LOUISVUITTON&ルイヴィトン原宿神宮前

LOUISVUITTON & 感想レポート第7の部屋「LVモノグラム×アート全仕事」

「LOUIS VUITTON &」に行ってきました!第7の部屋感想まとめ

村上隆によるマリリントランク

5月16日(日)で終了するルイヴィトンのアートコラボコレクション展「LOUIS VUITTON &」はもう足を運ばれましたか?

テーマ別に10の展示ルームが用意され、そのすべてが全く異なるアプローチで伝説のアイテムを紹介する見ごたえ充分のエキシビジョンです。

※5月末日まで続く緊急事態宣言発令によって開催時間が1時間短縮されたものの(20時→19時)最終日となる5月16日(日)まで入場自体は可能です。

本コラム「LOUIS VUITTON &感想まとめ(全10回)」では

  1. 10展示室それぞれの鑑賞ポイント
  2. 参加アーティスト紹介
  3. 鑑賞前に要チェック!便利メモ

などLOUIS VUITTON &にまつわるすべてをご紹介!

本エキシビジョンをあらゆる角度から最大限楽しんでいただけるポイントをつかむことができます。

今回は第7の部屋「真っ白なキャンバスに見立てたバッグ」についてとりあげました。

ここでは「村上隆」「ダミアンハースト」「ウルスフィッシャー」ほか、現代アートをけん引するビッグネームによるカスタマイズコレクションが一堂に会します。

LOUIS VUITTON &鑑賞前にぜひご一読ください。

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LOUIS VUITTON &「第7の部屋」鑑賞ポイント

ルイヴィトンLOUISVUITTON

LVモノグラムのコラボヒストリー

思えばマークジェイコブスがステファンスプロウズとタッグを組んだグラフィティバッグこそ、LVモノグラムとアートコラボ歴史の幕開けでした。

マークが世界中の有名無名問わずアーティストたちに声をかけ、作り上げてきたコラボアイテムは伝統的なデザインを愛するルイヴィトンファンから批判されることもありました。

しかしすでに出来上がったものをただ並べて売るだけでは、ブランドとしての成長はありません。

村上隆、草間彌生はじめ新しい表現を追求するアーティストたちからの提案を受けることで、ルイヴィトンは再生する。

その革新のもと挑戦を続けるルイヴィトンの姿勢は、世代を超えて賛同と共感を得ることに成功しました。

アーティストたちのキャンバスとなったバッグ「カプシーヌ」

アーティストたちに提供されたキャンバスとなるバッグ「カプシーヌ」は、クラシカルでエレガントなデザインのハンドル付きハンドバッグです。

あえて伝統を感じさせるスタイルのカプシーヌと、気鋭のアーティストたちの自由な感性との化学反応は「アーティーカプシーヌコレクション」に結実しました。

カプシーヌというネーミングには、創業の地となったカプシーヌ通りへのノスタルジア、そして創業者へのリスペクトが込められています。

アーティストの夢の競演!アーティーカプシーヌコレクション

2019年のアーティーカプシーヌコレクションの第1弾は、まさに21世紀を代表する現代アーティストたちの競演でした。

注目すべきは「ジェフクーンズ」ら現代アート界のトップアーティストにまじって「村上隆」「草間彌生」2名の日本人アーティストが選ばれたことです。

村上隆とルイヴィトンは2003年の「アイラブモノグラム」「モノグラムマルチカラー」などのコラボが大きな話題となりましたし、草間彌生はおなじみの水玉や網目模様の「ヤヨイクサマコレクション」でルイヴィトンとのコラボレーションを成功させました。

もっとも村上隆、草間彌生ともにオファーがあるまでルイヴィトンというブランドの存在を知らなかったそうです。

そして翌年2020年アーティーカプシーヌコレクション第2弾が登場。

ミリャーゼスによる「寄木細工」との合体、テイラーによる黒人アーティストの作品のプリントなど、2019年ファーストコレクションよりもさらに若々しく自由な表現に目を奪われます。

税込み定価100万オーバーのハイプライスながら、全世界各200個限定のアーティーカプシーヌコレクション第二弾もまたたく間に完売しました。

稀少価値の高さでは随一のアーティーカプシーヌ。

リユース市場で見かけることもほとんどありませんし、オークション会場で登場することもまだありません。

数年後あるいは数十年後には、好機到来と見たコレクターたちが放出することでしょう。

LOUIS VUITTON &第7の部屋を彩るアート&アーティスト

LOUISVUITTON&ルイヴィトン原宿神宮前
スティーブンスプラウスにささげられた「ローズモノグラム」ディスプレイ

モノグラム

ダミアンハースト

蝶のモチーフで知られるイギリス出身の超高額作家。

羊や鮫など動物のホルマリン漬け「Natural History」シリーズでつと有名。

ルイヴィトン以外のブランドのコラボレーションにスカル柄ストールが人気だった「アレキサンダーマックイーン」とのコレクションがある。

スティーブンスプラウス

モノグラム展示にも登場している米国ポップカルチャーを代表するアーティスト。

独特のグラフィティ(書き文字)でプリントされたアイテムで人気を博した。

ルイヴィトンとのコラボは2001年にスタートし、かつての同僚マークジェイコブスと作り上げたグラフィティロゴバッグは大人気アイテムとなった。

2004年惜しくも病によりこの世を去るも、オマージュとしてささげられた薔薇のプリント「モノグラムローズ」シリーズは若年層を中心に評判を呼んだ。

村上隆

日本を代表する世界的に有名な現代アーティスト。

2003年からマークジェイコブス時代のルイヴィトンと様々なコラボレーションを行ってきた。

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村上 隆/Takashi Murakami

2020年10月最新情報「~STARS展~村上隆作品紹介」

リチャードプリンス

シンディシャーマンと同世代のアーティストで、ドローイングと絵画のコラージュや写真での表現を行ってきた。

コラージュのベースにポルノ雑誌を好んで用い、性に関する表現の作品が多くLGTBに熱狂的なファンを持つ。

2008年ルイヴィトンとコラボした「ナースペインティング」シリーズは当時10億円近い価格で落札された。

草間彌生

「水玉」「かぼちゃ」「網目」など多くのアイコンモチーフを持つ世界的現代アーティスト。

ルイヴィトンは草間の代表的なアート作品「無限の網」「無限の水玉」を題材に、コラボレーションを行った。

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草間 彌生/Yayoi Kusama

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ジェフクーンズ

作品によっては何百億円という値がつく現在作品がもっとも高額で売買されるアーティスト。

ステンレス素材に鏡面塗装を加えたオブジェ作品「ラビット」など話題作多数。

ルイヴィトンとはアート史の巨匠たちをプリントした「MASTERS」をスピンアウトしたコラボレーションを発表。

「ラビット」モチーフのタグがつけられ、内側にはオリジナル作品の作者情報が書き込まれているそう。

本展示では「モナリザ」バージョンを見ることができる。

アーティーカプシーヌコレクション2019

サムフォールズ

LAに活動拠点を置くアーティストで、写真とペインティングを組み合わせた作品が多い。

ジャカード織と花の刺繍を組み合わせたフェミニンなカプシーヌをデザイン。

ベースとなったジャガードには、ルイヴィトンの敷地内の花などの植物からインスピレーションを得たオリジナル作品が使われている。

ウルスフィッシャー

スイス出身のアーティストで、ろうを使った彫刻、絵画や建築など幅広い表現方法を駆使。

アーティーカプシーヌコレクションでは、一番人気を誇る「バナナ」「キノコ」「卵」「ニンジン」「イチゴ」「リンゴ」計6種類のチェンジャブルなシリコン製フルーツモチーフが付属するユニークなカプシーヌを提案。

2021年「LVxUF」コレクションとして「ショールモノグラムドリーミー」などを発表。

LVモノグラムを独特の手書き技法「メモリースケッチ」でアレンジしている。

二コラスフロボ

1975年生まれ、南アフリカ共和国出身の黒人アーティスト。

リボンやレース、刺繍を組み合わせたハンドクラフト感あふれる作品で人気。

モノグラムフラワーを模したレザー製フラワーモチーフがアクセントにしたカプシーヌは、6種のデザインの中で最も優雅なデザイン。

バッグのベースとなる黒のレザーに直接縫い合わせており、まるでバッグの表面から花が生まれたかのように見える。

アレックスイスラエル

リモワとコラボしたグラデーションカラーのスーツケースで注目されたデザイナー。

曲線パーツを組み合わせてサーフボードや波を連想させるカラフルなカプシーヌを製作。

バッグから見えるサーフボードのフィンのモチーフは、実はコームとミラー。

シャバララセルフ

1990年生まれのNY出身の気鋭のアーティスト。

さまざまなテキスタイルをベースに、ドローイング、版画、刺繍などを加えたコラージュ技法の作品で知られる。

フリーステッチのかわいらしいカプシーヌの素材には再生レザー19種類を利用。

SDGs意識の高いカプシーヌとなった。

ジョナスウッド

ニューヨークを拠点とするアーティストで、屋内風景のモノクロームスケッチや出会った人々のカラフルな肖像画などのドローイングや版画作品で知られている。

本コレクションのデザインにはハイレゾ技術によるモノクロームの観葉植物のモチーフをプリント。

黄色のキリンをかたどったチャームが映えるモダンでシックなカプシーヌ。

アーティーカプシーヌコレクション2020

ベアトリスミリャーゼス

ブラジル出身の女性アーティスト。

瀬戸内国際芸術祭2019では、花をテーマにした巨大なインスタレーションを発表。

18種類のレザーを寄せ木細工のように組み合わせた万華鏡のようなカプシーヌをデザイン。

リウウェイ

1990年代にスタートした中国の「シニカルリアリズム」運動の先駆者であり、現在中国北京で活動するアーティスト。

マックスマーラとのコラボで一躍注目され、今回のカプシーヌデザインは「2019ヴェネツィア・ビエンナーレ」に出展した大規模インスタレーション「Microworld 微視世界」がベースとなっている。

5種類のシルバーレザーがベースとなるバッグ本体にからみつくカプシーヌは、モダンでどこか宇宙的。

ヘンリーテイラー

カリフォルニア出身のアーティスト。

友人であるノアデイヴィスをしのび、カプシーヌに彼の代表作「A young master」をプリントした=

ジャンミシェルオトニエル

アーティスティックで優雅、オートクチュール風バスケットとしてのカプシーヌを提案。

ハンドクラフト感あふれるラフィア素材のボディにシルクサテンの手刺繍による縁飾りで大人のバスケットに仕上げている。

バッグのハンドルあしらわれた大黄な黒いビーズは代表作「夢遊病者のキオスク」を連想させる。

ジョシュ・スミス

沖縄生まれでニューヨークで活動中のアーティスト。

シルクスクリーンで、展覧会名や自分の名前を書き込んだ作品で知られる。

カプシーヌにもお得意のデザインを再現し、さらにバッグ全体に名前を刺繍している。

バッグのそこにあるホッチキスの芯は「未完成のキャンバスの縁」の象徴。

ザオ・ザオ

昨今人権問題が取りざたされている新疆ウイグル自治区生まれ、現在は米国で活動中。

2020年はルイヴィトンのほか、シューズメーカーVansとVansのクラシックモデルである「Old Skool」のカスタマイズコレクションを発表。

5種類のレザーから300枚以上のパーツをカットしてパッチワークしたカプシーヌは、曲線のパーツがまるでパズルのように見える。

黒白ベージュ、そしてブルーというシックなカラーリングが洗練された迷彩柄にも見えるモダンなカプシーヌに仕上がっている。

使われたパッチワークのパターンは代表作「In Extremis No.3」にちなんだもの。

LOUIS VUITTON &鑑賞前に要チェック!「カプシーヌ ルイヴィトン随一のエレガントバッグ」

LOUISVUITTONルイヴィトン

見どころ満載の第7の部屋「真っ白なキャンバスに見立てたバッグ」の中で、カスタマイズバッグとなった「カプシーヌ」についてもう少し詳しくみておきましょう。

カプシーヌがはじめてラインナップに加わったのは2013年

特筆すべきはその価格帯で、トリヨンレザー(雄牛の革)を使ったベーシックタイプでも60万円台とルイヴィトンの他のバッグの3倍以上!

ルイヴィトンがカプシーヌを最上位コレクションに位置付ける狙いがあるのは明確ですが、本展示のベースとなった「アーティーカプシーヌコレクション」にはプロモーションの一環という意味もあるのでしょう。

ちなみにカプシーヌというネーミングは、ルイヴィトンがはじめて店舗を持ったパリの「カプシーヌ通り」にちなんだもの。

ブランドの原点、という意味が込められたカプシーヌには、気分にあわせて「LV」ロゴを見せることができるなど心憎い演出が隠されています。

加えて短いハンドルのついた台形型のエレガントなハンドバック(ショルダー使用も可能な2WAYタイプ)ですから、トレンドに影響されないタイムピースになることは間違いのないところ。

同価格帯のシャネルやエルメスなどのブランドバッグと購入を迷う人が多いのも納得です。

リファスタ販売中ヴィトンアイテム紹介「モノグラム柄シグネットリング」

LOUISVUITTONルイヴィトンモノグラム

LOUISVUITTON&を鑑賞して新しいヴィトンアイテムを手に入れたくなった人、はじめてヴィトンを欲しくなった人はぜひ!リファスタサイトをチェックしてみてください!

専用ボックスが付属しギフトラッピングが選べるリファスタなら、バースデーや結婚記念日などのプレゼント、母の日ギフトにも最適です。

今回は「モノグラム柄シグネットリング」をセレクトしました。

モノグラム柄のキャンバスでコーティングされた大振りデザインのリングは、人とかぶらないヴィトンアイテムをお探しの方にうってつけ。

リングだけでなくペンダントトップにもピッタリのボリュームです。

※すでに販売終了の場合もあります。ご了承ください。

LOUIS VUITTON &第7の部屋を振り返って

ルイヴィトンLOUISVUITTON

創業から160年たゆまぬ成長を続けたルイヴィトンは、いまや世界中の誰もが「LVモノグラム=ヴィトン」と知るビッグブランドとなりました。

あまたのブランドとの競争に勝ち残った背景には、アートや建築などジャンル問わずすぐれた表現者たちからの提案を抵抗なく受け入れてきたことにあります。

本展示のベースとなった「アーティーカプシーヌ コレクション」が象徴するように、常に時代の空気を取り入れて一歩先のトレンドを提案するブランドの柔軟性によるものが大きいのでしょう。

伝統にしばれられることなく、再生を繰り返してきたビッグブランドの底力に感嘆するほかありません。

LOUISVUITTON&

会期2021年3月19日(金)~5月16日(日)※会期内無休

時間10時~19時(最終入場18時)

入場料無料

事前予約制 ルイ・ヴィトン公式サイト