ウクライナ情勢と原油高、金価格のゆくえ

日々暗い影を落とすウクライナ情勢に心を痛めている人は多いでしょう。

今後どうなるのかについて、原油高や金価格のゆくえを交えて説明します。

バイデン大統領、プーチンを「人殺し」と罵る

以下の記事にあるように、バイデン大統領がプーチンロシア大統領を「人殺しの生粋の悪党」と罵倒しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220318/k10013538841000.html

引用元:NHK

バイデン大統領は、就任直後の雑誌のインタビューでもプーチン大統領を「人殺し」呼ばわりしており、今回で2度目です。

ただし実際は、オバマ政権の副大統領時代から10数年来、バイデン大統領はプーチン大統領に対してこう言い続けています。

本来バイデン大統領は会った人に対して満面の笑みを浮かべ、その人にまつわるさまざまな逸話を話して魅了する人であり、決して常に悪口を言うような人間ではありません。

こういう点から推測すると、バイデン大統領にはそれなりに根拠があってプーチン大統領を「人殺し」呼ばわりしていると考えると言えます。

バイデン政権と原油価格

就任直後のバイデン大統領に「人殺し」呼ばわりされたことに対して、当のプーチン大統領は茶化したような態度を取り続けています。

しかし、一国の指導者が他国の代表に人殺しと呼ばれて気分がよいわけがありません。

こうした態度を取り続ける裏には、何かがあると考えるのが妥当でしょう。

では、その就任から半年後にアメリカに何が起こったのか?

下記はWTI、原油価格の1年間の推移になります。

参照元:TRADING ECONOMICS

バイデン大統領が就任した2021年1月からじわじわと原油価格が上昇し、2021年11月には80ドル超え。

トランプ政権で2020年1月に原油価格がマイナスを記録してからの80ドルですから、この上昇は異常です。

しかもドル高なら本来は原油価格が下がるのに、ドルが上昇しても原油価格まで上昇しました。

これは誰かが意図的にやっていることと考えられるでしょう。

SPR放出を敢行するも…

バイデン大統領がSPRの放出に乗り出した時は事態が改善すると期待した人も多かっただろうが…

バイデン大統領は2021年11月、「石油やエネルギーを買い占めているやつには容赦なく制裁する」と宣言しました。

そして石油価格の高騰を抑えるために戦略備蓄(SPR)を先進国や中国を含めて放出しました。

この点はバイデン大統領の政治的な成果になります。

理由は、SPRを国際的に協調して放出するのは初めての試みだったからです。

しかし、結果は高値の80ドルから70ドルに下がっただけ。

30〜40ドルで推移していたものが80ドルになり、70ドルになったところで意味がなかったと言われても仕方ありません。

その後も原油価格は上昇し、ウクライナ侵攻時には史上最高値の125ドルまで行きました。

現在は下押しして104ドル程度ですが、おそらくこの価格近辺「以上」で推移するでしょう。

原油価格釣り上げの犯人は中国?

下記は原油価格の25年間の推移になります。

参照元:TRADING ECONOMICS

2008年に原油が史上最高値を出したのはリーマンショック前、ドルを無尽蔵に安くした結果です。

ドルが安ければ産油国の受け取り代金は減るので、相対的に価格を上昇させるほかありません。

そしてリーマンショックで暴落し、その後高値安定になりました。

本来ならリーマンショックが終了して景気が回復してきた時点でドルは上昇するので、相対的に原油価格も下がるはずです。

ところが実際には下がりませんでした。

なぜなら当時は中国の爆買い時代、世界の資源を中国が高い値段で買いかっさらっていったからです。

結果として当時のオバマ大統領の看板政策はことごとく失敗。

例えば当時、石油価格が上昇するので、とうもろこしや砂糖を代替燃料としてエタノール車を走らせるなんてことが真剣に語られました。

しかしそうした資源が全て高騰し、オバマ大統領の環境政策はほぼとん挫したのです。

メンツと朝貢外交の国ゆえに…

一見良好に見えた中国とオバマ大統領の関係だったが…

アメリカが国費を投入してソーラーパネルを製造するメーカーを作っても、中国がソーラーパネルをダンピングで輸出して倒産させました。

アルミなども実質、中国の大連商品取引所では価格をゼロにし、あらゆるものを割安で輸出してアメリカの産業を潰しています。

中国がなぜこのような反発をしたのかといえば、2011年に当時の首席、胡錦涛がG2という枠組み作りの着手について、わざわざ訪米までしてオバマ大統領にお願いしに行きました。

ところがオバマ大統領の態度はつれないもので、中国とは国のイデオロギーが違うゆえに提案には乗れないとして拒否したのです。

しかし朝貢外交しかしない中国には、外国にまで行ってお願いをしたのだから、相手は礼儀としてG2という枠組み作りに協力すべきだという意識があります。

結果2011年以降、中国は資源の爆買いを続け、オバマ政権の環境政策をとん挫させたのです。

中国・ロシア連合の仕返しは続く

2022年2月下旬、ロシアによるミサイル攻撃で破壊されたウクライナの首都、キエフの建物

今回のウクライナ侵攻に関しても同様で、中国に選択を迫るとバイデン大統領は勢い込んでいます。

しかし中国からすれば、対等な交渉であるはずなのに現在アメリカが中国に対して行っている制裁を解除するというような手土産もなし。

それでロシアに制裁しろとは何様だというのが本音でしょう。

この結果、今年の夏から冬にかけて面罵された仕返しを中国・ロシア連合によって行われているのです。

つまり現在起こっている資源高は今年いっぱい続くでしょうし、アメリカを悩ませるインフレ問題はまず解消しないでしょう。

資源高、金や原油やレアアース高、穀物高も当面収まることはないということになります。

今は乱高下していますが、冬になれば欧米が買えないくらいに資源が高くなるでしょう。

この記事のまとめ

今回の記事では、原油価格高騰の裏にはオバマ政権、それを引き継ぐバイデン政権によってメンツを汚された中露の仕返しがあることを確認。

すなわち人民元高を背景に原油や金をはじめ、ありとあらゆる資源を中国が買い占めている。

こうしたことから、現在のインフレは到底解消はしないだろう。

それどころか次の冬にはますます悪化することになる。

こういう内容の記事でした。


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