今まで当コラムでは、ドルや金利の上下動を中心に金相場の予測を展開してきました。
それはそれでもちろん間違いではありませんが、今回は、根源的な意味で金の価値を動かしている要因について説明します。
金価格を左右するさまざまな要因
当コラムでは、過去から現在に至るまで、以下の3つの金の価格構成要因の変動をもとに金相場の予測を展開してまいりました。
すなわち、
【1】ドル
【2】金利
【3】GDP(国内総生産)
です。
【1】ドルが上がれば金の価格は下がり、逆にドルが下がれば金の価格は上がる。
また【2】の金利も同様に、上がれば金の価格は下がり、逆に下がれば金の価格は上がります。
そして【3】GDPは、上昇すれば金も上がり、反対に上昇率が下がったりすれば金も下がります。
これが基本です。
ほかに最近では、人間が比較に基づいて判断をする生き物であるという観点から、マーケットに限らず、広く経済は比較でしか動いていない点に着目して、前年比予測法を紹介しました。
しかし今回は説明するのは、こうした金価格の予測法についてではなく、もっと本来的な意味で金の価格を動かしている要因についてです。
約50年で35ドルから1700ドル!?
金相場がマーケットに復帰したのは、1971年のニクソンショック(ドルショック)後の金自由化以降のことです。
その時、金の価格はわずかに35ドルでした。
しかし、今や1700ドルになっています。
1970年代の日本人の生活水準と今の生活水準を比較すれば、明らかに今の方がよいでしょう。
今では当たり前の洗濯機、テレビ、冷蔵庫が当時は「三種の神器」と呼ばれ、ようやく全世帯に普及したくらいのころです。
それが当たり前になったのは、経済成長のおかげだということは誰にでもわかるでしょう。
参考までに、以下はアメリカのGDPの推移を表したグラフです。

つまり、金の価格が35ドルから1700ドルになったのは、経済が成長したからです。
自然の摂理と金の価値

本来、金というのは、ドルや金利に連動するのではなく、人間が成長していく限り、高い資産にならなくてはいけないのです。
景気がよくなれば円建ての金は円高によって下がり、金利も上昇するでしょう。
ドルの価格の上下動によって金の値段が動く、また同様に金利の上下動によって金の値段が動くというのは、あえて誤解を恐れずに言うのならば、枝葉の要因になります。
人間が本来光るものが好きなように、金は価値が下がらない、人間が豊かになれば自然発光する貴金属がみんなほしくなるものなのです。
だから、人間の生活が豊かになるたびに金が高くなるのが自然の摂理なのです。
逆に言えば、金が下がるというのはロクな社会ではないとも言えます。
金が下がる世の中はロクなもんじゃない!?
以下のコラムでは、年末までのドル建て金価格展望をテクニカルとファンダメンタルで分析し、金は下がると結論づけました。
また以下のコラムでは年末までの円建て金価格の展望について、ドル建てほどではないにしろ下がることになると予測しました。
こうした予測結果から言えることは、これから訪れる世の中はロクなもんじゃないということです。
2000年よりも以前に、6,000円まで行った金が1,000円以下になりました。
それは日本にバブル崩壊というロクなことがなかったからそうなったのです。
経済成長こそが金の価値を高める

ひと度1,000円にまで落ちた金価格が7,000円になって、皆さんは満足ですか?
本当はグラム2万円、3万円を期待しているのではないですか?
そうなるために日本は、中国のように最低でも年5%の成長をしないとダメということです。
2020年の金は7,000円まで行きましたが(コレを公開している際に再度突破!)、これが新型コロナショックを受けての金融緩和・低金利を理由としたもので、決して喜ばしい上がり方とは言えません。
経済成長をすれば金はもっと上がります。
自分たちの実力で1万、2万円、3万というような値段を勝ち取りたいものです。
この記事のまとめ
今回の記事では、金相場がマーケットに復帰した当初の1970年代、35ドルだった金が1,700ドルになった理由は、まぎれもなく経済成長のおかげ。
金に代表される、自ら光り輝くものに焦がれることは人間の本能。
金価格の上昇は、すなわち人類発展の証拠であり、逆に金が下がるような時代は、ロクな世の中でないと言っても過言ではない。
こういう内容の記事でした。
※今回は三話完結です。
コメントを残す