イーロン・マスク「日本の人口減少は滅亡への道」なのか?

電気自動車メーカー、テスラのCEOであるイーロン・マスクが日本滅亡論に言及しました。

一見まともな意見に聞こえ、元陸上選手の為末大などが賛同意見を表明しています。

果たして本当なのでしょうか?

日本滅亡発言の仔細

イーロン・マスクが日本の人口は減少しているので今後の未来は明るくないだろう、地図から消滅しているなどと主張し、元陸上選手の為末大も賛同意見を表明しています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cc630a5ed54b33ee3c450ee1afcc95f3ed77ad7a

引用元:東京スポーツ

ショッキングな内容に聞こえますが、キモはマスク発言を取り上げた以下の記事の最後の部分にあります。

文明レベルの危機を嗅ぎとり、社会に課題解決策を示すのがマスク流の起業術だ。人口減や高齢化に備え、21年にはテスラの新たなプロジェクトとして人に代わって雑用をこなすヒト型ロボット「オプティマス」の開発に乗り出した。株式市場では実現可能性や収益性を疑問視する向きもあるが、マスク氏は「経済の根幹にあるのは労働力だ」と大真面目だ。
テスラでは23年のヒト型ロボットの試作品の完成をめざし、人工知能(AI)分野の人材採用に力を入れている。マスク氏は22年4月の決算説明会では「オプティマスは最終的に自動車事業よりも価値があることが理解できるだろう」と述べている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN081QC0Y2A500C2000000/?unlock=1

引用元:日本経済新聞

要は、日本が消滅するというショッキングな言葉を使い、自分たちが開発した商品を売りさばこうとしているのです。

そもそもマスクは2021年末には自動運転が完成すると喝破して、自社の資金調達を成功させた前歴もあります。

しかしいまだに自動運転ができないことを全く説明しようともしていません。

日本の就業者数は減っているのか?

マスクや為末大のように、人口が減れば経済が鈍化すると誰でも本能的に信じるようなことを言い出す人々がいかに間違っているかをデータで証明しましょう。

下記は日本の就業者数(青、左)と日本の総人口(黒点線、右)になります。

参照元:TRADING ECONOMICS

2000年前半まで黒点線の日本の総人口は増えていますが、それ以降は減少気味です。

しかし青棒線の日本の就業者数は2000年前半に減少しましたが、アベノミクスがスタートした2013〜2014年を境に増えています。

つまり日本の人口が減っても少子高齢化が進行しても、日本の就業者数は増加しているのが現実なのです。

就業者が増えるということは、日本人の平均年収300万円と就業人口増と掛け合わせると、GDPが増えているということになります。

つまり安倍政権で行われた女性活躍社会の促進というテーマは、きちんと機能しているのです。

この路線を続けていけば、日本の人口減での経済成長の鈍化はありえないでしょう。

肝要なのは今の政策を辛抱強く持続すること

昔ならちょっとぐらいのセクハラは許されたものだが…

今、幼児や児童に対して莫大な税金が投入されていますが、これは子育て世代への支援につながります。

政府として子育て環境の充実に積極的に関与していくという国民に対する明確なメッセージとなっていくことでしょう。

そして女性の職場参加に関しても、男女雇用機会均等法が採用されたのは1992年。

そこからパワハラやセクハラという言葉が世間を席巻したことは、ご存じのとおりです。

これは女性が職場参加するにあたって、今までの男性社会ではパワハラやモラハラがいくらでも行われてきたことが是正され、女性が職場で活躍しやすくなったことの証明です。

つまり現実は少子高齢化は進行していきますが、今まで女性が参加できなかった職場に女性が参加することによって、将来の成長が鈍化する危機は解消する傾向を全く無視した発言がマスクや為末の発言なのです。

すなわち今の政策を辛抱強く、長く続けることが肝要です。

人口が減れば経済は鈍化する一見真理のように聞こえますが、現状の日本はそれが変わりつつあるということも認識すべきでしょう。

マスク発言の金価格への影響は?

その口先と行動で何かと世の中を混乱に陥れるイーロン・マスク

このように、人口減で経済鈍化した日本が地図から消えるなどとセンセーショナルなことを言えば、日本の財政危機の問題が喚起されてくるのでしょう。

その結果、日本円は信用できないということになり、また金ブームや仮想通貨ブームになることになると考えられます。

もちろん現実は女性の社会参加によって国民の所得は人口減少になっても上昇するので、こんなバカげた議論など起こりようがありません。

しかしいつものように世間は「日本の危機だ」、「財政の危機だ」と騒ぎ立てます。

この問題は金の本質ではないことはお察しでしょうが、おそらく一部の投資家はこれを材料に金買いを推奨し、実際に買い、値段を押し上げることになるものと考えられます。

この記事のまとめ

今回の記事では、テスラ社CEOのイーロン・マスクの日本滅亡発言は、自社製品を売り込むためのおどし文句にすぎないことを確認。

すなわち日本の人口が減少に転じても、労働人口は女性の社会進出を主な理由に上昇しているのが現実。

日本にとって肝要なのは、現在の政策を辛抱強く継続していくことに尽きる。

このように本来なら金相場にはなんの影響もない問題のはずだが、一部の投資家はこれを利用して金買いを推奨し、値段の押し上げを図るだろう。

こういう内容の記事でした。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください