11月9日は米大統領選挙の結果がほぼ確定したこと、そして新型コロナウイルスの予防薬がファイザーから開発されたということで株価が急騰しました。
その中でドル建て金価格も1960ドル近辺から1860ドル近辺まで約100ドル急落。
しかし、この急落は前回のテクニカル分析の記事を理解していれば予見できたことです。
マーケットを動かす3つの要因
以下が前回のテクニカル分析になります。
さて、ファイザーの新薬承認で急騰した今回の株式相場に意味があると思っている人が過半ではないでしょうか。
その前にマーケットを動かす要因には3つの種類があることを説明します。
この要因は何も金や株、為替に限った話ではなく、すべて同じです。
すなわち、
【1】ファンダメンタルズ要因
【2】テクニカル要因
【3】内部要因
になります。
今まで【1】と【2】に関しては解説してきましたが、【3】に関してはあまり述べていません。
これには理由があり、現在のマーケットおよび取引所から発表されるデータでは内部要因の分析はできないからです。
ゆえに若い方になるほどこの内部要因分析ができません。
一方、相場歴が長い人はきちんと理解していれば分析ができます。
それは2000年以前だと内部要因、つまり誰が売って誰が買っているかが取引所から発表されていたからです。
詳細は省きますが、今回の株価の急騰は内部要因に帰するものになります。
内部要因で分析すると…
実際、何が起こっていたのかと言えば、売り方の踏み上げ催促相場でした。
難しい言葉が続きますが、大手の売り方が損のポジションを抱え込み、内部要因的にはこういう人たちを狙い打ちにします。
大手の売り方がもう耐えられないと言って手仕舞うのを買い方が催促していたのです。
ですから、今回の株価の急騰には何も意味がありません。
日本時間11月9日の月曜日から売り方を踏ませるために買い方が買っただけの話です。
NY時間になってドル円や金が急騰、急落を始めましたが、その間まだ売り方が踏んだ形跡がありません。
つまり株価が上昇しているからと言って景気が回復しているいわけではなく、簡単に言うと仕手戦ということが言いたいのです。
この大手の売り方が踏んだら、おそらく株価は急落します。
今回の株価急騰は蜃気楼
ファイザーの新ワクチンを米国保健局が承認したということはそれなりの効果があるのでしょう。
しかし、これで新型コロナ患者が減って経済に効果が出るのは今後の話。
まだ効果は未確認ですので動きようがありません。
日経平均やNYダウも新値を更新しましたが、その値段で日経が去年の同時期と比較して5%高いのです。
これは去年よりさらに景気が5%よくなっている意味になりますが、ほとんどの人が違和感を覚えるでしょう。
つまり日経の新値など蜃気楼、米大統領選でレッドミラージュと言われた現象と同じこと。
金もそれにならった動きになるでしょう。
詳細は以下をご覧ください。
11月9日から10日にかけての金の値動き
以下の4つのグラフをご覧ください。
まずは10月と比較した金価格です。
次に3ヵ月前と比較した金価格になります。
そして、6ヵ月前と比較した金価格。
最後に1年前と比較した金価格になります。
まず、一番下のグラフから解説します。
1年前と比較して、実は11月9日の日中は35%買われました。
最高値を記録したときは40%以上買われましたが、それ以降は去年と比較して35%以上買われると必ず売られた、すなわち自動的に売りということになります。
そのほかの1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月もすべてこれ以上買えないことを示しています。
これだけ揃えば勝手に売りになるということです。
今後の金相場の展開は?
例えば上記の1年前のグラフだけでは27%程度は売れないことになっています。
これをいつもの10と30や1000-1500、3000-3500のテクニカル分析で考察してみましょう。
下記はドル建て金の1000-1500、3000-3500の足になりますが、11月9日の時点でいずれ3000まで落ちるのはわかっていました。
つまり35%以上高くなった時点でどこかで下がるだろうと予想し、それは従前のレジスタンスであった3000の1965ドル近辺だろうというのは急落前からわかっていたことになります。
では、ここからどうなるのかと言えば、再び1年比で35%高まで買われるでしょう。
急落だったのでその上げ足はゆっくりかと思います。
なぜなら、3000の足が30分のときと同様に下に向き始めるのを待っているのです。
その間は25〜35%の間を行ったり来たりするだけだと予測します。
そして、3000が横向きから下向きに変化した時に再び暴落するわけです。
その場合は4時間の3000が抵抗ラインになるということは言うまでもありません。
そして、最終的に日足の3000が下向きを始めれば相当な急落になるでしょう。
この記事のまとめ
今回の記事では、11月9日の株価の急騰および金相場の急落はテクニカル分析で予見できたこと。
すなわち11月9日に金が前年比で35%買われたが、このように昨年と比較して35%以上買われた場合は必ず売られるのが通例だった。
ここからは再び前年比35%までゆっくりと金が買われ、25〜35%の間を行ったり来たり。
そこからのテクニカル的な急落のサインは、日足チャートの3000が下向きになること!
こういう内容の記事でした。
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