今回は、金相場にも関係のある株式市場について、目下バブルの最中であるという事実を説明し、今後の金価格の展望についても解説します。

ISM製造業指数を見る

下記のグラフは2020年6月1日に発表されたアメリカのISM製造業指数です。

参照元:TRADING ECONOMICS

この指数は景況感指数といい、50を好不況の境目として製造業の経営者、購買担当者にアンケートを送付し、回答を集計したものになります。

すなわち50以上は好景気、50以下は不景気ということです。

景況感指数は日本では日銀短観(3ヵ月に一度の発表)、欧州と中国ではPMI(購買担当者指数)が有名になります。

リーマンショック以降これら景況感指数が注目されるのは、マーケットの先行指標、つまり株式相場に先駆けて上下するからです。

上記のISM製造業指数は新型コロナが発生した2月に50を割り込み、3月から4月にかけての感染拡大で大きく落ち込んでいます。

すなわちほとんどの経営者、購買担当者は景気が悪いと感じているのです。

ISM製造業指数と株価の関係

ISM製造業指数に株価(ダウ工業株平均)を足してみましょう。

参照元:TRADING ECONOMICS

ご覧のように、2018年までは青いISM指数と株価はリンクしていました。

ところが、2019年はISM指数は低下しているのに対し株価は上昇しています。

つまり、新型コロナ前まで株価は圧倒的なバブル相場だったのです。

ゆえに本コラムでは新型コロナの発生当初、アメリカの株価は高すぎる、新型コロナで経済被害が出るのは確実なので暴落すると指摘していました。

そして、その通りの結果になったのです。

アメリカ経済失速の元凶

新型コロナの初動ミスを隠すために中国や前大統領のオバマバイデンらのせいにしているトランプ大統領だが…

この主たる原因がトランプ大統領にあると指摘する人はほとんどいません。

トランプ大統領が何をしでかしたかといえば、2019年の秋からアメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)に命じて金利を下げさせました。

金利が下がれば株価は余計に上昇し、割高水準のところに新型コロナが発生して経済が破綻という状況になれば自動的に下がります。

そして、当然金の価格も暴落します。

トランプ大統領は去年まで「自分のおかげでアメリカ経済は好調」と放言していましたが、実態は悪く、その経済を延命させるために金利を引き下げさせました。

そして、今回の新型コロナで「しょせんかぜみたいなものだ」と対応を誤りました。

ただし、そもそもこのアメリカ経済の失速は、トランプ大統領が無茶な経済運営をした結果であり、新型コロナの初動ミスが原因ではありません。

無茶苦茶な経済運営が新型コロナの経済への被害を最大限にさせたのです。

今もバブル経済になっている!

上記のISM製造業指数とダウ工業株平均の相関グラフを再掲します。

参照元:TRADING ECONOMICS

2020年の話をしてまいりましょう。

先ほどご説明したように3月から感染拡大が始まり、都市封鎖などが始まったので、4月に過去5年間でISMは最悪な数字となり、5月は若干数字を戻している状態になります。

株価のほうは2020年2月にピークの値段を出し、翌3月に安値を出しました。

この値段は高値から30%近くも売られており、実際に今出ている数字を分析してもそれほど経済は悪くなっておらず、現時点で計算しても4〜6月期のGDPは10〜15%程度が妥当なところです。

ゆえに株価は15%程度売られ過ぎたのであり、NYダウの安値1万7000ドルとすれば、株価の適正値とは最大で2万ドル程度が妥当な値段になってきますが、現在2万5000ドルも買ってしまっています。

そうです、2019年の株価が高すぎたのと同様、2020年の現時点の株価も20%以上高い状態になっているのです。

バブルというのは、割高な状態が自然の摂理で修正されるものです。

例えば、地球温暖化というのは地球上で大量に火を燃やせば温度は上昇しますが、火が消えればもとの温度に戻るはずなのに戻らないというのが地球温暖化の説明になります。

つまり、自然の摂理通りに動けば、株価や金価格はまた崩落することになるのです。

予想外のことが起こると…

アメリカの新型コロナ死者数が世界最多となった2020年3月下旬のニューヨーク、マンハッタンのタイムズスクエア周辺の様子

今後の展開は、前回のバブルを参考にすればよいでしょう。

今回の新型コロナウイルスは当初、弊社を含めて影響は限定的だという見方が支配的でした。

これは過去の鳥インフルエンザ、SARS、MERSなどが大きく感染拡大しなかったためです。

ところが思いのほか早く世界に感染拡大し、重症化するとその致死率が異常に高くなりました。

つまり、こういった予想もしえなかった事件が発生すると、マーケットは大暴落します。

例えば、リーマンショックはフランスのBNBバリバがサブプライム証券で大きな被害を出しても軽微な影響しかありませんでしたが、9月にリーマンブラザーズが倒産するとあっという間に世界に被害が広がりました。

新型コロナは大した被害ではないという見方が支配的でしたし、リーマンブラザーズが倒産するなんて当初誰が思ったことでしょう。

今後の株価と金価格の展開

4〜6月期のGDPの発表を契機に株価は暴落する!?

あってはならないことですが、こういった意味では新型コロナの第二波はある程度想定済みの事態になります。

よってコロナの第二波によってマーケットが暴落することにはならないでしょう。

そうなると、もともと悪い経済なのですから、相当悪いニュースではないと高すぎる相場は訂正されないことになります。

そんな中、経済統計の世界では確実に悪くなるものがあります。

それが4〜6月期のGDPです。

多少時期のズレがありますが、4〜5月はほとんどの世界の経済は機能停止状態で、その間のGDPは当然悪くなります。

発表はアメリカが7月末、日本は8月15日前後です。

この数字が悪くなるとわかりきっているのに、マーケットは株価を買い、金もまた買っています。

こんなおかしなことが長くは続かないだろうというのが弊社の見方です。

金価格と株価には相関関係が観察されるので、株価が下がれば金も下がるでしょう。

バブルの崩壊は目の前にあります。

金をお持ちの方は、そろそろ売却の時が近づいていることを認識してください。


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