アーティスト紹介 フランク・ステラ/Frank Stella
今回ご紹介するアーティスト「フランク・ステラ/Frank Stella」は「ブラックペインティング」と呼ばれる黒のキャンバスにカラフルなピンストライプがよく知られた作家です。
さまざまなアートムーブメントで影響を与え20世紀を代表するアーティストであり、BMWアートカーのペインティングを依頼されたこともあります。
前回ご紹介した「カールアンドレ」とはスタジオを共有したこともありました。
この記事を読んでいただくと
- 主なプロフィール
- 代表作
- 作品オークション情報
- アーティスト関連最新情報
などについて知っていただけます。
アートに興味関心のある方にはきっと面白くお読みいただけます。
ぜひご一読ください。
※記事内の写真画像はフリーライセンス画像提供元「Wikimedia Commons」などから引用させていただくこともあります。ご了承ください。
フランク・ステラのプロフィール
幼少期
1936年5月12日米国マサチューセッツ州ボス ト ン郊外で誕生。
医師の父親はイタリア系移民の常として子供に高い教育を志し、ステラはカールアンドレらと名門校フィリップスアカデミーで学ぶ。
青年期/学生時代
すでにフィリップスアカデミー時代にアートに目覚め、プリンストン大学では美術史の学位を取得。
また同時にアートコースを受講しており、教授だった「スティーブン・グリーン」「ウィリアム・ザイツ」らの紹介でニューヨークアート関係者とコネクションを構築。
創作初期
有力者のバックアップもあって早くからアートシーンで頭角を現し、卒業後錚々スタジオを開設。
ジャクソンポロックらに影響を受けるも、抽象表現主義者の荒々しく即興的な表現を嫌い、ミニマリズムの第一人者となった。
「ブラックペインティング」と呼ばれるピンストライプ表現は大きな注目を浴び、MOMAは1959-60年に行われた伝説的展覧会「16人のアメリカ人」数え上げ永久コレクション用に購入。
創作中期
1960年代に入るとピンストライプに曲線を加えた「分度器」シリーズ、アルミニウムと銅を使った表現が高い評価を受ける。
1980年代からはメルヴィルの名作「白鯨」をテーマにした3次元コラージュ作品を多数制作。
創作後期・現在
1999年ノースマイアミ美術館、2007年メトロポリタン美術館で大規模回顧展が開催される。
自立型のブロンズとスチールを多用したパブリックアート作品を多く手掛けるようになる。
絵画から彫刻、そして建築へといまなおフランクステラのアー表現は広がりを見せている。
フランク・ステラの代表作
作品タイトル 「Harran II」
製作年度 1967年
MEMO ステラが自身の表現形式として確立した黒く塗りつぶしたキャンバス×カラフルなピンストライプの進化系。
曲線を導入した「分度器」シリーズの最高傑作として名高く、現在はグッゲンハイム美術館所蔵。
作品タイトル 「Atalanta and Hippomenes」
製作年度 2017年
MEMO 200年代からより自由な表現スタイルとなったフランク・ステラの代表作。
鮮やかな色合いと不思議な造形で、見る人を作品世界に引き込む。
作品タイトル 「3.0CSL(BMWアートカー)」
製作年度 1976年
MEMO アーティストに依頼してボディにペイントを施した「BMWアートカー」のひとつ。
カーマニアとして知られるステラによるこの作品は、ルマン24時間耐久レースほか多くのレースに参戦した。
フランク・ステラのオークション落札情報
作品タイトル「Delaware Crossing」
- 落札価格 13,690,000米ドル
- 落札年 2015年
- オークションハウス サザビーズ
MEMO 黒いエナメルペイントを使って規則正しいストロークで着色。
キャンバスを埋めている単純に見える表現には、従来の「表現する」スタイルを否定し、バーネット・ニューマン「より平らな表面の追求」ジャスパー・ジョーンズ「ターゲット」絵画の影響が見て取れる。
1960年代の同じタイプの作品はどれも10億円を超える。
作品タイトル「Carl Andre」
- 落札価格 3,961,000米ドル
- 落札年 2007年
- オークションハウス クリスティーズ
MEMO 同級生同士でありスタジオを共有したこともあるカールアンドレのいわば抽象表現による似顔絵。
1963年にフランクステラが近しい人をモデルに作成した抽象作品のひとつ。
フランク・ステラ作品と出会える場所
作品タイトル 「説教」
場所 名古屋市美術館(愛知県)
作品タイトル 「リュネヴィル」
場所 DIC川村記念美術館(千葉県)
※展示ローテーションの関係上、ご紹介した作品が常設とは限りません。
事前に美術館に問い合わせされることをおすすめします。
フランク・ステラの最新情報
2021年はフランク・ステラの分度器シリーズを鑑賞するチャンスがあります。
福岡市美術館で開かれる「コレクション展 ミニマルなかたち」では江上計太らとともに「バスラ門Ⅱ(分度器シリーズ)」が展示されるのだそう。
機会があればぜひ訪れてみてください。
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