじめてヴィトンを欲しくなった人はぜひ!リファスタサイトをチェックしてみてください!
専用ボックスが付属しギフトラッピングが選べるリファスタなら、バースデーや結婚記念日などのプレゼント、母の日ギフトにも最適です。
今回は限定発売コレクターズアイテム「ポストカードホテルラベルSET」をセレクトしました。
ポストカードのデザインとなっているのは三代目ガストンがコレクションしていたホテルラベル。
(亡くなった時に3000枚ものホテルラベルが遺されていたそう)
実は同じセットがLOUIS VUITTON &スーベニールショップでも販売されていますが外箱の柄はダミエとなっており、こちらはLVモノグラム。
ルイヴィトンマニアならぜひ手に入れておきたいレアアイテムです。
※すでに販売終了の場合もあります。ご了承ください。
LOUIS VUITTON &第3の部屋を振り返って
第3ルームは日本人にとっては特別に興味深い展示となりました。
現代のわたしたち同様にルイヴィトンでショッピングを楽しんだ事実を知ると、日本の近代の基礎をきずいた偉人たちにがぜん親しみを覚えてきますね。
100年以上もの長い時間の中ではぐくまれてきた日本とフランス、日本人とルイヴィトンの縁の深さを知る貴重な機会、ぜひ堪能してください。
LOUISVUITTON&
会期2021年3月19日(金)~5月16日(日)※会期内無休
時間10時~19時(最終入場18時)
入場料無料
事前予約制 ルイ・ヴィトン公式サイト
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