今回は、アメリカの景気後退局面が決定的となった7月28日発表の4〜6月期GDP(国内総生産)から、マーケットと金相場の計算を行っていきます。
金の価格構成要因の確認
金の価格構成要因は、
【1】ドル
【2】金利
【3】GDP
です。
では、7月28日に発表されたアメリカのGDP4〜6月期の速報値をもとに、計算していきましょう。
計算で導き出される金価格は?
まず、4〜6月の米GDPはマイナス0.9でした。
ゆえに【3】GDPの値は-0.9になり、その他の【1】ドルと【2】金利の動きを考えればいいのです。
例えば、ドルインデックスの4月1日から6月30日までにいくらの上下動があったかを見ましょう。
https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-DXY/
参照元:TradingView
ドル、金利、GDPの動きを以下に整理すると、
【1】ドルは4月1日から6月30日まで6.42%上昇。すなわち、金の価格に対して6.42%の下方圧力が加わったことになる
【2】アメリカ国債10年物は4月1日に2.3858、6月30日には3.0166で、その差は+0.6308。つまり0.630%の金の下方圧力が加わっていることになる
【3】GDPは0.9のマイナス
これらをすべて足すと、
6.42+0.6308+0.9=7.1408
になり、4月1日から6月30日までで金の価格が7.14%下がったことを意味します。
4月1日の金の価格は1937ドルで、これに7.14の下方圧力なので、計算式は1937×0.9286になり、答えは1798ドルです。
6月30日の金の引け値は1807ドルだったので、やはり金の価格は【1】ドル、【2】金利、【3】GDPで動いていることを示しています。
7月30日から過去3カ月間の検証
GDPの期間で計算する場合は4月1日から6月30日になりますが、7月30日現在、5月1日からの計算も検算してみましょう。
【1】5月1日〜7月30日のドルインデックス騰落は7.12%
【2】5月1日の金利2.9885、7月30日の2.6559で差は0.3326%
【3】GDPはマイナス0.9
上記は金にとって全て下方圧力になるので、全ての合計が金の下げ方になります。
計算
7.12+0.3326+0.9=8.35265月1日の金価格 1896ドル
1896×0.9165=1737
7月30日の金の引け値 1765
となるので、ほぼ近似していることになります。
この記事のまとめ
今回の記事では、7月28日発表のアメリカの4〜6月期GDPを受けて、3つの価格構成要因をもとに金価格を計算してみた。
結果、実際の金の価格が計算で導き出される金価格と近似になっていることから、金価格は自由気ままに動いているのではなく、きちんと3つの価格構成要因を見ながら動いていることが確認できた。
すなわち今後も、ドルと金利とGDPのの日々の動きを総合的に計算していけば、正しい金価格が導き出されるということ。
こういう内容の記事でした。
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