次回GDP発表後に株価が下がっても景気は悪くはない

2020年6月12日のアメリカ株式NYダウは史上4番目の1800ドル超の下げとなりました。

この下げは前回の記事でアメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が必要以上にドル安を強調し、株の値上がり以上にドルの値下げが起これば株価は下がると喝破した通りの展開でした。

今回はこれからの株価の展望を予測しながら、次に株価が下がっても決して景気が悪いということではないという点を説明していきます。

株価はGDPの通りに動いている!?

株価は以前当コラムで紹介したようにGDPの通りに動いています。

なぜ金価格は下がる可能性が高いのか!?

例えば、今期4〜6月期の株価の高値は2万7300ドル前後と出ていましたが、この発表があった時にNYダウは2万ドル前後であり、感染の拡大が収まらない時に2万7000ドルまでいくとは到底思えないような状態でした。

ところが弊社が高すぎると叫んでいた株価は、先物で高値2万7636ドルを出して反落です。

GDPによると、この高値から下がる価格は2万4450〜2万4600ドルと出ており、さらには2万1560ドルという数字も出ています。

2万ドル前後のとき2万7000ドルの株価を想像できないように、今回の下値目途2万1560ドルも信じることができませんが、おそらくその辺までの可能性があると見ていいでしょう。

日経平均は?

日経平均が1万円台に再突入する可能性はあるのか!?

日経平均株価の場合、上値目標が2万3010円だったものが先物で2万3305円まで行って、現在2万1000円前後です。

同様に下値目標は2万900〜2万1350円、1万8860円となっています。

2万900円前後であれば想像できますが、さすがにまた1万円台の1万8860円は想像できません。

しかし、そうは言ってもありえない値段であるダウ2万7300ドル、日経2万3000円を少し凌駕したところで株価は転換しています。

2020年4〜6月期GDPはどうなる?

2020年4月、緊急事態宣言発令後、人影もまばらとなった秋葉原駅の駅前

現在発表されているGDPは日米ともに2020年1〜3月のものです。

4〜6月期GDPは現在6月ですので発表されていません。

この4〜6月、4月は新型コロナウイルスの感染拡大、5月は感染のピークアウトです。

1〜3月はさほどコロナは感染拡大しておらず、影響をモロに受けたのは3月のみですが、4〜5月ほどは悪くはありませんでした。

そうすると、来期4〜6月期はもっとGDPが悪くなる可能性が高いといえます。

となると、上記に挙げた下値目標を下回ってくる可能性があるということです。

当コラムで新型コロナで株価や金が暴落すると書いた予測は、GDPを基本にしたことを考慮すれば、この考えを無視するわけにはいかないと言えます。

金の価格はどうなるのか?

4〜6月期GDPは新型コロナの影響をモロに受ける

金価格の変遷は【1】ドル、【2】金利、そして最近になって【3】としてGDPを挙げています。

今までの説明ですと、アメリカの金融政策会合であるFOMC(連邦公開市場委員会)にて金利安とドル安を改めて確認しました。

FOMC明けの6月12日、週明け6月15日は金利も下がり、ドルも下がっていますのでFOMCの言うことをマーケットが聞いていることを判断できます。

ゆえに6月12日の金価格の入電は上昇しました。

しかし、【3】の項目として金の価格がGDPと相関するのなら、4〜6月のGDPが一般的に言われるように30%が下がれば、上値が1730ドルと仮定した場合、その3割減の価格ですから519ドルを引いた価格、1211ドルが下値目標になります。

ただし、弊社の予測ではGDPの下げは10〜15%程度でしょうから、1557〜1470ドルくらいが今回の下げになるのではないでしょうか。

ドルと金利の金価格への影響は!?

今こそ金の売りどき!

『ちょっと待て、その前に金の価格動意条件の【1】ドルと【2】金利が含まれていないじゃないか』と指摘する方もいらっしゃるでしょう。

これはまず【2】の金利でいえば、そもそも今がゼロ金利であり、これ以上金利が下がりようがないわけで、仮に下がったとしても0〜0.25が誘導目標金利ですから最大で0.25です。

ドルの変動に関してもドル価格のピークから2%程度しか下がっておらず、GDPの10〜15%には太刀打ちできません。

ゆえに上記で1557〜1470ドルが目標になるといっているのに対し、2%上値を上げればいいのです。

その結果は1588〜1499ドルになります。

そして新型コロナの第二波が10月からあった場合には、またGDPが下方修正されるでしょうし、なければ上方修正になるでしょう。

こうやって考えていくと、金の将来の価格の目途が立ちます。

いずれにしても今年の場合、もう株価も金の価格は上がりようがないというのが弊社の相場観であり、これはプラチナ(白金)やパラジウム価格にも影響されるでしょう。

金の売却を行うのは今がチャンスだと考えています。

景気は悪くならない!?

2020年6月5日、緊急事態宣言が解除され、人影が戻った渋谷駅前のスクランブル交差点

皆さんは、株価が経済の実態以上に上昇しているときには「こんなに経済が悪いのに株価が上がるのはおかしい」と言うのですが、株価が下がっていると「これから経済が悪くなる」と叫びます。

あらゆる点で矛盾していますよね。

株価が正常な動きではなかったから株価は上昇した、それを今訂正する動きであれば景気が本当に悪くなるのでしょうか?

もちろん、株価が安くなると消費者の購買行動は弱くはなりますが、これだけお金をばらまいて、物価が上昇しないのであれば勝手に購買はついてきます。

売れていないというのはおそらく感覚だけの話であり、実際は予想以上に売り上げは上がるでしょう。

もちろん、新型コロナの感染拡大がないという前提条件つきの話にはなりますが…。


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