金の進化系がビットコインをはじめとする仮想通貨になると主張している人が多いです。
果たして本当にできるかという問題が、バイデン次期政権になって仕切りに言われます。
実は、そういったリプレイスメントが起こった商品があります。
それは、原油ないしは灯油から天然ガスという暖房エネルギーの転換です。
灯油とヒーティングオイルから天然ガスへ
昨今話題の地球温暖化問題では、二酸化炭素の排出量を抑えるために燃やせば炭素が出る灯油に対して、天然ガスは数段、二酸化炭素の排出が少ないという理由から、欧米では灯油、ヒーティングオイルから天然ガスへの置換が進んでいます。
よくヨーロッパで冬場にロシアからのパイプラインが閉鎖される可能性云々が問題になりますが、これはヨーロッパ社会の暖房エネルギーがすでに灯油から天然ガスに置換されていることを意味します。
アメリカも同様で、灯油で暖房エネルギーを賄っている家庭や職場はもはや殆どなく、その殆どが天然ガスです。
この背景には、シェールガスの採掘があることは間違いありません。
天然ガスが暖房エネルギーの主流になった理由
こういったことが促進される理由は、まず天然ガスと灯油の価格を比較した場合、天然ガスの価格がシェール革命によって大きく下がったことが挙げられます。
そして、オバマ前大統領やバイデン次期大統領のように環境政策を売りにする民主党政権がアメリカに誕生すると、忘れていたかのようにそういう話題が沸騰するのです。
アメリカの民主党は環境政策が売りであり、対する共和党は環境保護など知らないという態度になります。
なぜこのような対立が起きるかと言えば、環境問題、特に二酸化炭素の排出が本当に地球温暖化を促進する効果があるのかということが証明されていないからです。
ここで覚えておくべきは、環境問題はアメリカで民主党政権が樹立されたときに話題になるということです。
例えば今、EVメーカーのテスラの経営者、イーロン・マスクが注目されています。
天然ガスと暖房油の値動きの関係性
話を灯油から天然ガスへの移行に戻しましょう。
以下のグラフは青が天然ガス、緑が暖房油の価格です。
2008年にオバマ政権が発足した前後にシェール革命が起き、それまで同じ動きだった暖房油と天然ガスが、天然ガスが下がると暖房油が上昇という形に変じました。
ファンドは天然ガスはシェール革命によって増産が期待できるので、常に売りポジションを維持したのですが、灯油は供給不足が懸念されているので、常に灯油や原油を買いポジションに維持しました。
結果、天然ガスと原油、灯油の価格差は拡大したのです。
そして、実際に社会が天然ガスに置換されたことがこれに拍車をかけました。
こうした転換は、オバマ前大統領の功績と勘違いする人が多いでしょうが、仮にトランプ大統領であっても勝手にそうなったでしょう。
なぜなら天然ガスのほうが圧倒的に安いのですから、政府が言わなくてもそうなります。
金とビットコインの値動きの関係性
こういったことを考えた上で、次に金とビットコインです。
果たしてリプレイスメント出来るのでしょうか。
下の図は青がゴールド、緑がビットコインになります。
一見、金が上昇すればビットコインも上昇するという相関関係にあるように見えますが、直近の動き、下記の2021年1月6日から1月14日近くまでの1週間の動きを見てみると…。
青の金が下落すると緑のビットコインが上昇するという関係になっていることが観察できます。
これは上記の暖房エネルギーの置換と一緒です。
金とビットコインの場合、ブラックロックの経営幹部が「これからビットコインやそのほかの仮想通貨が金に取って代わる」と発言したことをきっかけに、ファンドのポジションが一斉に金売り-ビットコイン買いになりました。
ゆえに、金が下がればビットコインが上昇するという関係性が構築されたのです。
金の価格構成に新たな要素が加わった!
以上を踏まえると、今までは、
【1】ドル
【2】金利
【3】GDP
をよく観察すれば金の価格を見通すことができたのですが、今後は限定的に、
【4】仮想通貨
の価格も見なければならないことになります。
理由は、ファンドが金売り-ビットコイン買いのポジションを組んでいるからです。
ファンドがビットコインの買いを増やせば、金の売りも同じ量だけ売りを増やし、反対売買も同じだからです。
この記事のまとめ
今回の記事では、ブラックロック幹部の「これからビットコインやそのほかの仮想通貨が金に取って代わる」発言に端を発して、ファンドのポジションが金売り-ビットコイン買いに変じた。
ゆえに今までの金価格変動要因【1】ドル、【2】金利、【3】GDPに、限定的ではあるが【4】として仮想通貨が加わることになった。
今後はこういう点にも注意して、金投資に挑まなければならない。
こういう内容の記事でした。
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