金に関して、以下のような記事を目にしました。
そこで今回はこれを検証する意味も含めて、金投資の基本について改めて解説したいと思います。
年金資金が金を買う!?
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/29243?page=4
引用元:楽天証券
上記の様な面白い記事を目にしました。
…何で年金資金が金を買うのでしょうか。
確かに年金基金の運用総資産19.5兆ドルの1%でもポートフォリオとして金投資に振り分けたとしたらインパクトは大きいかもしれません。
ただその根拠はどこにあるのでしょうか?
単純に金ETFの現物保有量の同額程度が少しでも振れたら巨額になる=だから「金は買い」?
もう一度、金相場の基本的な動きを解説します。
そして、その後に冒頭に挙げた記事を読んでみてください。
金の基本【1】ドル
緑の線がドル建て金価格で左軸、青線がドルインデックスで右軸、1972年のニクソンショック以降になります。
これを見れば一目瞭然ですが、青のドルが下がったときに金の価格が上昇し、逆に青が上昇したときは金の価格は下がっています。
2008年のリーマンショックで金が上昇したのはドルが下落したからです。
その後、ドルが上昇したときに金の価格が下がっています。
現在、ドルが安定的なのに金が上昇しているのは、次の説明に続きます。
金の基本【2】金利
緑の線がドル建て金価格で右軸、青線が米10年債利回りで左軸、1970年からになります。
2000年以前は金利と金の相関性はありませんでしたが、2000年以降、つまり9.11テロ以降は金利が下がるたびに金の価格が上昇しているのがわかります。
今回、金利が史上最低(青)になったときに、金の価格(緑)が最高値になっています。
上記のグラフを以下の通り6ヵ月にスケールアップすると、青の金利が最低になったときに金の価格が最高になったのはわかります。
つまり、今の金価格は金融緩和によって上昇したのではなく、低金利によって最高価格を示現したのに、金の専門家と称する人たちは「金融緩和のせい」、「この金融緩和は当面続くのだから金は高い」と言うのです。
ところが当コラムでは、低金利だから上がったのだと説明しています。
8月の最低金利よりも現在のほうが青の線は高いので金利は上昇しています。
ゆえに金の価格は下がっているのだ、と言っているのです。
当コラムでは、低金利は長くは続かないからもう金の高値はない、下がるのが必然と言っているのです。
金の基本【3】GDP
下記のグラフは、上が1970年から2020年までのアメリカのGDP総額、下がドル建て金価格です。
アメリカの成長=GDPの上昇に合わせて、金価格が上昇しているのが見て取れるでしょう。
2000年以降にアメリカの成長が加速したら金の価格も上昇し、2008年のリーマンショック以降に成長が鈍化すると金の価格も軟調に転じています。
今回はGDPに灰色の数字で予測が出ていますが、マイナスになる可能性が高いので、金の価格も下がるでしょう。
【1】と【2】と【3】を総合的に考えると
上記で挙げた【1】〜【3】の数字を分析して、
【1】+【2】+【3】=金の価格
になるわけです。
例えばドルが50%高、金利が50%安、GDPが変わらずであり、金の価格は上記の数字が前年比の数字であれば、変わらないという状態になります。
この記事のまとめ
今回の記事では、金投資の基本に立ち返り、3つの金の価格変動要因、ドルと金利とGDPについて、それぞれ金との関係性を検証し、これら3つを組み合わせて考えると、必ず合理的な値段が算出されることを確認。
今の金価格の高騰は金融緩和が原因ではなく、世界的な低金利にあると喝破。
そして、現在この3大要因を勘案すれば、金価格は下がると予想。
こういう内容の記事でした。
これらをきちんとマスターすれば、その辺のプロと称する専門家よりも当たるはず!
おそらく日本、いや世界で一番まともな金価格の解説をしているのが当サイトだということがおわかりになるでしょう。
なぜなら、基本を押さえているのだから!
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