「LOUIS VUITTON &」に行ってきました!第10の部屋感想まとめ
3月19日から原宿jingでスタートした「LOUIS VUITTON &」。
※5月11日まで続く緊急事態宣言発令によって開催時間が1時間短縮されたものの(20時→19時)最終日となる5月16日(日)まで入場自体は可能です。
ルイヴィトンのプレタポルテコレクション部門が誕生したのは1998年のことでした。
昨年突然逝ってしまった山本寛斎へのオマージュに満ちた本展示では「デジタリーインモーション」に迎えられながら、日本人デザイナーがルイヴィトンと創り上げた名作メンズコレクションの数々と出会えます。
本コラム「LOUIS VUITTON &感想まとめ(全10回)」では
- 10展示室それぞれの鑑賞ポイント
- 参加アーティスト紹介
- 鑑賞前に要チェック!便利メモ
などLOUIS VUITTON &にまつわるすべてをご紹介!
本エキシビジョンをあらゆる角度から最大限楽しんでいただけるポイントをつかむことができます。
今回はラストを飾る第10の部屋「ルイヴィトンと日本 ファッショナブルなラブストーリー」についてとりあげました。
LOUIS VUITTON &鑑賞前にぜひご一読ください。
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LOUIS VUITTON &「第10の部屋」鑑賞ポイント
山本寛斎×デビッドボウイ「TOKYO POP」
第10の部屋の中核をなすのはルイヴィトンアイテムではなく昨年惜しくも亡くなった「山本寛斎」が「デビッドボウイ」のステージ衣装としてデザインした「TOKYO POP(KABUKI)」です。
白黒モノトーンのアバンギャルドなジャンプスーツは、歌舞伎の早変わり「引き抜き」を取り入れられています。
ステージでは一瞬でセクシーなワンショルダーニット姿に変わる、という演出が話題となりました。
1973年「ジギースターダスト」「アラジンセイン」ツアーのために用意されたもので、2013年ヴィクトリアアンドアルバート博物館(V&A)でも展示されました。
TOKYOPOPの近未来的なスタイルやカラーリングは、アーティスティックディレクターのニコラジェスキエールを魅了。
2017年滋賀県「ミホミュージアム」で開催された「ルイヴィトン2018年クルーズコレクショコレクション」のデザインに大きな影響を及ぼしました。
本展示ではその他「鯉の滝登り」など様々な山本寛斎アーカイブを堪能することができます。
ルイヴィトン×日本人アーティストのメンズコレクション
日本のストリートファッション文化のビッグネームとのコラボレーションによるメンズコレクションが集結!
- 藤原ヒロシVSキムジョーンズ (2017年)
- NIGO(R)VSヴァージルアブロー(2021年)
などマニア垂涎のアイテムが並ぶさまは圧巻。
3つの世界を描くデジタリーインモーション
巨大なデジタルスクリーンには3つの世界が展開する「デジタリーインモーション」も見逃せない仕掛け。
山本寛斎ワールドのキーモチーフ「だるま」「歌舞伎の面」がモノグラムフラワーの背景に浮かび
フラグメントデザインの地下鉄には人の動きに合わせてグラフィティが映し出されるプロジェクションマッピング
そしてNIGO(R)のカモやカメなどのアニマルモチーフがダミエをバックに浮かび上がります。
いつかは自室で使いたいルイヴィトン「オブジェノマドコレクション」
単に展示スペースの関係なのか?
それとも各部屋にさりげなく置かれたアイテムを伏線にしているのか?
最後に用意された仕掛けがエクストラルームとも呼ぶべき2階の展示スペースです。
ルイヴィトンが提案するホーム&トラベルコレクション「オブジェノマドコレクション」はまさにラグジュアリーの極み。
自宅であるいは旅先で使ってみたいと思う、優雅な部屋着や身の回りの品がたくさん。
そしてモノグラムのあしらわれたビリヤードなどの遊具などもあります。
もともと「オブジェノマドコレクション」は2012年に誕生した限定アイテムをベースにしたコレクションで、歴代のスペシャルオーダーを集めたもの。
2018年にはより繊細なスモールサイズのアイテムを集めた「プチノマドコレクション」も発表されました。
LOUIS VUITTON &第10の部屋を彩るアート&アーティスト
山本寛斎
1944年三重県生まれの日本を代表するファッションデザイナー。
もともとは工業系の学生だったが、実母の洋裁教室で雑誌「装苑」を見てデザイナーへの転身を決意しコシノジュンコに弟子入り。
第21回「装苑賞(シンプルなミニワンピース)」を獲得した後ロンドンでファッションショーを開催。
歌舞伎の要素を取り入れた演出が評価され、全米デビューを控えた「デビッドボウイ」の衣装制作をサポート。
斬新なフォルム、派手な色彩のデザインは世界的な注目を浴び、1974~1992年までパリニューヨーク東京コレクションに参加した。
近年はファッション事業のほか、「KANSAISUPERSHOW ハロー!」と銘打った大掛かりなパフォーミングショーを各国で開催。
2020年急性骨髄性白血病により死去。
藤原ヒロシ
1964年三重県出身の日本のクラブカルチャーの先駆者。
主宰するデザイン集団「フラグメントデザイン」はナイキやリーバイスらとのコラボアイテムで爆発的人気を得る。
2008年村上隆が運営する「カイカイキキギャラリー」でアートコレクションや自作品を集めた「Hi&Lo」展を開催。
2016年キムジョーンズとのコラボアイテム「MonogramEclipse モノグラムエクリプス」は、ルイヴィトン史上初の他ブランドとのダブルネームとなった。
NIGO(R)
NIGOこと長尾智明は1971年生まれの日本発ストリートファッションの先駆者。
ちょうどミレニアムを迎える1990年代終わりから2000年代に流行した「裏原宿系(裏原)」と称された一大ファッションムーブメントの中、「UNDERCOVER」「NEIGHBORHOOD」「NUMBER (N)INE」など次々にニューブランドが誕生した。
しかしNIGOプロデュース「A BATHING APE」は価格と人気ともに別格であり、その背景には
- ファッション誌とのつながり(POPEYE、ホットドッグプレスなどのスタイリスト、ライターだった)
- 音楽業界との密接な交流(学生時代からクラブでのDJ活動をつづけた)
があった。
文化服装学院時代からファッション史、特にアメカジに関する知識は膨大で、長年続けてきたデニムコレクションは世界的なコレクターとみなされる規模を誇る。
現在は自身のブランド「HUMANMADE」でデザイン活動を続けており、2020年ルイヴィトンとのコラボ「LVスクエアードコレクション」で話題をさらった。
- 「LVMADE」ロゴをあしらったHUMANMADEのトレードマークのダック
- NIGOの運営するシューズブランド「ICECREAM」モチーフである溶けたアイスクリーム
- NIGOコラボ限定ロゴ「LV2」
など多くのシグネチャーを持つ「LVスクエアードコレクション」では、モノグラムとダミエをミックしたバッグ「ミニトート」「クリストファー」やデニム「ジャイアントダミエウェーブ」は争奪戦となった。
LOUIS VUITTON &鑑賞前に要チェック!「11番目の部屋ギフトショップに夢中!2」
「LOUIS VUITTON &」に併設されたカラフルなギフトショップは、ヴィトンファンにとっては天国のような場所!
バッグや財布などの小物、スカーフ、フレグランスがカラフルに設営されたコーナーに所狭しと並ぶ様は思わず目が釘付け。
どれも決して低価格とは言えないプライスなのに思わずひとつ手に入れたくなってしまいます。
この夢のようなスペースのデザインを手掛けたのが気鋭の建築家「菅原大輔」です。
コロナ感染拡大防止の影響で暗くなりがちな人々を応援する気持ちを表現したかったのでしょう、
「訪問した人たちに元気を与えるデザインを」
というルイヴィトンからの依頼があったのだそう。
展示会会場となった渋谷区神宮前「jing」の外観を飾るルイヴィトンのロゴカラーと連動したカラーリングになっている演出もお見逃しなく。
リファスタ販売中ヴィトンアイテム紹介「超美品LVトレイナーハイカットシューズ」
LOUISVUITTON&を鑑賞して新しいヴィトンアイテムを手に入れたくなった人、はじめてヴィトンを欲しくなった人はぜひ!リファスタサイトをチェックしてみてください!
専用ボックスが付属しギフトラッピングが選べるリファスタなら、バースデーや結婚記念日などのプレゼント、母の日ギフトにも最適です。
今回は「超美品LVトレイナーハイカット シューズ」をセレクトしました。
デザインしたヴァージルアブローによる手書き風の「LouisVuitton」シグネチャーが目印のこのスニーカーは全世界で限定300足、日本国内ではわずか25足販売というまさに超がつくレアアイテムです。
こちらは紙袋やボックスはもちろん、USB-C充電ケーブルや替え靴紐、レシート/インボイス(2020.8.**銀座松屋店購入)すべての付属品がそろったおそらく未使用の超美品!
※すでに販売終了の場合もあります。ご了承ください。
LOUIS VUITTON &第10の部屋を振り返って
ルイヴィトンが現在のような巨大なファッションブランドに成長した陰には、「LOUISVUITTON&」の展示が示すように自ら進んで伝統を打ち壊し、時代のアートやトレンドを受け入れてきたブランドの懐の深さがあります。
そして第10の部屋にあふれる日本への親愛の情があらわしているものとは、日本という存在がルイヴィトンに与えた影響の大きさです。
フランスのローカルバッグブランドというポジションに甘んじていたルイヴィトンが、1970年代後半から一気にグローバルブランドに上りつめるのに、「高度成長期の日本」という存在が大きく寄与しました。
戦後の窮乏期を耐え抜き、社会情勢のタイミングの良さも手伝って一気に経済成長を遂げる日本人の憧れと夢の象徴のひとつがLVモノグラムだったのでしょう。
そしてルイヴィトンは、マークジェイコブズは村上隆ら日本ジアーティストたちのコラボによって再びファッションへの興奮をよみがえらせました。
この第10の部屋を鑑賞した後、最初の部屋から再度鑑賞したくなった人も少なくないはず。
ルイヴィトンが過去行ってきたエキシビジョンの総集編、という以上の感動を「LOUISVUITTON&」は与えてくれます。
LOUISVUITTON&
会期2021年3月19日(金)~5月16日(日)※会期内無休
時間10時~19時(最終入場18時)
入場料無料
事前予約制 ルイ・ヴィトン公式サイト
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