ロシアのウクライナ侵攻開始からひと月近くがたちました。
そんな中、液化天然ガスプロジェクト、サハリン1・2からの欧米石油メジャーの撤退が発表されています。
ロシアがウクライナに侵攻した2つの理由
今回のロシアによるウクライナ侵攻には2つの理由があると考えています。
【1】石油覇権の問題
【2】NATO(北大西洋条約機構)東方不拡大の問題
【2】については、ウクライナの加盟を認めないことでほぼ決まりでしょう。
しかし【1】に関してはまだ終了していません。
EMとシェルがサハリン1・2から撤退へという以下は、樺太にあるサハリン1・2という液化天然ガス事業から欧米の石油メジャーが撤退するというニュースです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN01FDG0R00C22A3000000/
引用元:日本経済新聞
撤退するのはエクソンモービル(EM)やシェルですが、これは奇想天外な行動といえます。
なぜこういったエネルギー生産に欧米や日本、インドなどの企業が関わっているのかといえば「絶大に」儲かるからです。
サウジアラビアの王族があれほどまでにお金を持っているのは、石油があるからに他なりません。
なぜEMやシェルは儲かる事業から自ら率先して撤退するのかという疑問です。
表向きはロシアのやっていることが気に食わないからという理由ですが、企業は儲けるために存在します。
その企業が莫大な儲けがある液化天然ガス事業からわざわざ身を引く必要があるのでしょう。
サハリン1・2と欧米の関係
ウクライナ侵攻の裏で、ロシアのOPEC(石油輸出国機構)支配が明確になってきました。
今までサウジアラビアは盟友のアメリカに増産を頼まれれば、ほかの産油国が反対しても増産しましたが、今いくらバイデン大統領がお願いしても増産しません。
これは以前解説したとおり、石油輸出の盟主がサウジからロシアに移行したからです。
そのロシアの産油地のほとんどは、昔の中東のように欧米の石油メジャーが支配しています。
欧米にはあまり関係がない樺太のサハリン1・2の顧客は日本やインド、韓国、中国などアジアの国々です。
そこでプーチン大統領はとりあえず、アジアの利権であるサハリン1・2の国有化を目指したのでしょう。
まさに石油ショックと同じ!
今後ロシアはシベリアにある東部、西部の油田も国有化を目指してくると思われます。
これはまさしく、1970年代に起こったオイル(石油)ショックと同じです。
オイルショックでは中東の各国が次々と油田の国有化を行い、石油メジャーを追い出しました。
手始めは、欧米の利権ではないサハリンだったのでしょう。
こんなもので済むとは思えません。
なぜウクライナを手放したのか、それは石油の国営化、エネルギーの国営化を阻む目的なのかと邪推されます。
そしてこの事実は、世界のあらゆる資源が買われることになることを意味します。
この記事のまとめ
今回は、ウクライナ侵攻には、エネルギー市場の支配権を確立しつつあるロシアが、石油をはじめとするエネルギー事業の国営化に乗り出そうとしている背景があることを確認。
これはすなわち、1970年代のオイルショックと同じ構造。
上記が本筋の説であれば、世界中のあらゆる資源が買われることになる。
つまり、金は問答無用で買い!
こういう内容の記事でした。
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