時計界の巨頭として多くの人が知っているオメガ。
高級時計でありながら、若手のサラリーマンでも少し背を伸ばせば買うことができ、プライベートだけでなくビジネスシーンまで幅広く活躍します。
今回は、世界中の人々に愛されるオメガの歴史や魅力、定番モデルなどを紹介していきます。
オメガとは
スイス高級時計に君臨し、人類史においても数々の重要な瞬間に立ち会ったメガブランド、オメガ。
創業当時から精度にこだわり続け、オリンピックのオフィシャルタイムキーパーとして、2030年大会までアスリートの正確なタイムを測り続けます。
またオメガは、これまで摩擦を低減させた「コーアクシャル」や1万5000ガウスもの磁気に耐えられる新ムーブメントなど、常に革新的な技術を発明し、最前線で時計業界を引っ張っり続けている存在です。
もちろん、その魅力は革新性だけに留まりません。
ニコール・キッドマンやミハエル・シューマッハなど、各界の大スターに愛されてきた圧倒的な機能性とデザインを誇ります。
さらにスヌーピーとのコラボモデルやオリンピックモデルなど限定モデルも非常に多く、常に時計好きを刺激し続けるブランドでもあるのです。
オメガの歴史を見てみよう
まずはオメガの歴史を見てみましょう。
オメガの起源
オメガの歴史は、1848年に時計師のルイ・ブランがスイス時計製造業の代表都市であるラ・ショー・ド・フォンに創設した小さな時計工房から始まります。
彼は時計の精度にこだわり、持ちうる最高の技術で時計を作りました。
結果、ブランの時計は瞬く間にヨーロッパ中で話題となります。
ブランの二人の息子が跡を継ぐ
ルイ・ブランの死後、二人の息子が工房を引き継ぎます。
彼らも父の遺志を受け継ぎ、時計の精度に情熱を燃やしました。
その後、工房は企業へと成長を遂げ、1880年には現在も本社を構えるビール(ビエンヌ)に移転。
1885年には初の量産型キャリバーを、1892年には初のミニッツリピーター腕時計を制作した二人は、1894年、時計界に歴史的革新を起こしました。
当時、最高峰の精度や革新的な時間設定方法を備えたムーブメント「オメガ」を発明したのです。
この「オメガ」の絶大な成功を背景に企業名を「オメガ ウォッチ」とし、1900年開催のパリ万国博覧会ではグランプリを受賞するなど、ますます輝きを増していきます。
各界に進出し唯一無二の時計ブランドへ
オメガはスポーツ界に進出しオリンピックのタイムキーパーを務めるほか、気球レースの初の計時を担当する栄誉するなど各界に進出していきます。
1909年には六大陸すべてに商品を共有するに至り、世界的なブランドにまで上り詰めました。
もちろんこの間も精度に対する情熱は脈々と流れています。
1931年にはジュネーブ天文台で行われた6つの試験のすべてで精度記録を打ち立て、1936年にはキュー天文台で行われた精度試験で97.8点/100点の世界記録を打ち立てました。
この記録は現在も破られていません。
そして1969年、オメガの「スピードマスター プロフェッショナル」は人類初の月面着陸に同行しました。
オメガは人類史に残る出来事を見届けた、唯一無二の時計ブランドになったのです。
このようにオメガは時計の新しい世界を切り開いてきました。
常に精度を追求して現在も高精度の新しいムーブメントを開発するとともに、「007」とコラボレーションをしたりと業界の注目の的であり続けています。
なぜオメガはこれほどまでに愛さているのか
ロレックスと並び、世界最高の知名度を誇る高級時計ブランドであるオメガは、なぜこれほどまでに愛されているのでしょうか。
壮大なストーリー性
オメガが愛される理由の一つに、オメガを着けることは、その壮大なストーリーをも背負うというロマンを感じられる点があります。
オメガは人類の重要な場面の傍らに幾度となくありました。
人類が初めて月に向かっている時、宇宙飛行士の腕にあったのはオメガです。
宇宙空間で装備するアイテムには高い耐久性が求められますが、アメリカ航空宇宙局(NASA)は1965年、オメガの「スピードマスター プロフェッショナル」を公式装備品として採用しました。
それ以降、NASAの有人宇宙ミッションすべてに使用されてきた唯一の装備品となっています。
また、オメガの華やかさは宇宙だけに留まらず、海においても歴史的な瞬間に数多く立ち会っています。
伝説のフリーダイバー、ジャック・マイヨールが素潜り世界記録(101m)を成功した際の相棒がダイバーズウォッチ「シーマスター」であったといわれ、世界初の原子力潜水艦ノーチラス号でも「シーマスター」が使われたという話が残っています。
腕に着けているだけで、こうした華やかなストーリー性が思い起こされるのもオメガならではの魅力です。
業界最高水準の精度
オメガは1848年の誕生当時から現在に至るまで、一貫して精度にこだわり続けています。
1939年に誕生した高精度ムーブメント「30ミリキャリバー」は当時高い精度を誇っており、現在も時計愛好家に強く支持されています。
1999年には業界で実質的に初となるコーアクシャル脱進機の発表し、時計はより少ない注油で高い信頼性を発揮できるようになりました。
さらに2000年代に入ると、現代社会の拡大する磁気からの影響に対抗するために新しい時計の心臓部「Si14シリコン製ヒゲゼンマイ」を発表します。
このようにオメガには時計の精度を追い求めてきた歴史があり、そのたゆまない情熱が愛される理由の一つになっているのです。
価格帯
壮大なストーリー性を持ち、業界最高水準の精度を誇るオメガですが、高級時計ブランドとしては比較的安価で手に入れることができます。
20万円台からのモデルもあり、初めて高級時計を買う20~30代の若い層でも選択肢になるのではないでしょうか。
「少し背伸びすれば買える!」という手の届きやすさもオメガの魅力なのです。
オメガを着けるということ
オメガにどんなイメージがあるでしょうか。
「憧れの高級時計」
「ビジネスシーンで見る」
「20代だと少し渋い」
「ジェームズ・ボンドが着けている時計」
さまざまなイメージを持つでしょう。
特に20代、30代の中には「時計に詳しくない人でも名前くらいは知っている高級時計で、なんとなくの憧れ」で買う層も一定数いるようです。
しかし、憧れの高級時計というイメージに加えて、たゆまない機能性への追求やその技術が実現させた華やかなストーリーを理解した上で、オメガの時計を見ていただけたらより楽しくなるのではないでしょうか。
ビジネスシーンでのオメガ
オメガはシンプルで洗練されたオーソドックスなフォルムがほとんどなため、プライベートシーンのみならず、ビジネスシーンでも活躍します。
スーツに合わせる「スピードマスター プロフェッショナル」は、主張は控えめながら袖から覗かせる気品や雰囲気は唯一無二の存在感があります。
着けているだけでなんだか一段上の男を感じることができるでしょう。
また、「スピードマスター」と二枚看板である「シーマスター」もビジネスシーンにマッチします。
例えば「シーマスター プラネットオーシャン」のスポーティーなデザインは、特に青系のスーツに合い、さわやかな印象を相手に与えることができ、見た目ほど重くはないので着けていて違和感も少ないでしょう。
オメガの定番モデル
ここまで読んで、オメガに魅力を感じ始めた人に向けて、歴史と機能を兼ね備えた往年の人気モデルを紹介していきます。
スピードマスター/Speedmaster
「スピードマスター」は、オメガを象徴的するモデルです。
特に「スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ」は人類が月に降り立った際にアポロ11号のクルーが着けていたモデルであり、まさに人類史上でも特別な時計と言ってもよいでしょう。
オメガを着けたいと思ったら、まずは検討したい逸品です。
※「スピードマスター」にはいくつかの派生モデルがあり、その基幹モデルをご紹介しています。
シーマスター/Seamaster
「スピードマスター」と並び1948年に誕生したオメガのアイコン的なモデル「シーマスター」。
イギリス軍が第二次世界大戦中に使用するダイバーズウォッチとしてオメガに依頼した「マリーン」から生まれました。
海中でも時間を確認できるよう無駄な装飾がなく、実用性を突き詰めた先の機能美を感じられるモデルとなっています。
また「007」のジェームズ・ボンドの愛用時計としても知られています。
シーマスターの中でも「シーマスター アクアテラ」は、スタイリッシュで飽きの来ないデザインで特に人気です。
コンステレーション/Constellation
星座の意味を持つ「コンステレーション」は、6時の文字盤の上にあしらわれた「星」と3時と9時をつかむようにデザインされた「爪」が特徴的な女性にも人気のモデル。
デザイン性はもちろん、精度の高さと着け心地の良さも魅力の逸品で、例えば「コンステレーション ピンクシェル」は、派手すぎない上品なエレガントさで大人の女性にピッタリなデザインとなっています。
【番外編】「シーマスター アクアテラ」 東京2020オリンピックコレクション/OLYMPIC GAMES COLLECTION “Tokyo 2020” Limited Edition
新型コロナウイルスの影響で延期になってしまった東京オリンピックですが、実はオメガがオフィシャルタイムキーパーです。
そして、2020本限定で東京オリンピックの「シーマスター アクアテラ」記念モデルを製作しています。
文字盤には東京オリンピックのエンブレムを彷彿とさせるデザインがほどこされ、裏蓋には東京オリンピックエンブレムが転写されています。
まさにオフィシャルタイムキーパーだから製作できたモデルです。
定番のモデルではありませんが、希少性が高く、日本人には記念すべきモデルであるためご紹介しました。
オメガを買うにあたり
オメガを買おうと決心したものの、新品か中古品のどちらにするのか、また正規輸入品か並行輸入品か、迷う人もいるかもしれません。
各々にメリットがあるので、自分に合ったものを買うのがベストです。
新品か中古品か
新品のメリットはきれいなこと、そして今まで誰も着けていないということです。
きれい好きな人にとっては多少高くても新品の方がよいでしょう。
また、時計は着けている人の歴史を刻む重要なアイテムでもあります。
自分一人しか着けたことがないということは、その時計に自分の時間のみを刻むということになるので、とても意義深いものになるでしょう。
一方、きれいかどうかは気にしない人にとっては、購入価格を抑えられる中古品でも良いでしょう。
オメガの中古市場はとても大きく、中古品を買いやすく売りやすい環境が整っています。
もしほかに欲しい時計ができたら、今持っているオメガの時計を売って元手にすることも比較的容易にできるのです。
色々な時計を着けたいと考えている人は、オメガは売りやすい環境が整っているので、価格が安い中古品でも良いかもしれません。
ちなみに売却価格は新品で買おうが中古品で買おうが同じです。
正規輸入品か並行輸入品か
どちらにもメリットがあります。
正規代理店は価格はメーカーが設定している金額になるので、割高感を感じるかもしれません。
ですが、安心感や信頼性、メンテナンスなどアフターサポートは充実しています。
何より偽物である心配が全くないという心理的メリットも大きいのではないでしょうか。
一方、価格を重視し、国内で手に入れられないモデルが欲しい場合は並行輸入品でも良いでしょう。
ただし、メーカー保証を当てにできず、修理を受け付けてもらえない可能性があるなどのデメリットもあります。
オメガは「Tthe 時計」
オメガは人類における代表的な時計(The 時計)です。
オメガを着けるということは、時計の歴史を身に着けると言っても良いかもしれません。
時計界に与えた影響の大きさや抱えるストーリー性を知れば知るほど、敬意を払いたくなります。
繰り返しになりますが、オメガを着けている時は、壮大な時計の歴史を背負っているかのような錯覚すら覚えることでしょう。
オメガの購入を検討している人にとって、歴史や魅力を把握した上で、どのモデルを着けたいか迷うときほど贅沢な時間はないのかもしれません。
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