ロッカクアヤコのアートスタイル
表現形式
- 絵画(アクリル立体絵画 段ボールへのライブペインティング)
- アニメーション
表現様式
- ネオポップ
ロッカクアヤコ作品の特徴と魅力
特徴と魅力
ロッカクアヤコ(六角彩子)はファンタジー感あふれるカラフルな画面、そして奇妙な存在感を持つ少女を描いた作品でよく知られます。
主にオランダを拠点として活動を続け、欧米で人気に火がつき、現在ではアジアでも注目されています。
もちろん日本国内にもファンが多く、2019年には国内オークションで1450万円の高値で落札されました。
そしてロッカクアヤコは一切の下書きを行わないうライブペインティングでよく知られるアーティストです。
画材には、筆の代わりに指先、キャンバスの代わりにアクリル板や段ボールが使われます。
いかにもコンテンポラリーアートの旗手らしい斬新な手法ですが、イベントで自然発生的に生まれたのだそう。
訪れる人たちの目を引くために「スピード重視」を優先したことから編み出された技法なのです。
このライブペインティングを追体験するような臨場感が味わえるのがロッカクアヤコのアートの魅力。
そして表現されるのは、色彩豊かな背景をバックに、挑戦的な視線を投げかけてくる大きな目をした少女たちです。
ロッカクアヤコ作風をあらわすキーワードとしてよく使われる
「かわいらしさ」
「カラフルさ」
そして主人公的な役割を持つ少女の無邪気さとは程遠い不機嫌な表情が奇妙に「アンバランスな魅力」を醸し出しています。
それは一見統率されているかのように見える現代社会の痛み、傷口を象徴しているかのようで
見る人に深い気付きをあたえてくれるのです。
評価ポイント
世界的アーティスト村上隆率いる「Kaikai Kiki(カイカイキキ)株式会社」が主宰する「GEISAI 芸術マーケット」で受賞したこと、そして審査員をつとめたフランソア・ピノーや安藤忠雄ほか著名な業界人の目に留まったことが世界にロッカクアヤコの名を知らしめる道筋となりました。
そしてGEISAI受賞同年に、スイスで行われる世界最大のアートフェア「アートバーゼル」の新進作家向けサテライトフェア「volta」に参加したことも、現在のロッカクアヤコの高評価につながっています。
ライブペインティングで描いた100枚以上の絵を完売させるという快挙を成し遂げたことは、ギャラリーやミュージアム関係者が「売れるアーティスト」として認識することに大いに役立ちました。
現在すでに欧米での評価を確立し、着実にアジアのアート下でも存在感を増しています。
実際にオークションでの評価額も2010年代初期から2020年にかけて10倍近い値上がりをマークしています。
さらに近年はマルチプル(シルクスクリーンなど)作品の製作がスタートしました。
そして段ボールよりも劣化に強いアクリル板を重ねて表現する「アクリル立体絵画」にも取り組んでいます。
より多くの人がロッカクアヤコの作品と接するチャンスが広がっています。
ロッカクアヤコのプロフィール
幼少期
1982年千葉県に生まれる。
大人しく無口な少女だったが、自由な教育方針のもとに育ち自由に絵を描くことを楽しむ。
中学入学ごは吹奏楽部でトランペットを担当したことで音楽にも興味を持つ。
同時にアクリル絵具と出会う。
恩師に「本物より生き生きと描く」ことを教えられた。
絵が対象となるモデルを超えることを知り衝撃を受ける。
幼いころから話すことが苦手というコンプレックスがあったため、絵を描いて表現する楽しさを知る。
単身赴任していた父親の赴任先のインドネシアに遊びに行きはじめての異文化体験を経験する。
青年期・学生時代
進学先に選んだ学校が英語に特化した学校だったことから、高校時代は絵を描く余裕はなかった。
卒業後は専門学校でグラフィックデザイン科でイラストレーションを学ぶ。
創作初期
卒業後は就職せずにアーティスト、画家として活動することを志す。
2002年アジア最大級のアートイベント「デザイン・フェスタ」に参加。
客の目を飽きさせないためスピード重視のライブペインティングを行ったときに、「段ボール+ハンドペインティング」という現在の手法を編み出した。
2003年第4回目「GEISAI芸術マーケット(GEISAI#4)」に参加「スカウト審査員賞(http://www.geisai.net/g20/history/g4/winner3.php)」を受賞。
その後単身ニューヨークに渡りバスキアの回顧展に大きな刺激を受ける。
2006年第9回目「GEISA芸術マーケットI(GEISAI#9) 氏」に参加「後藤明男賞(http://www.geisai.net/g20/history/g9/winner5.php)」を受賞。
当時オークションハウス「クリスティーズ」オーナーだったフランソア・ピノー氏や建築家の安藤忠雄氏などの著名な業界専門家の目に留まりヨーロッパに作品を紹介してもらえることになった。
創作中期
2006年スイス・アートバーゼル「volta」に出展。
そのときのライブペインティングでは100枚以上を描き即日完売を記録。
この成功をきっかけとして単身ドイツに渡る。
創作後期・現在
2010年初のアニメーション作品「about us みんなのこと」を発表。絵本「みんなのこと」が題材
2011年オランダ・ロッテルダムのクンストハル美術館で単独個展「Colours in My Hand」開催
2012年スロバキアのダヌビアナ美術館で単独個展「Where the Smell Comes from」開催
2014年からアクリル立体絵画をスタート。「水中に絵が浮かんでいる錯覚を楽しんでほしい」と本人の弁。
2019年オランダのヤン・ファン・デル・トフト美術館で弾独個展「Fumble in colors, tiny discoveries」開催
2020年「アートフェア東京2020」に参加予定だったが新型コロナウイルスの流行により同フェア中止。
ロッカクアヤコの代表作
ライブペインティングで作品を作成することが多いこともあってか、基本的にはタイトルがありません。
例外的にアクリル立体絵画の作品、一部のマルチプル作品にタイトルがつけられています。
「OBSCURA」
段ボールへのライブペインティングからスタートした創作活動は、キャンバス、アニメーションと広がりを見せ、現在はアクリル立体絵画に取り組んでいる。
本作はロッカクアヤコのアクリル立体絵画の第一作。
六角形や正方形のアクリル板にアクリル絵具を使って描き、さらに何枚かを重ねて一枚の絵に構成するという技法。
技法発案は「アディクタム」で、アクリル板は「三菱ケミカル」が提供し、加工は「シンシ」がサポート。
「水色の少女」
段ボールにアクリル絵の具で描く、ロッカクアヤコのベーシックがあらわれた作品。
ロッカクアヤコの市場価格・オークション落札情報
2018年7月14日 SBIオークション 東京
「Untitled」(キャンバス アクリルペイント 130.0×90.0cm)
落札価格:10,695,000円
2019年7月27日 SBIオークション 東京
「Untitled」(キャンバス アクリルペイント 130.3×194.0 cm)
落札価格:14,950,000円
2019年12月5日 マレットジャパン 東京
「Untitled」(キャンバス アクリルペイント 116.5×91.0㎝ )
落札価格:11,500,000円
ロッカクアヤコの作品と出会える場所
軽井沢現代美術館
「Winter in town」ほか
ロッカクアヤコの最新トピックなど
「東京の井の頭公園で手を使って絵を描く女性がいる」
そんな話題の的だったロッカクアヤコは、いまや1000万円を超える価格がつくことも珍しくない人気アーティストです。
また原画をもとにしたマルチプル作品版画(シルクスクリーン リトグラフ 浮世絵)の販売もスタートしこちらも人気を集めています。
現在世界のアート市場は700億ドルに迫る勢い。
欧米を中心としたアート人気沸騰は、アジアにも飛び火しています。
すでに世界でファンを獲得しているロッカクアヤコは、今後も引き続き相場が上昇することはまず間違いないといえそうです。
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