ステイホームの今、学校は休校になり塾も禁止、親はテレワークという状態です。
今回は、金価格を一旦おいて、子供とお家にいる時間が長くなった今、子供とのふれあいや教育についてデータに基づき話していきたいと思っています。
記憶力は年齢とともに下がる!?
よく「40歳を過ぎたあたりから記憶力は下がる」などと宣う専門家がいますが、実は全く違うようです。
実際の研究、調査によれば記憶力は本人の努力と活力次第でたとえ90代になっても上昇しています。
年齢と共に知識を【利】と勘違いし、努力・進歩を怠っていく結果なのか?と思える結果です。
普段から「年齢とともに記憶力が悪くなっている」と言っている人たちには衝撃な内容だと思いますが、これは事実が指し示すことです。
データに基づかない教育が跋扈している現状
かつては、テレビを見すぎると勉強をしないとよく言われました。
現代ではこれがゲームやスマホに置き換わっています。
一方で、ゲームやスマホを止めるとお子さんの学力は本当にアップするのか?という命題を考えている人は非常に少ないです。
答えを先に言えば、学力とゲームには相関関係が出ません。
むしろ、ゲームやスマホの時間が全くない子供より、毎日1時間程度やっている子供のほうが相対的に学力が高いというデータが出ています。
テレビやゲーム、スマホは有害ではなく、適度に行えば反対に学力アップになることが証明されているのに、なんとかの一つ覚えのように「スマホやゲームをやってはいけません」なんていう親御さんをよく見るのは気のせいでしょうか?
ゲームは1日1時間?
ここに問題を出しましょう。
ゲームを毎日2時間やっているお子さんを『やり過ぎだ。勉強してない』として、親御さんが「今日からゲームは1日1時間」と命じたとしましょう。
この時に考えることは『ゲームをやる時間を減らす』事だけにスポットが当てられます。
しかしこの時に『お子さんの学習時間が何時間増えるのだろうか』と考える事はあるでしょうか?
そして学習時間が実際に1時間増えるお子さんがいらっしゃたら、それは相当に優秀なお子さんをお持ちだと考えますが、実際には回答は平均で男子で6分、女子で14分しか増えません。
つまり、日常生活の乱れが起こるほどゲームをやるのは問題ですが、適度な時間行うことはストレス解消になり、案外学習効果の向上に繋がっているようなのです。
その適当な時間とは平均で1時間から1時間半程度と言われています。
このようにデータに基づきいろいろな問題を考えていくと、日本の教育は間違いだらけの認識を抱えているのです。
学力試験にまつわる不思議な現実
学力試験の全国平均は福井県などが毎年上位にきますが、通常で考えれば教育に時間やお金をかけられる東京都や神奈川県が上位にくるはずです。
しかし、実際には福井県が上位にくるのは、この全国の学力テストはあくまでも公立校を対象としたもので、学力の高い私立はほとんど参加していないことに要因があります。
私立も参加できるので、この学力テストで全国上位に入ればいい学校の宣伝になるはずですが、なぜだか参加をしていません。
多分、私学の関係者自体が、宣伝のつもりが実際には広告の邪魔になる可能性があると考えているからでしょう。
日本でデータに基づく教育が行われない理由
さて、この学力テストの結果、法律的な理由で文部科学省は発表しません。
文科省およびお抱えの学者だけにしか公表されていないのです。
そして、このデータは文科省の教育行政の指針として活用されています。
このように、文科省からは個人情報保護という名目で教育関係のデータが公表されていません。
このような制度が日本でデータに基づく教育制度が行われない理由になります。
そのほか少人数教育や教員の質、いじめ、不登校の問題でも世間一般の理解とデータが真逆のことがよくあるのです。
しかし、データを公表していないことから、認識の間違いが訂正されないまま日本の教育が続いています。
親御さんたちの大きな勘違い
親御さんの中には、ひどい勘違いしている方が非常に多くいます。
子供たちが一日の中で過ごすことが一番多いのは学校、だからよい学校を選ばなければいけないと考えることが今の中学受験ブームなのでしょう。
しかし、よくよく考えてください。
子供たちが一番過ごす時間が多いのは学校と家庭です。
そして、共働き世帯が増えた現在、ほとんどの親御さんが学校に教育を丸投げしているのが実情です。
学校とは学力をアップさせる機関と考えると、受験対策や問題の解き方を教える機関とも言えます。
しかし、人としての生き方を教えるのは、学校もその一部を校則などによって担いますが、ほとんど家庭にあるのです。
子供にニンジンをぶら下げるのはよいか
さて、子供にニンジンをぶら下げるのはよいのか悪いのかという命題があります。
これは非常に簡単で、達成できる目標であればいくらでもニンジンをぶら下げたほうがよいというデータがあります。
例えば以下2つでどちらが達成率が高いと思いますか?
- 毎日お家で勉強をしたら100円のお小遣いをあげる
- テストで100点をあげたら1,000円をあげる
言うまでもなく、【ただ勉強をすれば良い】という前者のほうが達成率は高くなります。
反対に後者は低い理由は【100点を取るためにはどうすればよいのか】という回答をほとんどの小中学生が持ち合わせていないからです。
そして肝心の親自体がテストで100点を取る方法がわからないという点も命題にあります。
やり方がわからないから、本人は意欲的にやろうとしても不達成となり、結果的に社会に出てニンジンをぶら下げられてもやらない社員が多くなります。
このような成果報酬を出しても、子供は「どうせできっこない」とあきらめやすく育つのです。
やり抜く力を身に着けさせるということ
たった1時間勉強をやるということは、その達成力を試すことになります。
子供にだって様々な事情があり、その日は疲れていたり体がしんどかったりするのは大人と同じです。
やれない理由を探して成果を受け取らないという選択もありますが、そういう人間が社会に出て信用されるのかの問題です。
ましてや報酬がほしいためにウソやデタラメをやることで信用が生まれるでしょうか?
家庭でやるべきこととは、どんなことがあってもその課題をやり抜く力を身に着けることであり、ひいては継続力になるのです。
今日やれない理由など無限にありますが、それを否定してでもやる子供が将来どういう大人になるのかを良く考えてください。
基礎となるのは家庭での学習
学校では、基礎学力やテストの点数はどうやれば上がるかを教えてくれます。
しかし、その背景の基礎となるのは家庭での学習です。
その家庭学習の目的がテストで100点を取ることになれば、プロセスを全く無視することができるようになります。
結果さえ出せばいいのですから、一部の天才はそれでいいでしょう。
でも、ほとんどの人は努力もなしに成果を得られないことをよく知っています。
元プロ野球のイチローのように、毎日陰ながらのルーティンワークの積み重ねによって得られるのです。
学校ではその課題を宿題によって達成しようとしますが、それを意地でもやらせるのは親の役目です。
しかし、それをやらないで放置をしている親御さんが多くないでしょうか?
特に中学に進学するあたりから、そのようなことを言い出しにくくなる親御さんが多いようです。
この結果、地道に努力することでしか成果が得られないということを教育されていない子供が今の世の中に増殖しているように思います。
大事なのは非認知能力
20歳そこそこの若者が「そんなの非効率的だ」「コスパが悪い」なんて言うのをよく耳にします。
しかし、効率的にやって得られる成果などわずかなものだと知っている大人から見れば、愚言にすぎません。
地道な努力、ウソをついてはいけない、やりきる力とは非認知能力と言い、数字では表現できません。
現代人の特性として、テストでいい点数をあげて、いい大学からいい企業に入る方法論はくさるほどあります。
一方で、ルールは守るけど人を傷つけ、最悪だましてでもお金を儲けて身を滅ぼしている人や会社もたくさんあります。
こういった継続的に努力する姿勢とは、数字などによってなかなか可視化できません。
子供が成人したときにはそれなりに社会で信用を得、それなりの収入を得ることが親としての願いではないでしょうか?
我が子がかわいいと思うのであれば、まず親自身が継続性の大事さ・ルールの大切さ、そしてやり抜く力の重要性を教えてください。
ステイホームの今だからこそ
現在コロナ、コロナの世の中ですが、逆に子供との触れ合いによって大人としての継続性や誠実さ・やり抜く力を示す絶好の機会にもなるでしょう。
世の中には「ゲームをやっちゃいけない」「スマホをやっちゃいけない」というようなデタラメな教育論がはびこっています。
お金を稼ぐことは悪いことではありませんが、それによって周囲に迷惑をかけたり人を傷つけるような子供が立派な大人になるのか、このようなことは家庭で躾ける他ありません。
いい機会ですから、家庭で自分なりの考えをお子さんに伝え、親としての背中を見せる機会にして欲しいものです。
そしてこう書いている僕は、自宅の子どもたちにはどう見えているのでしょうか。
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