アレキサンドライト「ロシア皇帝そしてティファニーが愛した宝石」
19世紀に発見されたアレキサンドライトの名は時の皇帝アレキサンドル2世にちなんでいます。
緑から赤へと、あざやかな色変化を示すアレキサンドライトは
「昼はエメラルド 夜はルビー byバウアー(鉱物学者)」
としてその謎めいた魅力によって見る人を酔わせます。
極端に採掘量が少ないため、非常に希少性が高いこともアレキサンドライトの特徴です。
本コンテンツではアレキサンドライトの価値を改めて知っていただきたいという願いを込めて
- History アレキサンドライトと人との歴史
- Journey アレキサンドライト原石の産地情報
- Grading アレキサンドライトの鑑定基準&評価ポイント
- Regend アレキサンドライト伝説的ジュエリー紹介
上記にカテゴライズしたアレキサンドライトのすべてについてご紹介します。
History 人とアレキサンドライトの歴史
- アレキサンドライトヒストリー 古代から現代まで
- 歴史に名を残した伝説のアレキサンドライト
- 合成アレキサンドライトはどのようにして生まれたか?
アレキサンドライトの歴史 1830年から現在
1830年 アレキサンドライト発見
ロシア最後の王朝ロマノフ一族に縁の深いアレキサンドライト。
初めて発見された石は時の皇帝アレキサンドル2世に献上されました。
ロシア皇帝軍の軍服の色「赤」「緑」をあわせもつ石として喜ばれました。
現在も周囲の明るさでカラーチェンジするアレキサンドライトは
「昼はエメラルド 夜はルビー」
としてその謎めいた魅力によって見る人を酔わせます。
最近まで産地がロシアに限定されていたため、きわめて希少性が高くコレクターズジェムでもあります。
アレキサンドライト命名の背景
アレキサンドライトには多くの伝説があります。
もっともよく知られているのがアレキサンドルの名が、凶弾に倒れた悲劇の皇帝アレキサンドル2世にちなんだというものです。
アレキサンドライトを発見した皇帝お抱えのフィンランド出身の鉱物学者「ノルデンショルド」でした。
ある日彼と同じく皇帝から命を受けてロシア国内の宝石を調査していた貴族から渡された鉱物サンプルから発見されました。
最初はエメラルドと判断したものの、夜のキャンドルの明かりのもとで緑から赤に変化したことから全く別の宝石と判明。
この世にも珍しい宝石は時のロシア皇帝一家にことのほか気に入られました。
そこでアレキサンドル2世の成人を祝う形で、「アレキサンドライト」と名付け献上しました。
伝説のアレキサンドライト
謎のザウアーアレキサンドライト
19世紀に発見されたアレキサンドライトの歴史はまだ始まったばかり。
したがってカラット数の大きな石や歴史上重要な意味を持つジュエリーの報告例はほとんどありません。
世界中を見渡してみてもアレキサンドライトを所蔵する博物館や美術館は数えるほどです。
アレキサンドライト関連エピソードがほぼゼロのなか、鉱物宝石愛好家の間で物議をかもしているのが
「ザウアーアレキサンドライト」
の存在です。
122千400カラットという驚異的なサイズを誇り、発見者ザウアーが自著や施設博物館で紹介してきました。
しかし2017年にザウアーが亡くなった後、展示から姿を消しました。
ザウアーアレキサンドライトはどこに行ったのか?
そもそも本当にアレキサンドライトだったのか?
現時点では「アレキサンドライト」であり「個人コレクターに売却」とする説が有力です。
ホイットニーアレキサンドライト
米国スミソニアン博物館所蔵「ホイットニーアレキサンドライト」は17.08カラットブラジル産アレキサンドライトです。
2009年博物館に寄贈したホイットニー氏の名にちなんで命名されました。
65.7カラット世界最大アレキサンドライト
ザウアーアレキサンドライトが該当する可能性を抜きにすれば、アレキサンドライト世界最大サイズの公式記録は65.7カラット。
米国スミソニアン博物館に所蔵されているスリランカ産アレキサンドライトです。
スミソニアンが世界に誇る「ナショナルジェムコレクション」の中核をなすチェンバレン一族が所有する宝石のひとつでした。
フェルスマン博物館のアレキサンドライト
発見地だけあってロシアの博物館にはいくつものアレキサンドライトが所蔵されています。
なかでもモスクワにあるフェルスマン鉱物博物館には大型アレキサンドライトの標本があるようですが情報は公開されていません。
合成アレキサンドライトはどのようにして生まれたか?
発見されてから200年弱、しかも採掘量が極めて少ないことから考えるとアレキサンドライトの合成化のスピードは驚くほど速いものでした。
アレキサンドライト発見の地ロシアでは、旧ソ連時代から非常にクオリティの高い合成アレキサンドライトの生産に成功していました。
非常に高い純度の単結晶を成長(=再結晶)させる、いわゆるCZ法です。
現在はあらゆる宝石の合成に成功している米国「チャザム」、日本京セラ「クレサンベール」がラボグロウンアレキサンドライトを生産しています。
国内では粗悪な合成アレキサンドライトが出回ったこともあったようです。
多くは次の3つのいずれかに該当します。
- 酸素フッ化物を添加したガラス
- カラーチェンジ効果(=アレキサンドライト効果)を持つ工業用アレキサンドライト
- レーザー光線に利用されるベラルーシSolix社製品
これらはきわめて外観が美しく変更性が高いため注意が必要です。
石の審議について保証してもらえる信頼できる宝飾店、リセールショップからの購入をおすすめします。
Journey「エメラルドはどこからやってくる?」エメラルドの旅路(鉱山情報)
アレキサンドライトの2大産地プレミアムは「ロシア」「ブラジル」です。
しかしロシア産アレキサンドライトは20世紀に入るまでにほぼ採掘は終わりました。
またブラジルでは自然保護の観点などにより採掘が難しくなっています。
いくつかの地域で見つかってはいますが、その量はごくわずかです。
以下にアレキサンドライトが希少な宝石なのかがよくわかります。
ここでは世界の主なアレキサンドライトが採れるエリアをご紹介します。
アレキサンドライト産地「ロシア」
最初にアレキサンドライトが発見された場所は、ロシアウラル山脈の東側斜面からでした。
その後20世紀を迎えるまでロシアは唯一のアレキサンドライト産地でした。
- クンツァイト
- ツァボライト
- タンザナイト
を世に送り出したティファニーお抱えの鉱物学者「ジョージクンツ」もアレキサンドライトに強く魅了された一人。
彼がティファニーに在籍した19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、ティファニー製アレキサンドライトジュエリーが製作されました。
その多くがロシア産アレキサンドライトのプラチナジュエリーでした。
しかしロシア産アレキサンドライトは100年を待たずしてほとんど枯渇してしまいます。
現在は新たな鉱床発見はもちろん、発見当初のような鮮やかなカラーチェンジを示す原石が採掘されることもめったにないようです。
アレキサンドライト産地「ブラジル」
ロシア産と並び高く評価を受けているのがブラジル産アレキサンドリアです。
アレキサンドリアが埋蔵されているのは、ブラジル南東部に位置するミナスジェライス州。
内陸部にある広大な一大鉱山地帯では、多くの貴金属や宝石が採掘されています。
とはいえ周囲と隔絶されたジャングルでは、採掘の指揮を執るリーダーが価値を認めない(知らない)石は放棄されました。
実はアレキサンドライトやクリソベリルキャッツアイも(色変化前後はさほど美しい色合いではないため)そのひとつだったといわれています。
ロシアのアレキサンドライトが枯渇した後、ロシアにかわる有望なアレキサンドライト採掘エリアとして脚光を浴びました。
ブラジル産アレキサンドライトの魅力はドラマティックな色変化、ことに赤紫に定評があります。
アレキサンドライト産地「スリランカ」
宝石の島と呼ばれるスリランカではアレキサンドライトの採掘もおこなわれれています。
総じて色の変化は弱い傾向にありますが、透明度が高く大型のアレキサンドライトがよくみつかります。
112カラットの大きさを誇る「ナリームアレキサンドライト」はその代表例です。
もしリカットされずに現存していたら世界最大のカット済アレキサンドライト)
アレキサンドライト産地「タンザニア」
北部にあるマニヤラ湖と南のツンドゥルからアレキサンドライトが採掘されています。
特にツンドゥルからは色変化の大きい大粒の原石が見つかっていました。
現在は容易に採掘できるエリアの石は枯渇したものの、新たな採掘場所で継続しています。
アレキサンドライト産地「マダガスカル」
世界最大級サファイア鉱床を擁するイララカ地区からは良質のアレキサンドライトも採掘されています。
とはいえ採掘する人々の関心がサファイアに集中するためアレキサンドライトの採掘量はそれほど多くありません。
同国最大の湖であるアラオトラ湖畔の砂地からも時折顔を出します。
アレキサンドライト産地「インド」
全盛期のロシア産アレキサンドライトのカラーチェンジは素晴らしいもので、緑から赤に鮮やかに色を変えるさまが夜と昼とも例えられました。
当時のロシア産アレキサンドライトと肩を並べる高品質アレキサンドライト発見例がインドで相次ぎました。
鉱山の名はナルシパトナム鉱山です。
インドではじめてアレキサンドライトが発見されたのは1996年。
場所はインド南東部ベンガル湾に面する「アンドラプラデシュ(AP)州アラク渓谷」でした。
とはいえ小粒で控えめな変色が確認できる程度の石がほとんどでした。
その後同州ナルシパトナム鉱山からペグマタイト交渉がインドで発見されました。
Grading アレキサンドライトの評価ポイント
- アレキサンドライトの評価ポイント
- 「カラー」「カラット数」「透明度」「非加熱」「化学処理の有無」
- オークション会場をざわつかせた超高額アレキサンドライト
アレキサンドライトはどのような評価ポイントで価格が決定されるのでしょう?
アレキサンドライトの価値を決めるもっとも重要なポイントは
「緑色の強さ」
です。
しかしそのほかにも価格を左右する要因があります。
また歴史的に価値あるアレキサンドライトジュエリーは高く評価されています。
ここでは
- アレキサンドライトの宝石としての特徴
- アレキサンドライトの評価ポイント
- オークション会場を沸かせた超高額アレキサンドライト
についてご紹介します。
そもそもアレキサンドライトとはどんな宝石?
アレキサンドライトは何からできている?
アレキサンドライトは宝石の分類では「クリソベリル」に該当します。
クリソベリルはミントグリーン~青~青紫などカラーバリエーションに説く宝石です。
特にミントグリーンは合成石が大量に生産されたほど非常に好まれています。
名前が似ていますがエメラルド、アクアマリン、モルガナイトが含まれるベリル族とは異なる宝石です。
キャッツアイもアレキサンドライトの仲間
「半透明」かつ「針状の不純物を持つ「キャッツアイ」と呼ばれるシャントシー効果をあらわします。
アレキサンドライトにも同様にキャッツアイ効果を示す石がまれに見つかります。
化学処理が行われない宝石
アレキサンドライトは人の手が加えられない、自然のままの宝石として流通する珍しい宝石です。
チタンやクロムよりもはるかに小さい原子であるベリリウムが主成分であること
加熱すると液体に変化する「ガリウム」が含まれること
などの理由で化学処理を行うことが困難であることが大きな要因です。
もっとも「ベリル加熱タイプパパラチアサファイア」のようにほかの宝石の化学処理に利用されることはあります。
カラーチェンジ効果(緑→赤)を持つ
クリソベリルの中でも別格の宝石アレキサンドライトは緑から赤に色を変えて見せる変色性を持ちます。
その秘密は宝石の色を決める成分にあります。
アレキサンドライトは次の成分を持っています。
緑に見せるバナジウム
赤に見せるクロム
光源によってどちらが優勢になるかで見た目の色が変わるのです。
またクリソベリルには暗い紫~赤紫にカラーチェンジするレッドクリソベリルにはがあります。
しかし太陽光のもとで緑もしくは青みがかった緑に見えないクリソベリルはアレキサンドライトとは呼ばれません。
アレキサンドライトの評価ポイント
アレキサンドライトは「カラーチェンジの鮮やかさ」で評価される
カットのクオリティ、透明度の高さ、カラット数の大きさな
これらはすべての宝石共通する品質を決定する条件です。
そしてアレキサンドライトには求められる特性があります。
それはいうまでもなく「変色性」になります。
どれほど劇的なカラーチェンジを示すかがアレキサンドライトの価値を決めます。
オークションをざわつかせた超高額アレキサンドライト
21カラットのロシア産アレキサンドライト
2014 年ジュネーブで開催されたクリスティーズの宝石オークションに博物館クラスのアレキサンドライトが登場しました。
21.41 カラットのクッション型にカットされたロシア産アレキサンドライトです。
はっきりとしたカラーチェンジを示し、アレキサンドライトしてはスーパーサイズが注目されました。
予想価格の3倍「1,325,000スイスフラン(約2億円)」で落札されました。
ハリーウィンストンのアレキサンドライトリング
2021年ジュエリー界の大御所ハリーウィンストンのアレキサンドライトがクリスティーズのオンラインオークションに登場。
7.04カラットのアレキサンドライトにマーキスカットとペアシェイプのダイヤモンドを組み合わせています。
ハリーウィンストンらしい正統派かつ華やかなこちらのリングは予想価格の5倍以上
「2,500,000 香港ドル (約4300万円)」で落札されました。
アレキサンドライトと間違えやすい宝石リスト
カラーチェンジサファイア(モース硬度 9.0)
赤以外のコランダムはすべてサファイアと呼ばれますが、アレキサンドライト同様に光源によって色が変わる石があります。
昼間もしくは蛍光灯のもとでは青から紫、白熱灯の下では、ピンクや青みがかかった紫に変化します。
まれにアレキサンドライトによく似た緑と赤に近い色に変わる石が登場します。
カラーチェンジガーネット(モース硬度 6.5~7.5)
ガーネットは同じ結晶構造を持ちながらも石によって成分が微妙に異なる、という特殊な宝石です。
成分が異なる=色や屈折率が変わる
ことからガーネットは多彩な色合いの石が存在します。
カラーチェンジするガーネットは「青 ブルーガーネット」がほとんどで、マダガスカル、タンザニア、スリランカで多く発見されています。
カラーチェンジ フローライト(モース硬度 4.0)
硬度が低くジュエリーに使用されることはほとんどないフローライトですが、色合いの美しさで石数寄の方人気があります。
まれに青からピンク、緑からピンクに変化するカラーチェンジタイプがあります。
カラーチェンジスピネル(モース硬度 8.0)
カラーチェンジスピネルの多くは青から深い青に変わる範囲にとどまります。
まれに赤褐色から青緑に見える範囲まで色が変化することがあります。
カラーチェンジダイアスポア(モース硬度 6.5~7.0)
アレキサンドライトと同じくロシアウラル山脈で発見された宝石にダイアスポアがあります。
コランダムを含むエメリー鉱石の副産物として出現することが多い、宝石品質のものは淡い紫など魅力的なカラーがそろいます。
現在ではトルコのアナトリア平原からも外観の美しい石が採掘されています。
こちらも薄緑から赤褐色にカラーチェンジする石が時折見つかります。
Regend アレキサンドライトを買うならどのブランド?名作ジュエリーを知りたい!
- アレキサンドライトジュエリーが豊富なブランド
- 語り継がれる伝説のアレキサンドライトジュエリー
- 太古の昔から富と権威の象徴だった宝石たち。
ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドの4大宝石はいうまでもなく
かつてはダイヤモンドよりも貴重とされたパール
中国はじめアジアの人々が愛好するヒスイ
これらオールドジェムにくらべると、発見後の歴史の浅い宝石は査定評価では不利かもしれません。
何千年もの歴史の中で評価が定まり、普遍的な評価が定まっているわけではないからです。
希少価値が高く愛好家の多いアレキサンドライトは例外中の例外と言えます。
とはいえ後々手放すときのことを考慮すれば、付加価値としてのブランドネームを意識しておくことは賢明な入手方法と言えます。
ここでは希少宝石アレキサンドライトに早くから着目してきた「ティファニー Tiffany」をピックアップしました。
また米国メトロポリタン美術館に所蔵されている「ルイスティファニー作アレキサンドライトジュエリー」についてもご紹介します。
ブランド紹介!アレキサンドライトを買うなら「ティファニー Tiffany」
もっともはやくアレキサンドライトに注目したブランド
アレキサンドライトを手に入れたいと思ったらまずはティファニーのコレクションをチェックしましょう。
常にコレクションに含まれているわけではありませんが、アレキサンドライトのジュエリーの登場回数が多いブランドです。
ティファニーがバックアップしたことがよく知られるタンザナイトのように、ティファニーはブランドの美意識にかなう宝石は積極的に採用してきました。
ジュエリーだけではないティファニーのデザイン力
1845年創業以来、本国アメリカのみならず世界の女性たちのあこがれの的だったティファニー。
しかしティファニーの美の追求はジュエリーのみならずライフスタイル全般に及びます。
創業者チャールズの長男ルイスは青年時代アートに傾向、ジュエリーではなく絵画制作に熱心でした。
パリ万博でアール ヌーボーの巨匠ガレの作品に刺激を受け、ステンドグラスはじめガラス製造に熱中します。
テーブルランプをはじめ多くの名品を残しました。
父の死後はジュエリーデザインに転向し、
超富裕層のみが閲覧できるブルーブック
ティファニーブルーと称される独特の水色(コマドリの卵の色)の表紙「ティファニーのテーブルマナー」はよく知られています。
いわずとしれあティファニー社によるマナー本ですが、実はもう一つブルーブックがあります。
それが毎年一度発表されるハイジュエリーコレクションカタログ「ブルー ブック BlueBook」です。
もっとも手に入れられるのはハリウッド女優や各国王侯貴族たちなどティファニーの最上級顧客のみ。
もともとは創業当初の販売戦略として「通信販売カタログ」だったブルーブック、現在はセレブの証ともなっています。
MET所蔵されたアレキサンドライト
採掘できる鉱山が非常に限られることもあって、アレキサンドライトの逸品ジュエリーはまだほとんど存在しません。
なにしろアレキサンドライト自体展示されている博物館は世界中に数えるほどです。
おそらく小粒の石が多いアレキサンドライトは個人の愛好家たちによって秘匿されてしまうのでしょう。
そんな状況にあって米国のメトロポリタン美術館には貴重なアレキサンドライトジュエリーを所有しています。
40カラット以上のビッグサイズ、デザインはルイスティファニーという豪華なネックレスです。
しかもルイスの恋の記憶の名残、ともいわれるロマンティックな背景
今回はアレキサンドライトを使用した珠玉のティファニージュエリーについてご紹介します。
献身的なナースに贈られた40カラットアレキサンドライト
今回はティファニーによる40カラットのアレキサンドライトをセンターストーンにセットしたネックレスについてご紹介します。
こちらは彼が2番目の妻を失った後、身の回りの世話を頼んでいた看護師サラにプレゼントしたものです。
サラは彼の二人の妻よりも長い間(1910~1933年)そばにいつづけ、最期を看取った人物です。
彼女が受け取ったネックレスはどのようなものでしょうか?
それはカットしていないガーネット、トルマリン、カーネリアン、アンバー、そしてバロックパールをハンドメイドのチェーンでつないだもの。
そしてアールヌーボーを思わせる流線型フォルムの枠に収められている40カラットのアレキサンドライトがセンターストーンにセットされています。
そして手作業と思われるいびつな純金製ビーズがちりばめられて、ネックレス全体に光を与えています。
十分にゴージャスながらもカットしていない半貴石、手仕事感で素朴な印象も感じさせます。
おそらく看護師であるサラが身に着けることができるジュエリーであること
そして彼女が困ったときには換金できるだけのゴールドを含むジュエリーであること
そんな思いやりと感謝があったのではないかと思わせる、やさしいイメージのジュエリーです。
そしてサラは第二次世界大戦後の翌年1946年にメトロポリタン美術館にこのネックレスを寄贈しました。
おそらくルイスとの思い出と、ルイスの作品を後世に残したいという願いとともに。
査定担当からのメッセージ
ジュエリーを手放す時
そして新たなジュエリーを迎え入れる時
いつも思い出してもらえる存在であり続けたい、これが私たちの願いです。
(宝石名)担当 (担当者名)からのメッセージ
「」
何度でもリファスタに戻ってきてほしい、こちらのコンテンツからその思いが伝わればさいわいです。
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